大規模災害が昼間に発生した場合、地域にいる住民の多くは高齢者や子どもになります。一方で、地域内には多くの企業と社員が存在します。防災の現場で強く感じるのは、昼間の災害時に「企業が地域防災の即戦力になれるかどうか」が、被害の広がりを大きく左右するという現実です。その鍵になるのが、企業と連携した自律型避難です。
■① 昼間の災害は地域の人手が不足する
平日昼間は、自治会役員や家族世帯の多くが不在です。避難所の立ち上げや環境整備を担う人手が決定的に足りなくなります。この時間帯に動けるのが、地域内で勤務している企業の社員です。
■② 企業は「人・場所・物」を持っている
企業には、人手、建物、備品があります。会議室、倉庫、段ボール、机、毛布。これらは自律型避難において非常に価値の高い資源です。支援物資を待たずに、初動対応が可能になります。
■③ 協力依頼は平時からが前提
災害時に突然お願いしても、企業は動けません。平時から協定や協力依頼を行い、「何を期待されているのか」を共有しておくことが重要です。これがあるだけで、初動のスピードが大きく変わります。
■④ 社員講習が行動力を決める
防災講習を受けた社員は、「何をすればいいか分からない」状態になりません。ダンボールベッド作成、簡易仕切り、動線整理など、自律型避難の基本を知っているだけで、即戦力になります。
■⑤ 企業防災は地域防災につながる
社員講習は、自社のBCP対策だけで終わりません。地域と連携した自律型避難の視点を入れることで、企業防災がそのまま地域防災力の底上げになります。
■⑥ 社員は「支援される側」から「支える側」へ
昼間の避難所では、社員が最も動ける存在になります。環境整備、声かけ、物資整理などを担うことで、高齢者や子どもを守る役割を果たせます。
■⑦ 企業が関わることで避難所が安定する
企業社員が入った避難所ほど、初期の混乱が少なく、立ち上がりが早い傾向があります。組織行動に慣れていることが、自律型避難と非常に相性が良いからです。
■⑧ 企業参加は地域との信頼を生む
防災を通じた協力は、企業の社会的信頼を高めます。平時の関係づくりが、災害時の協力を自然なものにします。
■まとめ|昼間の災害は企業が地域を支える
昼間の災害対応は、行政と住民だけでは限界があります。
結論:
企業と社員が自律型避難に参加することで、昼間の地域防災は大きく強化される
防災士として、社員講習を受けた企業が協力した現場ほど、避難所の立ち上がりが早く、落ち着いた運営ができていました。
企業は災害時の「通りすがり」ではありません。昼間の地域を守る、最も頼りになる存在の一つです。

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