災害時に本当に怖いのは、
「被害」そのものではありません。
“助けが届かない時間”です。
道路が寸断される。
通信が途絶える。
誰が孤立しているのか分からない。
その“見えない孤立”を
可視化するために整備されたのが、
SOBO-WEB(新総合防災情報システム)です。
これは単なるITツールではありません。
命をつなぐための国家インフラです。
■① SOBO-WEBとは何か
SOBO-WEBは、
内閣府が整備する新総合防災情報システムです。
災害情報を地理空間情報(GIS)として
地図上に重ね合わせ、
・道路寸断状況
・孤立集落
・救助要請
・ライフライン被害
・支援物資拠点
などを一元管理します。
EEI(災害対応基本共有情報)に基づき、
自治体・消防・警察・国機関など
約1,900機関が連携して運用しています。
「どこで、何が、どの程度起きているか」
それを“同じ画面”で共有できる。
これが最大の強みです。
■② なぜ孤立の可視化が重要なのか
2024年の能登半島地震では、
山間部の孤立が大きな課題となりました。
道路が崩落し、
情報が入らず、
支援が遅れる。
孤立が長引くと、
・水不足
・医療搬送遅れ
・持病悪化
・低体温症
・精神的疲弊
が連鎖します。
私自身、
被災地派遣(LO)として現地に入り、
「情報が来ない地区ほど支援が遅れる」
という現実を何度も目の当たりにしました。
孤立は、見えないと助けられません。
SOBO-WEBは、
道路情報・衛星情報・現地入力を重ね、
孤立の兆候を早期に把握します。
これは
“災害関連死を防ぐ仕組み”
でもあります。
■③ 災害時に起きる情報混乱の現実
発災直後は、
・電話不通
・同じ情報の重複
・誤情報の拡散
・紙と口頭伝達の混在
が起きます。
現場は常に混乱しています。
だからこそ、
デジタル集約が必要です。
SOBO-WEBは、
バラバラの情報を統合し、
全体像を描き出します。
重要なのは、
「誰が正しいか」ではなく、
「今どこが危険か」を即座に判断できることです。
■④ システムよりも“運用力”
どれだけ優れたシステムでも、
使えなければ意味がありません。
鍵は運用です。
・入力担当の明確化
・更新頻度の徹底
・平時訓練での使用
・関係機関連携
SOBO-WEBには訓練機能もあり、
平時から活用できます。
災害対応は、
“準備した自治体”が強い。
導入より継続。
これが現場の真実です。
■⑤ 住民にできること
SOBO-WEBは行政側のシステムですが、
住民の備えも重要です。
・地域の危険箇所把握
・孤立しやすい道路確認
・家族連絡手段共有
・安否情報の正確な発信
住民からの正確な情報が、
システムの精度を高めます。
防災は「行政任せ」ではありません。
自助・共助・公助。
三位一体で初めて機能します。
■⑥ 防災DXは命のインフラ
SOBO-WEBは、
単なるIT化ではありません。
これは、
命のインフラです。
孤立を放置しない。
支援を遅らせない。
情報を分断させない。
デジタルは、
冷たい技術ではありません。
命をつなぐ道具です。
■まとめ
・SOBO-WEBは新総合防災情報システム
・孤立集落の可視化が命を守る鍵
・約1,900機関で運用中
・EEIに基づく情報統合基盤
・運用訓練が成功の分岐点
・住民の正確な情報発信も重要
災害対応はスピードと全体把握。
孤立を“見える化”できれば、
助かる命は増えます。
防災DXは、
未来の話ではありません。
もう始まっています。
【出典】
内閣府 防災情報ポータル(新総合防災情報システム SOBO-WEB)
https://www.bousai.go.jp/

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