【防災士が解説】停電の夜の過ごし方|家庭で安全に過ごす具体策

停電の夜は、暗さそのものより、暗さで判断が遅れることが危険です。転倒、火災、熱中症、不安による行動ミスは、夜になると一気に増えやすくなります。東京電力パワーグリッドは、自然災害などによる停電時の注意点として、熱を出す器具はコンセントから抜くこと、ろうそくは火災に注意が必要なこと、日頃から電池式ランタンや乾電池を備えることなどを案内しています。
https://pgservice1.tepco.co.jp/2024/08/01/do-not-worry-5-blackout/

つまり、停電の夜に大切なのは、「暗い中で何とか頑張ること」ではなく、火を増やさない、転ばない、暑さや不安で崩れない、という順番で安全を整えることです。この記事では、その判断基準を現実的に整理して解説します。

■① まず結論として、停電の夜に最優先すべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、火災と転倒を防ぐことです。

停電すると、多くの人はまず「明かりがほしい」と思います。ですが、その時に急いで動くと、家具にぶつかる、ガラスを踏む、ろうそくを倒す、熱器具をそのままにする、といった別の事故につながりやすくなります。だから、停電の夜は「明るくすること」より先に、「危険を増やさないこと」を優先した方が安全です。

元消防職員として感じるのは、停電の夜に危ないのは「暗いこと」そのものではなく、「暗い中でいつも通りに動こうとすること」だという点です。私なら、停電した夜は
まず火の気を止める
次に足元を安全にする
最後に明かりと暑さ対策を整える
この順で考えます。

■② 停電した瞬間に最初にやるべきことは何か

最初にやるべきことは、その場で一度止まることです。

暗くなった瞬間に歩き出すと、家具、段差、落下物、割れた物に気づきにくくなります。だから、まずは立ち止まり、周囲の安全を確認してから動く方が現実的です。特に地震や台風の後なら、床に破片がある可能性もあります。

私なら、停電した瞬間は「懐中電灯を取りに行く」より先に、「今ここで足元は大丈夫か」を見ます。その方がけがを防ぎやすいです。

■③ 明かりは何を使うのが現実的か

一番現実的なのは、懐中電灯や電池式ランタンです。

停電時は、スマホのライトでも一時的には使えますが、長時間だと電池残量が気になります。だから、夜を越す前提なら、懐中電灯やランタンの方が安心です。特に家族がいる場合は、一つの光源より複数あった方が動きやすいです。

私なら、停電の夜は
移動用に懐中電灯
部屋全体用にランタン
のように役割を分けます。その方が無駄に動かなくて済みます。

■④ ろうそくは使ってもいいのか

使えなくはありませんが、かなり慎重に考えた方がいいです。

停電の夜は、ろうそくが倒れる、布や紙に燃え移る、子どもが触る、就寝中に火が残る、といった危険があります。私は、家庭の停電対策としては、ろうそくを主力にしない方が安全だと考えます。

元消防職員としても、暗い中では小さな火が思った以上に危険になります。私なら、どうしても使う場面があるとしても、そばを離れない、周囲に燃える物を置かない、寝る前には必ず消す、を徹底します。基本は電池式の明かりの方が現実的です。

■⑤ 停電の夜にやってはいけないことは何か

一番避けたいのは、熱を出す器具をそのままにすることです。

アイロン、電気ストーブ、トースター、ホットプレートなどは、停電復旧時にそのまま通電して火災につながることがあります。だから、停電直後は「夜をどう過ごすか」を考える前に、こうした機器が切れているかを見た方が安全です。

私なら、停電の夜は「とりあえず暗さ対策」より先に、「火になる物が残っていないか」を確認します。その方が事故を防ぎやすいです。

■⑥ 夜の暑さ対策はどう考えるべきか

夏の停電では、暗さより暑さの方が危険になることがあります

エアコンが止まると、特に寝室や風の通りにくい部屋はかなり苦しくなります。だから、窓を開けて風を通す、薄着に着替える、濡れタオルを使う、うちわや携帯扇風機を使う、水分をこまめに取る、といったことが大切です。

被災地でも、停電の夜は「眠れない」「蒸し暑い」が体力をかなり削っていました。私なら、夜の停電では「明るくすること」だけでなく、「熱をためないこと」を同じくらい重く見ます。

■⑦ 子どもや高齢者がいる家庭では何を優先するべきか

子どもや高齢者がいるなら、一番弱い人が安全に過ごせる場所を先に作ることが大切です。

たとえば、
転ばないように移動範囲を狭くする
トイレまでの明かりを確保する
水をすぐ飲める位置に置く
寝る場所の暑さを少しでも下げる
といったことです。

私なら、家族全員で同じ部屋に集まるかどうかより、「一番弱い人が夜を越せるか」で考えます。停電の夜は、動線を短くするだけでもかなり違います。

■⑧ 停電の夜に情報はどう取ればいいのか

情報は、スマホだけに頼りすぎない方が安全です。

スマホは連絡や情報収集に便利ですが、電池残量が減ると夜の後半で困ります。だから、必要な情報確認、家族連絡、自治体情報の確認に絞って使う方が現実的です。ラジオがあればかなり安心です。

私なら、停電の夜は
スマホは連絡と確認用
ライトは別に確保
と分けて考えます。その方が朝まで持ちやすいです。

■⑨ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「火の気や熱器具は止められているか」
「暗い中で転ばない動線を作れているか」
「夜の暑さを少しでも減らせているか」
「一番弱い家族が朝まで持ちこたえられる環境か」

この4つが整理できれば、停電の夜の過ごし方としてはかなり現実的です。防災では、「普段通りに過ごすこと」より「危険を増やさず朝を迎えること」の方が大切です。

■⑩ まとめ

停電の夜の過ごし方で大切なのは、火災と転倒を防ぎ、明かりと暑さ対策を整え、一番弱い家族が朝まで持ちこたえられる環境を先に作ることです。東京電力パワーグリッドも、停電時の注意点として、熱を出す器具のプラグを抜くこと、ろうそくの火災リスクに注意すること、電池式ランタンや乾電池を備えることなどを案内しています。

私なら、停電の夜に一番大事なのは「暗さをなくすこと」ではなく「暗さの中で危険を増やさないこと」だと伝えます。現場でも、助かったのは慌てて動いた人より、順番を守れた人でした。だからこそ、まずは火の気、次に足元、最後に明かりと暑さ。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://pgservice1.tepco.co.jp/2024/08/01/do-not-worry-5-blackout/(東京電力パワーグリッド「慌てなくても大丈夫 電気がつかない5つの原因」)

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