冬の朝は突然死のリスクが最も高くなる時間帯。
布団の中の暖かさから冷えた室内へ移動する瞬間、血圧が“急上昇”する現象を「モーニングサージ」と呼ぶ。
この血圧スパイクが脳卒中・心筋梗塞の大きな原因となるため、寒暖差を防ぐことが冬の重要な“健康防災”になる。
■① モーニングサージとは何か?
人間の体は、夜間に血圧が下がり、朝に血圧が上昇する自然なリズムがある。
寒い冬はこの上昇幅が異常に大きくなり、以下のような危険な血圧急上昇が起こる。
● 布団の中(暖かい)→ 室内(寒い)の急激な寒暖差
● 交感神経が一気に活性化
● 血管が収縮し血圧が急上昇
これが“冬の朝の突然死”の原因と言われている。
■② モーニングサージが起こると何が危険なのか
血圧が急激に上がると血管への負担が一気に増える。
● 脳の血管が破裂 → 脳出血
● 血管が詰まる → 脳梗塞
● 心臓の血管が詰まる → 心筋梗塞
● 心臓発作
● 冬の入浴事故のリスク増大
“布団から出る瞬間”に発症するケースが非常に多い。
■③ リスクが高い人の特徴
以下の要因を持つ人は特に注意。
● 動脈硬化が進んでいる人
● 65歳以上の高齢者
● 血糖値が高い人
● コレステロール値が高い人
● お酒を多く飲む人
● 冬場に血圧が上がりやすい人
一見健康に見えても、冬になると血圧が乱れる人は少なくない。
■④ 普段正常でも危険な「早朝高血圧」
血圧が普段正常でも油断できないのが「早朝高血圧」。
● 朝だけ血圧が異常に上がる
● 自覚がなく放置されやすい
● 発症リスクは正常者の約2.5倍
冬場に血圧を測ると初めて異常に気づくケースも多い。
■⑤ 今日からできる朝のモーニングサージ対策
寒暖差を減らすことが最も重要。
● 就寝時の室温:20〜22度
● 室温18度未満は高血圧リスク増大
● 朝起きる30分前にエアコンのタイマーを設定
● 布団から一気に出ない(まず上半身だけ起こす)
● 起床後すぐの急な動作を避ける
“布団の暖かさと部屋の寒さの差を少なくする”ことが必須。
■⑥ 夜の冷え対策も効果大
冬の夜は体が冷えて血圧が不安定になりやすい。
● 靴下を履いて就寝(体温低下を防ぐ)
● 湯たんぽ・電気毛布を安全に活用
● 寝室の加湿と保温
● 寝る前の深酒は避ける
体温を一定に保つことで朝の血圧急上昇を抑えられる。
■⑦ 家庭で共有すべき「危ない朝のパターン」
次の行動は危険が高まる。
● 布団から一気に立ち上がる
● 冷えたトイレへ直行
● 冷え込む脱衣所で着替える
● 早朝から重い物を持つ
● 急な入浴・熱いシャワー
“温度差がある部屋への移動”が最も危ない。
■⑧ 家族全員でできる冬の健康防災ルール
命を守るために、家族で以下のルールを共有する。
● 朝の血圧測定を習慣化
● 寝室と廊下・トイレの温度差を小さく
● 暖房は「起きる前」につける
● 無理な早起きを避ける
● 高齢者の見守りを強化
“温度差をなくす生活づくり”が冬の健康防災。
■まとめ|冬の“寒暖差”は災害と同じく命を奪うリスク
モーニングサージは冬の朝に最も起こりやすい危険な血圧急上昇で、脳卒中や心筋梗塞のリスクを大幅に高める。
寒暖差を小さくするだけで、多くの突然死を防ぐことができる。
結論:
冬の朝は「温度差を作らない」ことが命を守る最大の防災である。
防災士としての視点でも、災害時の避難行動や寒冷環境での体調不良は、血圧の急上昇を招きやすい。
普段から寒さに強い生活環境を整えることが、健康と防災の両面で家族を守る大きな力になる。

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