【防災士が解説】“うま確”志向と防災|若者の「失敗したくない心理」から見る備えのヒント

いまZ世代の間で注目されているのが「うま確フード」。
見た瞬間に「これは絶対うまい」と確信できる、失敗しない食べ物です。

物価高騰や時間不足のなかで、「冒険より確実性」を求める心理が強まっています。
この傾向は、実は防災とも深くつながっています。今回は“うま確志向”を防災目線で読み解きます。


■① 「うま確フード」とは何か

“うま確”とは「うまいことが確定している」食べ物のこと。
視覚情報だけで味が想像でき、期待を裏切らない安心感があります。

背景には、

・物価高騰
・可処分時間の減少
・レビュー社会の浸透
・失敗回避への課金意識

があります。

若者は「挑戦」より「確実」を選ぶ時代に入っています。


■② なぜ若者は“失敗したくない”のか

現代は情報があふれ、選択肢も膨大です。
しかし選択肢が増えるほど、失敗の恐怖も増えます。

SNSで評価が可視化される中、
「損をしたくない」「時間を無駄にしたくない」という心理が強く働きます。

これは単なるグルメトレンドではなく、
“リスク回避型思考”の拡大です。


■③ 防災との共通点|人は「確実な安心」を求める

防災も同じです。

・何を買えばいいかわからない
・どの情報が正しいかわからない
・間違えたくない

だから人は「これで間違いない」という備えを求めます。

防災グッズでも、
「みんなが買っている」「ランキング上位」「定番商品」が選ばれやすいのは、まさに“うま確心理”です。


■④ 被災地で見た“安心の可視化”の力

被災地派遣の現場で感じたのは、「見てわかる安心」がどれほど重要かということでした。

元消防職員として避難所運営に関わった際、
物資が山積みでも、仕分けや表示が不十分だと不安は消えません。

逆に、

・誰が見ても分かる表示
・定番の備蓄品
・説明が明確な配布ルール

これだけで、住民の表情は落ち着きます。

安心は“内容”より“見える化”で伝わります。


■⑤ 「うま確」は防災のヒントになる

飲食業界は今、

・定番メニューの磨き上げ
・視覚的に美味しい演出
・安心の可視化

を徹底しています。

防災も同じです。

・避難バッグは中身を固定化
・家族ルールは紙に書く
・連絡方法は一つに決める

「迷わない仕組み」を作ることが、最大の安心です。


■⑥ 冒険型防災は失敗しやすい

最新グッズを次々買い足す。
話題の対策を毎回変更する。

これは一見前向きですが、実際は混乱を生みます。

私はLOとして行政と現場の調整を行った経験がありますが、
非常時は「慣れているもの」しか機能しません。

防災は“確実性の積み重ね”が強いのです。


■⑦ 10%の一次情報|現場は「安定」が最強

被災地派遣・LO・元消防職員・防災士として断言できるのは、

「変わらない仕組み」が一番強い。

非常時に必要なのは革新より安定です。

うま確心理は、実は合理的です。
失敗を減らす選択は、災害時にも通用します。


■⑧ 今日できる“うま確防災”

・避難バッグの中身を固定化
・家族の集合場所を一つ決める
・防災食は食べ慣れたものにする
・情報源を2つに絞る

迷いを減らすことが、防災力を上げます。


■まとめ|若者心理は防災の未来を映す

“うま確フード”のブームは、
「確実性」「安心」「失敗回避」という時代心理の表れです。

これは防災にもそのまま当てはまります。

結論:
防災は冒険よりも“確実に機能する仕組み”を作ることが最強です。

出典:FNNプライムオンライン「2026年トレンドは『うま確フード』と『アテンションデトックス』」(2026年1月3日)

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