【元消防職員・防災士が解説】防災×物資調達・輸送調整等支援システム(B-PLo)|“届かない”を止める国家物流の司令塔

防災

災害時に本当に怖いのは、
「物資がない」ことではありません。

物資はあるのに、届かない。
この混乱こそが、命を削ります。

東日本大震災では、
支援物資が集積所に山積みなのに、
避難所には届かないという事態が発生しました。

その反省から整備・進化してきたのが
内閣府の「物資調達・輸送調整等支援システム」です。

そして令和7年4月からは、
新システム B-PLo(災害物流プラットフォーム) として運用が開始されました。


■① なぜ国家レベルの物流司令塔が必要か

大規模災害では同時に起きます。

・道路寸断
・燃料不足
・トラック不足
・職員被災
・通信障害

さらに、
「どこに何人いるか」が分からなければ、
物資の適正配分は不可能です。

物流の問題は“量”ではなく
情報精度と指揮系統の問題です。

B-PLoは、
避難所ニーズの把握から
調達・輸送・配分までを一元管理します。


■② B-PLoの主な機能

新システムでは以下が統合管理されます。

● 避難所状況管理
(開設状況・避難者数のリアルタイム共有)

● 物資支援要請管理
(ニーズ集約・ミスマッチ解消)

● 調達・輸送状況追跡
(出発〜到着確認まで可視化)

● 在庫管理・精算支援

PC・タブレット・スマホ対応で、
プッシュ型支援とも連携。

“送ったはず”をなくし、
“届いた”まで確認する仕組みです。


■③ 災害物流は3段階で動く

① 初動期(0〜72時間)

国がプッシュ型で基本物資投入

② 拡張期(3日〜1週間)

広域調達・輸送ルート確立

③ 安定期(1週間以降)

在庫調整・偏在解消・精算管理

この流れを理解している自治体ほど、
混乱が少ない。


■④ 情報連携が生命線

B-PLoは単体では完結しません。

・SOBO-WEB
・ISUT
・EEI(災害対応基本共有情報)
・避難所入退所管理システム

と連動することで、
「人の数」と「物の量」が一致します。

私は能登半島地震で
LOとして現地調整に入りました。

名簿更新が遅れ、
実人数と物資配分がずれた事例を何度も見ました。

物資は“倉庫”ではなく
人の数に合わせて動くものです。

ここがズレると、
怒りと不信が生まれます。


■⑤ それでも自助は消えない

国家物流が整っても、
道路が通らなければ物は来ません。

到着遅延は必ず起きる。

だからこそ、

● 最低3日分
● 可能なら1週間分

の備蓄が前提です。

これは今も変わりません。


■⑥ 命をつなぐ物流とは

物流は“段ボール”ではありません。

・トイレットペーパーがない
・おむつが足りない
・水はあるが高齢者が運べない

こうした小さなズレが、
関連死につながります。

B-PLoは、
そのズレを減らすための国家インフラです。

しかし、
最後に整えるのは現場の判断。

防災に正解はない。
あるとすれば臨機応変です。


■まとめ

・B-PLoは国家災害物流の司令塔
・避難所ニーズ〜調達〜輸送〜到着確認まで一元管理
・SOBO-WEB・ISUT等との連携が偏在防止の鍵
・物資は「人の数」に合わせる
・3日〜1週間の自助備蓄は必須

“物がある”ではなく
“人に届く”までが防災。

仕組みを理解している地域ほど、
命を守れる。

それが、現場で見た真実です。


【出典】
内閣府 防災情報ポータル(物資調達・輸送調整等支援システム/B-PLo関連資料)
https://www.bousai.go.jp/

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