防災の現場では、
すべてをマニュアル通りに進めることはできません。
だからこそ、
現場には一定の「裁量」が与えられます。
しかしその裁量は、
無制限の自由ではなく、責任と基準に支えられた判断権です。
今回の一連の事案は、
防災組織における「裁量権の使い方」が
いかに重要かを改めて浮き彫りにしました。
■① 防災における裁量権とは何か
裁量権とは、
状況に応じて最適な判断を下すために与えられる権限です。
災害現場では、
・情報が不足している
・時間がない
・前例が通用しない
こうした場面が日常的に発生します。
だからこそ、
現場や組織には裁量が不可欠なのです。
■② なぜ裁量の誤用は防災力を下げるのか
裁量が誤って使われると、
次のような問題が生じます。
・判断が人によって極端に変わる
・基準が見えず、現場が混乱する
・結果だけで正当化される
これは防災組織にとって非常に危険です。
裁量は、
「好きに決めていい権利」ではありません。
■③ 裁量権に必要なのは「枠」と「理由」
健全な裁量には、
必ず次の2つが必要です。
・判断できる範囲(枠)
・その判断に至った理由
この2つが揃って初めて、
裁量は組織の力になります。
理由を説明できない裁量は、
単なる独断です。
■④ 不祥事対応は裁量権の試金石
不祥事対応では、
裁量権の使い方がそのまま表に出ます。
・なぜこの処分なのか
・他の選択肢はなかったのか
・どこまでが裁量なのか
これを説明できない組織は、
災害時の判断も必ず揺らぎます。
不祥事対応は、
裁量権をどう使う組織なのかを示す場面です。
■⑤ 現場を生かす裁量、殺す裁量
裁量が正しく使われると、
・現場の判断が速くなる
・責任感が育つ
・組織への信頼が高まる
一方で、
基準のない裁量は、
・現場を萎縮させ
・報告を遅らせ
・判断を止めます
防災組織に必要なのは、
現場を生かす裁量です。
■⑥ 防災の視点で考える「裁量と信頼」
災害時、
住民は行政や消防の判断を信じて行動します。
その信頼の裏側にあるのは、
裁量が適切に使われてきたという実績です。
平時に裁量が乱用される組織は、
非常時に信頼を得ることはできません。
■⑦ まとめ|防災とは「裁量を管理する力」
防災とは、
厳しく縛ることでも、
自由に任せることでもありません。
・裁量の範囲を明確にする
・判断理由を説明できる
・結果を次に生かす
この積み重ねが、
強い防災組織をつくります。
裁量を正しく管理できる組織だけが、
非常時に人命を守る判断を下せるのです。

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