南海トラフ地震を想定し、福岡管区気象台が九州全域へ的確な情報を発信するための訓練を実施しました。
想定されたのは、各地の気象台が被災し、庁舎損壊や職員の安否確認が困難になる状況。
それでも津波情報や避難の呼びかけを止めない体制づくりが、今回の目的です。
地震は、発生そのものよりも「情報が届かないこと」が命取りになります。
■① なぜ“情報訓練”が重要なのか
南海トラフ地震が発生すると、
・庁舎被害
・通信障害
・職員不足
が同時に起きる可能性があります。
その中で、津波警報や避難情報を確実に届けるためには「代替体制」が不可欠です。
福岡管区気象台は、九州全域に一元的に注意喚起を行う訓練を実施しました。
■② 南海トラフ地震で想定されるリスク
九州でも大分・宮崎など太平洋側では津波リスクが高いとされています。
加えて、
・夜間発生
・停電
・複数災害の同時発生
など、条件が重なる可能性もあります。
情報の遅れは、そのまま避難の遅れにつながります。
■③ 被災地で実感した“情報の重み”
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などで現地対応にあたった際、強く感じたのは「正しい情報がある地域ほど行動が早い」という事実です。
LO派遣として自治体支援に入った際も、
・津波情報の伝達遅れ
・デマの拡散
・避難所情報の錯綜
が混乱を招く場面を何度も見ました。
逆に、情報が整理されていた地域では、自律的な避難行動が取られていました。
■④ よくある誤解
「警報が鳴ってから動けばいい」
これは危険です。
南海トラフ地震では、強い揺れの直後に津波が到達する地域もあります。
揺れを感じたら、警報を待たずに高台へ向かう。
これが基本です。
■⑤ 自律型避難の大切さ
行政や気象台は全力で情報を出します。
しかし、最終的に命を守るのは“自分の判断”です。
ハザードマップを確認し、
・避難経路を決めておく
・家族と集合場所を共有する
・夜間の移動ルートを確認する
これが自律型避難です。
■⑥ 今日できる備え
✔ 家具を固定する
✔ 津波避難ルートを実際に歩いてみる
✔ 食料と水を最低3日分備蓄する
情報訓練は行政が行いますが、家庭内訓練は自分でしかできません。
■⑦ 行政側が言いにくい本音
防災士として感じるのは、
「すべての人を完全に救えるわけではない」という厳しい現実です。
だからこそ、情報を“待つ人”ではなく、“使える人”になる必要があります。
受け身の防災では間に合わない場面があります。
■⑧ 命を守る情報を活かすために
福岡管区気象台は、津波情報や避難呼びかけを着実に行うとしています。
しかし、
情報が届く=安全ではありません。
情報を理解し、即行動できる状態をつくることが本当の備えです。
■まとめ|情報は「出す側」と「動く側」で完成する
南海トラフ地震を想定した情報発信訓練は、「命を守る」ための重要な取り組みです。
しかし、最終的に命を守るのは一人ひとりの行動です。
結論:
警報を待つのではなく、揺れたらすぐ避難できる準備が命を守る。
防災士として多くの被災地を見てきましたが、助かった人の多くは「迷わなかった人」です。
情報を知り、準備を整え、迷わない。
それが最大の防災です。
出典:FBSニュース「南海トラフ地震を想定 九州全域に的確な情報を発信へ 福岡管区気象台」(2026年2月10日)

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