【防災士が解説】「心理災害」に備えていますか?急がせる・不安をあおる情報の正体

災害は、揺れや火だけではありません。

・急がせる
・不安をあおる
・確認を迫る

この3つがそろったとき、
私たちは“判断力”を失います。

私はこの状態を分かりやすく説明するために、
「心理災害」という言葉で表現しています。
※一般化された公的用語ではなく、防災教育上の概念的な説明です。

地震や豪雨のように目に見える災害ではなく、
心を揺らし、思考を奪う災害という意味で使っています。


■① 心理災害とは何か

心理災害とは、

恐怖・焦り・不安を利用して、
冷静な判断を奪う情報環境のこと。

特徴はシンプルです。

✔ 今すぐ
✔ あなたは危ない
✔ 早く確認を

この構造は、
災害時に拡散するデマとよく似ています。


■② 災害時のデマと同じ構造

東日本大震災では、
「有害物質が雨で降る」
「この地域はもう危険だ」

といった未確認情報が広がりました。

熊本地震でも、
虚偽情報が混乱を招いた事例があります。

共通点は、

・恐怖を刺激する
・急がせる
・裏取りをさせない

という構造です。

被災地派遣(LO業務)で自治体支援に入った際も、
現場では“物理的被害”以上に“情報混乱”の整理が重要でした。

情報が混乱すると、
人は動けなくなります。


■③ なぜ人は急がされると誤るのか

人は焦ると、
「安全より早さ」を優先します。

これは生理的な反応です。

しかし、
現代の情報社会ではこれが悪用されることがあります。

・今すぐ申し込まないと損
・確認しないと凍結
・限定あと○分

こうした表現は、
心理を揺さぶり思考を止める仕組みです。


■④ 判断を軽くする知識

私はいつも

「判断を軽くする知識」

が大切だと伝えています。

判断が重いと、
人は焦ります。

判断が軽いと、
人は止まれます。

心理災害対策はシンプルです。

✔ 急がせる情報は一度止まる
✔ 出典を確認する
✔ 公式発表を待つ
✔ 誰かに一度相談する

これだけで、
多くの混乱は防げます。


■⑤ やらなくていい防災

すべての情報に即反応する必要はありません。

「反応しない」という選択も防災です。

被災地で何度も感じたのは、

一番強い人は、
一番落ち着いている人でした。

動くべき時に動くために、
焦らないことが重要です。


■⑥ 今日できる最小行動

今後、

・今すぐ
・急げ
・確認しろ

という言葉を見たら、
深呼吸をひとつ。

それだけで、
判断を取り戻す時間が生まれます。


■まとめ|見えない災害から判断力を守る

心理災害という言葉は造語ですが、
現実に起きている現象を説明するための概念です。

急がせる
不安をあおる
確認を迫る

この3つがそろったら、
一度止まる。

それが「自律型避難」です。

命を守るのは、
物資だけではありません。

判断力を守ることも、防災の一部です。

現場で見てきたのは、
落ち着いて判断できた人ほど守られたという事実です。
情報があふれる時代だからこそ、
心を守る備えも大切にしていきましょう。


【出典】
内閣府「災害時のデマ・誤情報への対応について」
https://www.bousai.go.jp/

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