冬の避難所は、暖房使用・人の密集・換気不足が重なり、
極度の乾燥環境になりやすいことが大きな問題です。
乾燥は「感染症の拡大」「肌トラブル」「脱水」につながるため、
避難生活の質を守るうえで最優先の対策が必要です。
■① なぜ冬の避難所は乾燥しやすいのか
避難所は
- 暖房で空気が温まる
- 人の呼気や熱で湿度が下がる
- 換気と暖房を同時に行うことで乾燥が加速
という構造的な原因があります。
特に体育館は天井が高く温まりにくく、暖房の影響で湿度が一気に低下します。
■② 乾燥が引き起こす健康被害
乾燥は想像以上に避難者の健康を脅かします。
- のどの痛み
- 咳の悪化
- 肌荒れ
- 目の乾燥
- インフルエンザ・風邪の感染リスク増加
- 脱水症状(冬でも起きる)
集団生活の避難所では、1人が感染するだけで周囲へ広がりやすい環境です。
■③ 理想的な湿度は「40〜60%」
感染拡大を防ぐためには湿度管理が必須です。
- 40%未満 → ウイルスが飛散しやすい
- 60%超え → 結露やカビが発生
冬の避難所は20〜35%になることもあるため、積極的な湿度対策が求められます。
■④ 避難者ができる簡単な加湿方法
電気がなくてもできる加湿テクニックがあります。
- 洗濯物を室内に干す
- 濡れタオルを干す
- 水の入ったバケツを置く
- ペットボトルに穴を開け、タオルを差して即席加湿器
- スプレーで布団やカーテンに軽く霧吹き
小さな工夫でも湿度は数%上がります。
■⑤ 乾燥を防ぐ個人対策
各自ができる行動で健康被害を大きく減らせます。
- マスク着用でのどの乾燥を防ぐ
- のど飴・飴で口内を潤す
- 水分補給(冬でも重要)
- ワセリンや保湿クリームで肌を保護
- メガネ使用で目を乾燥から守る
特に高齢者・子どもは乾燥の影響を受けやすいので要注意です。
■⑥ 避難所に必要な“集団対応としての湿度対策”
避難所運営側が行うべき対策もあります。
- 定期的な換気(15〜30分に1回)
- 加湿器の設置
- サーキュレーターで室内の空気循環
- 乾燥エリアと湿度エリアのバランス調整
- ホワイトボードで湿度を見える化
湿度の「見える化」は感染対策に非常に有効です。
■⑦ 毛布・布団の乾燥で“埃”が増えやすい問題
避難所は布団や毛布を共有することが多く、
乾燥すると細かい埃が舞いやすくなります。
- アレルギー性鼻炎
- ぜんそく
- 目のかゆみ
を引き起こす要因になるため、こまめな掃除や布団のケアが大切です。
■⑧ 防災士が推奨する「避難所の乾燥対策セット」
避難用バッグに入れておくと安心なもの。
- マスク(不織布)
- ワセリン・保湿クリーム
- のど飴
- 小型スプレー
- ガーゼまたは薄手タオル
- ポータブル温湿度計
特に温湿度計は “現在の環境を可視化する” ため非常に有効です。
■まとめ|避難所の乾燥対策は「感染症予防」そのもの
冬の避難所は乾燥が進むと、
風邪・インフル・肺炎のリスクが一気に高まる
非常に危険な環境になります。
だからこそ、
- 湿度管理
- 加湿の工夫
- 個人の乾燥対策
が命を守る行動になります。
結論:
避難所の乾燥は“静かなリスク”。湿度をコントロールできれば、集団感染を防ぎ、避難生活の安全を大きく守れる。
防災士として現場を見てきた経験からも、乾燥対策をしている避難所ほど“感染症が広がりにくい”のは事実です。

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