【防災士が解説】マンションの防災備蓄は機能するか?災害時に「建物内で生き延びる」ための現実的な備え

大規模災害では、マンションは「逃げる場所」ではなく「耐える場所」になることがあります。
被災地で何度も見てきたのは、戸建てよりマンションの方が孤立しやすいという現実でした。
マンション防災備蓄は、個人任せでは機能しません。


■① 災害時、マンションで起きやすい問題

現場で多発したのは次の事態です。

・エレベーター停止
・断水でトイレ使用不可
・共用部の照明消失
・管理組合の判断待ちで動けない

「建物が無事=安全」ではありません。


■② 被災地で見たマンション備蓄の差

差が出たのはここです。

・共用部に備蓄があるマンションは混乱が少ない
・各戸任せのマンションは住民同士が対立
・備蓄の場所を知らない住民が多数

備蓄の有無より、共有されているかが重要でした。


■③ マンションで最低限必要な共用備蓄

まず優先すべきは以下です。

・簡易トイレ(戸数×人数×日数)
・飲料水(初動分)
・照明(共用部用ランタン)
・発電機または蓄電池(最小限)
・掲示用資材(ホワイトボード等)

食料よりも「生活維持」が先です。


■④ 各戸備蓄と共用備蓄の役割分担

マンション防災の基本は分担です。

・各戸:水・食料・トイレ
・共用:照明・情報・補完物資

被災地では「共用備蓄に頼りすぎた住民」が最も困っていました。


■⑤ 高層階ほど備えが命を左右する

高層階では、

・水の運搬が困難
・階段移動で体力消耗
・救援が後回し

実際に、上層階ほど備蓄不足が致命的でした。


■⑥ 管理組合が備えるべき視点

現場で機能していた管理組合は、

・備蓄内容を住民に周知
・年1回の点検・訓練
・「使っていい条件」を明確化

判断が曖昧なマンションほど混乱しました。


■⑦ マンション特有の盲点

見落とされがちなのは、

・排水管破損によるトイレ不可
・ゴミ置き場の衛生悪化
・ペット対応ルールの不在

「建物内で生活が続く」前提が必要です。


■⑧ 備蓄は“見える化”しないと使われない

よくある失敗は、

・倉庫の場所を知らない
・鍵の管理が複雑
・管理会社しか把握していない

被災地では「誰でも分かる備蓄」が最初に活躍しました。


■⑨ やらなくていいマンション防災備蓄

・高価な装備を少量置く
・見栄え重視の展示備蓄
・各戸任せで管理放置

住民の命を守れない備えは、防災ではありません。


■⑩ 今日できる最小行動

今日できる行動は一つ。

「自分のマンションに、共用の簡易トイレ備蓄があるか確認する」

マンション防災は、
住民全員で“耐える力”をつくる防災です。

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