【防災士が解説】ニュースワード「基準地震動」 原発の耐震設計を支える考え方

ニュースで原子力発電所の安全性が話題になるとき、必ず登場する言葉が「基準地震動」です。専門的で難しく感じますが、その考え方は防災を理解する上で重要です。基準地震動の意味と決め方を整理します。


■① 基準地震動とは何か

基準地震動とは、「原子力発電所の敷地で想定される最も大きな地震の揺れ」を指します。
原子力発電所は、この基準地震動に耐えられることを前提に、建物や設備の耐震設計が行われます。


■② 「極めてまれだが起こり得る」揺れを想定

基準地震動は、日常的に起こる地震ではなく、運転期間中に「極めてまれだが起こり得る」と考えられる最大級の揺れを想定したものです。
想定外をできる限り減らすため、保守的な考え方で設定されます。


■③ 耐震設計の基準になる指標

この想定された揺れに耐えられるよう、原子炉建屋だけでなく、配管、電源設備、重要機器まで含めて耐震設計や評価が行われます。
基準地震動は、原発の安全設計の土台となる数値です。


■④ どうやって基準地震動を決めるのか

基準地震動は、一つの地震だけを想定して決められるものではありません。
周辺の活断層、海溝型地震(プレート境界地震)など、震源が特定できる地震に加え、位置が分かっていない未知の断層による地震も考慮します。


■⑤ 地盤や揺れの伝わり方も考慮

断層の位置や敷地までの距離だけでなく、地盤の種類や硬さ、地下構造なども詳しく調査します。
それらを踏まえ、敷地に到達する揺れの大きさや時間変化(波形)を評価して基準地震動を策定します。


■⑥ 揺れの大きさは「ガル」で表す

基準地震動の揺れの強さは、加速度の単位である「ガル(Gal)」で表されます。
1ガルは、1秒間に毎秒1センチメートルずつ速度が増加する加速度を意味します。
原子力発電所では、数百ガルからそれ以上の値が設定されることもあります。


■⑦ 私たちの防災にも通じる考え方

基準地震動の発想は、家庭の防災にも共通します。
「これくらいなら大丈夫」ではなく、「最も厳しい揺れが来たらどうなるか」を想定することで、被害を減らす行動につながります。


■⑧ 今日できる最小の一歩

自宅や職場で、最大級の揺れを想定して家具の転倒や避難経路を一度確認してみてください。
厳しい条件を想定することが、防災力を高める第一歩になります。


コメント

タイトルとURLをコピーしました