【元消防職員・防災士が解説】防災×造船⑤|“海の力で国を守る”日本に必要な次世代シップ防災モデル

地震・津波・豪雨・噴火――。
日本はあらゆる災害のリスクを抱える世界でも珍しい国だ。
だからこそ今、“造船 × 防災”という新しい視点が注目されている。

最新の技術と海上インフラを組み合わせることで、
「海が支える防災国家」は現実になる。

ここでは、次の時代に必要となる“未来型シップ防災モデル”を解説する。


■■① EV船 × 災害電力供給|脱炭素+防災の二刀流

世界では電気で走る「EV船」が急増している。
この船は災害時の“巨大バッテリー”としても活用できる。

● 船ごと街に給電
● 停電エリアへピンポイントで派遣
● 発電船より小回りが利く
● 海に浮かぶ“非常用バッテリー基地”

電気インフラの弱点を海から補う技術のひとつだ。


■■② ロボット支援船|人が入れない災害現場へ最速でアクセス

災害初動で危険なのは、
「瓦礫・火災・毒性物質」のある区域。

そこで注目されているのがロボット支援船。

● ドローン離発着
● 水上ロボットで浸水エリアを調査
● サーマルカメラで夜間の捜索
● 海側から孤立地域へ食料投下

“人が入れない場所に入る”のが海上ロボットの強みだ。


■■③ 移動式病院船(ホスピタルシップ)|災害医療を海上に確保

病院船は、地震や津波で医療機関が機能停止しても対応できる。

● 手術室・ICUを搭載
● 長期の避難地域に医療を提供
● 感染症拡大時にも隔離空間を確保
● 陸上医療のバックアップとして常備

日本沿岸に1隻でもあれば、医療崩壊リスクは大幅に下がる。


■■④ 浮体式エネルギーステーション|海上に“発電所”を置く時代へ

風力・太陽光・波力発電を搭載した
浮体式発電プラットフォームも防災に有効。

● 陸上の発電施設が被災しても稼働
● 港湾部の非常電源として活用
● 発電船より運用コストが低い
● 脱炭素と防災を同時に実現

固定の発電所を守る難しさを、海上設備が補完する。


■■⑤ メガフロート避難都市|“海に避難する”未来の防災モデル

次世代の理想系は「海上に造る避難都市」。

メガフロート(巨大浮体構造物)は、
海上に街をつくれる技術で、災害時には巨大な避難場所になる。

● 地震の揺れをほぼ受けない
● 津波のエネルギーを浮力で逃がす
● 数千人規模の避難が可能
● 食料・水・エネルギーを搭載できる

“陸が危険なら海に逃げる”。
これが次の日本の防災の形になる。


■まとめ|造船技術は“国家の生存力”を決めるインフラへ

造船はただの産業ではなく、
日本の命を守る国家防災インフラに変わりつつある。

● EV船で電力を海から供給
● ロボット船で危険区域を調査
● 病院船で災害医療を維持
● 浮体発電で停電リスクを分散
● メガフロートで大規模避難を実現

海が強ければ、国の危機対応力は圧倒的に高まる。

造船の進化こそ、
“災害列島・日本”が生き延びる最大の防衛手段となる。

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