【防災士が解説】午年は本当に「暴れ馬」か? 過去の気象災害が教える備えの本質

2026年は午年。
過去の午年を振り返ると、そこには「穏やかな一年」とは程遠い、記録的な気象災害の爪痕が刻まれてきました。

本当に午年は荒れるのか。
そして私たちは、何を学び、どう備えるべきなのか。
過去の事例から、防災の視点で整理します。


■① 1954年(昭和29年)防災の原点となった午年

1954年は、日本の防災史における大きな転換点でした。

・5月:猛烈な低気圧による「メイストーム」
・9月:日本海難史上最悪とされる「洞爺丸台風」

急激に発達する低気圧や台風に、当時の予報技術は追いつかず、多くの尊い命が失われました。

この教訓を受けて、
・気象レーダー網の整備
・防災気象情報の高度化
・電話天気予報「177」の試験運用開始

など、現代防災の基盤が形づくられていきます。


■② 1966年(昭和41年)常識を覆した「風」の脅威

第2宮古島台風では、
最大瞬間風速85.3m/s(時速約307km)を記録。

コンクリート建築すら破壊する暴風は、
「建物は風に耐えられる」という当時の前提を根底から覆しました。

この経験は、日本の耐風設計・建築基準を見直す大きなきっかけとなります。


■③ 1978年(昭和53年)都市を襲った見えない災害

都市化が進む中で起きたのが、
東京都内での鉄道横転事故です。

強風により走行中の電車が脱線・横転。
「電車が風で倒れるはずがない」という思い込みが崩れました。

これは、
・高架構造物
・都市風
・突風リスク

といった「都市型災害」を意識する転換点となりました。


■④ 1990年(平成2年)「気象観測史上はじめて…」の連続

1990年は、異常気象が相次いだ年として記憶されています。

・12月の異例な台風接近
・千葉県茂原市で発生した日本最大級の竜巻

「台風は夏」「竜巻は珍しい」という固定観念を壊し、
突風・局地災害が日常の延長線にあることを突きつけました。


■⑤ 21世紀の午年 都市と豪雨の複合災害

2002年には非常に強い台風が首都圏を直撃し、
交通・インフラの脆弱性が露呈。

2014年には、
線状降水帯による広島市の土砂災害が発生しました。

・深夜から明け方
・狭い範囲に長時間の豪雨

「逃げる時間がない災害」が現実となった象徴的な事例です。


■⑥ 午年が教える本当の教訓

気象予報士・森朗氏は、
「過去の午年はいずれも、当時の想定を超えていた」と指摘します。

重要なのは、
午年かどうかではありません。

・想定外を想定する
・「そんなはずはない」を捨てる
・備えを日常に組み込む

この姿勢こそが、命を守ります。


■まとめ:「暴れ馬」に振り回されないために

過去の午年が示しているのは、
気象そのものよりも、人間側の油断と慢心です。

・記録は更新される
・季節はずれは起きる
・都市も安全ではない

これらを前提に、
備えという名の手綱をしっかり握ること。

それが、次の午年を生き抜くための、
最も確実な防災です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました