【防災士が解説】「灯をともし続ける」輪島朝市が教えてくれる“復興防災”という視点

能登半島地震から2年。
石川県輪島市の象徴であり、日本三大朝市のひとつでもある「輪島朝市」は、
地震と直後の大規模火災によって、かつての姿を失いました。

それでも、人々は「朝市の灯」を消さず、前を向いています。
この物語は、防災と復興は切り離せないという重要な教訓を私たちに示しています。


■① 地震と火災が同時に襲った「複合災害」の現実

2024年元日、能登半島地震が発生。
その直後、輪島朝市周辺では大規模火災が発生しました。

・水道管の破損
・防火水槽は瓦礫に覆われ使用不能
・隆起で川の水量が減少
・津波警報で海水も使えない

「水がない」という状況が、消火活動を極限まで困難にしました。

これは、
👉 地震対策だけでなく
👉 火災・断水を想定した防災
が必要であることを突きつけています。


■② 防災インフラは「使える状態」でなければ意味がない

映像に残された消防士の言葉は重いものです。

・防火水槽があっても瓦礫で使えない
・消火栓が断水で機能しない

インフラは「ある」だけでは防災にならない。

・定期点検
・瓦礫発生を想定した配置
・複数の水源確保

これらは、地域防災の核心です。


■③ 復興の壁となる「まちの構造」と現実

輪島朝市は現在、更地となりました。
しかし再建は簡単ではありません。

・小さく分断された土地
・狭い路地
・建築基準法の制約

そのため「区画整理」による再生が進められています。

これは、
防災まちづくり=復興の準備
であることを意味します。


■④ 高齢化と再建への不安、それでも続けたい「生業」

朝市の出店者の多くは高齢者です。

・再建資金の不安
・借金への恐怖
・体力の問題

それでも多くの人が語ります。

「私にはこの仕事しかない」
「ここが生きがいだった」

生業(なりわい)を守ることは、心の復興でもある。


■⑤ 出張輪島朝市が示す「新しい復興の形」

元の場所から離れた金沢市などで始まった「出張輪島朝市」。

・約1年9か月で300回以上開催
・全国展開
・1日で1万人以上が来場

これは単なる販売ではありません。

・働く場の確保
・人とつながる機会
・輪島を忘れさせない活動

防災とは、災害後も人が立ち上がれる仕組みをつくること。


■⑥ 「灯をともし続ける」ことが最大の復興力

出店者たちの言葉に共通するのは、

・輪島に戻りたい
・もう一度、みんなで朝市をしたい

という強い思いです。

防災は「被害を減らす」こと。
復興は「生き続ける力を支える」こと。

この2つは、同じ線上にあります。


■⑦ 私たちにできる“復興防災”

輪島朝市の物語は、被災地だけの話ではありません。

私たちにできることは、
・被災地を忘れない
・訪れる
・買う
・伝える

それも立派な防災・復興支援です。


■まとめ:防災とは「人の営みを守ること」

能登半島地震から2年。
復興はまだ道半ばです。

それでも、輪島朝市の灯は消えていません。

防災とは、
建物やインフラを守るだけでなく、
人の営み・誇り・生きがいを守ること。

その本質を、輪島朝市は静かに、しかし力強く教えてくれています。

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