【元消防職員・防災士が解説】防災×避難所パーティション|“仕切り”が命と心を守る

避難所で最も多い不満は何か。

食事でもなく、
毛布でもなく、

「プライバシー」です。

令和6年能登半島地震でも、
多くの避難所で課題となりました。

パーティションは単なる“仕切り”ではありません。

命・心・衛生を守るインフラです。


■① なぜパーティションが重要なのか

限られた空間で生活する避難所では、

・視線ストレス
・騒音
・感染リスク
・男女間トラブル

が発生します。

高さ1.8m程度の準個室空間を作るだけで、
心理的ストレスは大きく軽減します。

視線遮蔽率80%以上で
ストレス低減効果が確認された研究もあります。

“見られない”だけで、
人は落ち着きを取り戻します。


■② デザインの工夫で心を守る

カラフルなテキスタイルで
地域文化や応援メッセージをプリント。

透明アクリル+LED間接照明。

暗い体育館を、
「光る家族空間」に変える。

避難所は、
“心が折れやすい場所”。

明るさと色彩は、
立派な心理ケアです。


■③ 技術を組み込んだパーティション

・IoTセンサーで温度・CO₂管理
・遠隔監視で換気最適化
・防音+消臭トイレブース

能登の新技術カタログにも、
遠隔技術や無人化技術が掲載されました。

技術は「被害を減らす」だけでなく、
「生活を整える」段階に入っています。


■④ 持続可能な仕組みづくり

再利用可能なアルミフレーム型を
自治体にレンタル提供。

平時はイベント利用、
有事は避難所へ。

地域企業と連携すれば、
防災が“地元経済”も支えます。

防災はコストではなく、
投資です。


■⑤ ゾーニングで孤立を防ぐ

円形レイアウトで中央に共有空間。

家族ゾーン、
女性ゾーン、
高齢者ゾーンを明確化。

私が被災地で感じたのは、

「孤立が一番つらい」

という事実。

仕切りは孤立を生むのではなく、
適切な配置で“安心の輪”を作ります。


■⑥ 現場経験から見た“仕切りの力”

能登半島現場での活動中、
プライバシー不足が原因で
トラブルが発生する場面を見ました。

着替え、
授乳、
夜間トイレ。

小さな配慮不足が、
大きなストレスになります。

段ボール+ビニールでもいい。

“まず囲う”ことが重要。

高価でなくていい。

「あるか、ないか」が全てです。


■⑦ 空気式・AR・ソーラー連動の可能性

・空気式インフレータブル
・ドローン空輸
・ソーラー充電連動
・AR仮想区画

技術の選択肢は広がっています。

ただし大切なのは、

「現場で使えるか」

です。

技術は派手さより、
耐久性と設営速度。

防災はロマンではなく、
実装です。


■⑧ 子どもと女性を守る設計

・授乳専用ゾーン
・ぬいぐるみポケット
・防音トイレ区画

避難所は“弱者優先”で設計すべきです。

女性が安心してトイレに行ける。

子どもが泣ける。

これが生活の土台です。


■まとめ

パーティションは、

・プライバシー確保
・衛生管理
・心理安定
・トラブル防止

を同時に実現する多機能ツール。

災害は避けられません。

しかし、
避難生活の質は改善できます。

“仕切り一枚”が、
命と尊厳を守る。

自治体も、
家庭も、

「囲う備え」を今から考えておきましょう。


【出典】
内閣府「令和6年能登半島地震を踏まえた有効な新技術~自治体等活用促進カタログ~」

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