【元消防職員・防災士が解説】防災×首都直下地震と「日常回復の錯覚」|戻った“つもり”が最も危険なタイミング

首都直下地震では、
数日〜数週間が経つと、
街に少しずつ日常が戻ったように見え始めます。

電気が点き、店が部分的に開き、
人の往来も増える――。

しかしこの段階こそ、
最も事故とトラブルが増える時期です。


■① なぜ「戻った感覚」が危険なのか

日常回復の錯覚が起きる理由は、

・部分復旧が進む
・周囲が動き始める
・緊張が緩む

からです。

しかし実態は、

・インフラは不安定
・支援は途切れがち
・人は疲労がピーク

という、非常に危うい状態です。


■② 事故が増えるのは「少し落ち着いた頃」

現場で多いのは、

・通電火災
・片づけ中の転倒・落下
・無理な通勤・通学再開
・体調悪化の見逃し

「もう大丈夫だろう」という判断が、
二次被害を生みます。


■③ 在宅避難が破綻しやすいタイミング

この時期に起きやすいのが、

・備蓄の底が見える
・水・トイレの我慢が限界
・暑さ寒さへの耐性低下

初動よりも、
生活の消耗が一気に表面化します。


■④ 「元に戻す」より「安定させる」発想へ

防災で重要なのは、

・早く元に戻す
ではなく、
・安全に安定させる

という視点です。

無理に通常運転へ戻すほど、
事故と体調不良は増えます。


■⑤ 家庭で決めておく“回復期ルール”

首都直下地震に備え、
次のルールを決めておくと効果的です。

・復旧後も危険作業は控える
・疲労が出たら即ペースダウン
・「できること」と「やらないこと」を分ける

回復期こそ、
判断基準が必要です。


■⑥ 子ども・高齢者ほど影響が遅れて出る

この時期に注意すべきサインは、

・急な発熱
・無気力
・食欲低下
・不安定な行動

「今さら?」と思う頃に、
影響は出ます。


■⑦ まとめ|首都直下地震では「戻りかけ」が最も危ない

首都直下地震では、

・発災直後
・完全復旧

よりも、
その中間の“戻りかけ”
最大のリスク期間です。

防災とは、
非常時だけを想定するものではありません。

日常に戻ろうとする瞬間を、 いかに慎重に乗り越えるか。

そこまで含めて考えることが、
都市災害を最後まで生き抜く
本当の防災なのです。

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