【防災士が解説】停電で冷蔵庫は何時間もつ?|食中毒を防ぐ「開けない・分ける・見切る」判断基準

停電が起きると、多くの家庭で最初に困るのが冷蔵庫です。
結論から言うと、停電時は「冷蔵庫を開けない」が最優先で、次に“温度が上がりやすい食品”から守り、ダメなものは早めに見切るのが安全です。
冷蔵庫の中身は「もったいない」が先に立ちますが、停電時は食中毒リスクが上がります。ここで判断が遅れると、体調不良が起きて生活が一気に崩れます。

私は被災地派遣(LO)で、停電・断水が重なる環境で避難生活が長引く現場を見ました。食べ物があるのに体調を崩す人が出ると、避難所でも自宅避難でも一気に苦しくなります。冷蔵庫は“食品の備蓄庫”であると同時に、“体調を守る装置”です。


■① まずやること:冷蔵庫は「開けない」が最強

停電中、冷蔵庫を開けるたびに冷気が逃げます。
最初の判断はこれだけでOKです。

  • 停電したら、冷蔵庫・冷凍庫は基本開けない
  • 必要なものは“最初の1回”でまとめて取る
  • 家族にも「開けない」を共有する

開けないほど、庫内温度の上昇が遅くなります。


■② 冷蔵と冷凍は分けて考える:優先順位が違う

停電時の管理は、冷蔵室と冷凍室で考え方が違います。

  • 冷蔵室:温度が上がると食中毒リスクが上がる
  • 冷凍室:溶けると再冷凍が危険になる(品質と安全)

冷凍食品は溶け始める前に「保冷力を足す」か、「早めに食べる」判断が重要です。


■③ 食中毒を防ぐ判断軸:「危ない食品」から守る/捨てる

停電時に特に注意が必要なのは、次の食品です。

  • 生肉・ひき肉・刺身・生卵
  • 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
  • 作り置き(カレー、煮物、弁当)
  • 要冷蔵の惣菜、ハム・ソーセージ

逆に比較的強いのは、調味料や未開封の飲料などです。
迷ったら「体調を守る方」を選ぶのが正解です。


■④ 家庭でできる現実策:保冷剤より「ペットボトル氷」が強い

停電対策として効きやすいのは、普段からできるこれです。

  • ペットボトルに水を入れて凍らせておく(冷凍庫の隙間に常備)
  • 保冷剤を増やす(冷凍庫を“隙間なく”する)
  • 冷凍庫は普段から7〜8割埋める(保冷力が上がる)

凍ったものが多いほど、停電時の耐久力が上がります。


■⑤ 停電が長引くときの決断:食べる順番を決める

長引くときは「食べる順番」が命を守ります。

1) 冷蔵の要注意食品(肉・乳・作り置き)
2) 冷凍が溶けそうなもの(半解凍になる前に)
3) 常温で持つもの(缶詰・レトルト)

被災地派遣(LO)でも、体調を崩さない人ほど「もったいない」を引きずらず、早めに判断していました。


■⑥ ありがちな失敗:再冷凍と「匂いで判断」は危険

停電で溶けたものを再冷凍すると、品質だけでなく安全面のリスクも上がります。
また、「見た目・匂いが大丈夫そう」は当てになりません。食中毒は無臭で起きることがあります。

迷ったら、捨てる判断も“備え”です。


■⑦ 平時の備え:停電に強い冷蔵庫運用に変える

今日からできる備えはこれです。

  • 冷凍庫にペットボトル氷を2〜4本常備
  • 冷凍庫は空にしすぎない(保冷力を上げる)
  • 冷蔵室は「要注意食品」を手前にまとめる(取り出しを1回にする)

停電時に「探す時間」をなくすほど、開閉回数が減ります。


■⑧ 今日できる最小行動:冷凍庫に“氷の資産”を作る

今すぐできる行動はこれだけです。

  • 500ml〜2Lのペットボトルを2本、水で満たして凍らせる

これがあるだけで、停電時の保冷力が上がり、冷蔵庫の耐災害力が上がります。


まとめ

結論:停電時の冷蔵庫対策は「開けない」が最優先。次に食中毒リスクが高い食品(肉・乳・作り置き)を優先して守るか早めに食べ、長引くなら見切る。普段からペットボトル氷で冷凍庫の保冷力を上げておくと、停電に強くなる。
被災地派遣(LO)でも、体調を守れた人ほど“早い判断”ができていました。冷蔵庫は食品だけでなく、生活の安定を守る装置です。


出典

農林水産省「食中毒予防の原則(つけない・ふやさない・やっつける)」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/

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