寒い季節、温かいお風呂は一日の楽しみでもあります。しかし実は、冬の入浴は夏場に比べて約5倍も事故リスクが高いことが分かっています。救急現場では、冬になると入浴中の事故で搬送されるケースが急増します。その多くは、ほんの少しの工夫で防げた事故です。
■① なぜ冬の入浴は危険なのか
冬の入浴で最も怖いのは「ヒートショック」です。
寒い脱衣所から熱い浴槽に入ることで、血圧が急激に上下し、心臓や血管に強い負担がかかります。その結果、失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。
■② 入浴事故は決して他人事ではない
「まさかお風呂で…」と思われがちですが、入浴中の事故は毎年多く発生しています。特に高齢者だけでなく、働き盛りの世代でも起きており、誰にでも起こり得る身近な危険です。
■③ 命を守るための4つの鉄則
冬の入浴で生存率を大きく上げる基本対策は、次の4つです。
■④ 脱衣所を暖める
最も効果が高い対策です。
脱衣所と浴室の温度差を小さくすることで、ヒートショックのリスクは大幅に下がります。暖房器具を使う、入浴前に浴室の扉を開けて暖気を入れるなど、できる方法で対策しましょう。
■⑤ 家族への声かけ
「お風呂に入るよ」と一言伝えるだけで、万が一の際に早く異変に気づいてもらえます。一人暮らしの方や高齢者がいる家庭では、特に重要です。
■⑥ 湯温は41℃以下・入浴は10分以内
熱すぎるお湯や長時間の入浴は、心臓に大きな負担をかけます。
ぬるめのお湯に短時間で入ることが、安全な入浴の基本です。
■⑦ 浴槽から急に立ち上がらない
急に立ち上がると、立ちくらみや失神を起こす危険があります。
手すりや壁を使い、ゆっくり動作することを意識してください。
■⑧ 入浴前後に意識したい追加ポイント
・入浴前後は必ず水分補給をする
・飲酒後の入浴は避ける
・持病がある場合は、医師に入浴方法を相談する
■⑨ やらなくていい安全の思い込み
「自分は若いから大丈夫」「毎日入っているから平気」という考えは危険です。
入浴事故は、慣れた日常の中で突然起こります。
■⑩ 今日できる最小の一歩
今夜のお風呂から、まずは「脱衣所を暖める」ことを実践してください。
それだけでも、冬の入浴事故のリスクは大きく下げられます。
お風呂は癒やしの場であると同時に、正しい知識がなければ危険な場所にもなります。
安全な入り方で、自分と家族の命を守りましょう。

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