【防災士が解説】台風で外出していいか迷った時は何を先に確認する?不要不急を見分ける判断基準

台風が近づくと、「買い物くらいなら大丈夫か」「少し様子を見に行ってもいいか」と迷いやすくなります。ですが、この判断はかなり大事です。気象庁は、台風接近時には屋外での作業や不要不急の外出を控え、海岸や増水した河川・用水路など危険な場所には絶対に近づかないよう呼びかけています。内閣府の避難情報に関するガイドラインでも、警戒レベル4までに危険な場所から必ず避難すること、そして警戒レベル2や3の段階から自らの避難行動を確認・準備することが示されています。
https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf

つまり、台風で外出していいかの判断で大切なのは、「今はまだ行けそうか」で決めることではなく、その外出が本当に必要か、そして帰れなくなる危険がないかを先に見ることです。元消防職員として感じるのは、台風時に一番危ないのは「強風そのもの」だけではなく、「まだ動けるうちに済ませよう」と無理をすることです。私は、台風時の外出判断では、まず必要性、次に地域の危険、最後に時間の猶予、この順で考えるのが現実的だと考えます。

■① まず結論として、台風で外出していいか迷った時に最初に見るべきことは何か

結論から言うと、最初に見るべきことは、その外出が本当に必要かどうかです。

気象庁は、台風接近時には不要不急の外出を控えるよう繰り返し呼びかけています。ここでいう「不要不急」は、「行けるかどうか」ではなく、「今行かなくて命や生活に直結するかどうか」で考える方が安全です。
たとえば、
今日でなくても済む買い物、
様子見の外出、
写真を撮るための移動、
川や海の確認、
こうした外出は控える方が安全です。

私は、台風時の外出判断では「行けそう」より「行く必要があるか」を先に考えるべきだと思います。

■② “不要不急”はどう見分ければいいのか

見分け方の基本は、行かなければ今すぐ困るかどうかです。

たとえば、
緊急の受診、
命に関わる介助、
避難のための移動、
こうしたものは必要性が高いです。
一方で、
様子見、
外の確認、
少しの買い足し、
予定どおりの外食や外出、
は、多くの場合で不要不急と考えた方が安全です。

被災地派遣でも、危険な外出のきっかけは「大きな用事」より「ちょっとだけ」が多かったです。私は、迷うくらいなら外出しない方が現実的だと考えます。

■③ 次に確認すべきなのは何か

次に確認したいのは、自分のいる地域にどんな危険があるかです。

東京都の「台風・豪雨災害への備えとアクション」では、ハザードマップや水害リスクマップを確認しながら適切な避難行動を考えることが大切だと示されています。つまり、同じ台風でも、
川の近く、
低い土地、
崖や斜面の近く、
海沿い、
では危険の種類が違います。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/common/2023_bk/tb/tb2023_148_161.pdf

私は、台風時の外出判断では「家の前は大丈夫そう」だけで決めず、移動経路も含めて危険を考える方が安全だと思います。

■④ 外出してはいけない場所はどこか

特に避けたいのは、海岸、河川、用水路、アンダーパス、崖の近く、冠水しやすい道路です。

気象庁は、海岸や増水した河川・用水路など危険な場所には絶対に近づかないよう呼びかけています。台風時は、見た目では浅く見える水たまりでも、側溝や用水路との境目が分からなくなることがあります。
https://www.jma.go.jp/

元消防職員としても、「少し見に行くだけ」で事故につながるのは珍しくありません。私は、台風時の外出で一番避けたいのは「危険箇所の確認に行くこと」だと考えます。

■⑤ 時間帯はどう判断に影響するのか

かなり大事です。夜の外出は昼より危険が高いと考えた方が安全です。

夜は、
冠水の深さが見えにくい、
飛来物が見えにくい、
停電で信号や街灯が消えることがある、
という条件が重なります。
内閣府の避難情報ガイドラインでも、立退き避難がかえって危険な場合には、近くの安全な場所や屋内の高い場所で身の安全を確保することが示されています。つまり、夜になってから「やっぱり出る」はかなり危ない判断です。
https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf

私は、台風時は「明るいうちに終える」か「出ない」の二択で考える方が現実的だと思います。

■⑥ 警戒レベルはどう使えばいいのか

警戒レベルは、外出してよいかを決める目安ではなく、避難行動の段階を判断する目安として使う方が大切です。

内閣府のガイドラインでは、警戒レベル4までに必ず避難すること、警戒レベル3では高齢者等が避難を開始すること、警戒レベル2ではハザードマップや避難経路を再確認することが示されています。つまり、警戒レベルが上がるほど「外出して何かをする時間」ではなく「安全確保へ切り替える時間」だと考える方が安全です。
https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf

私は、警戒レベル3や4が見えてきたら、「外出するか」ではなく「どこで安全を確保するか」を考えるべきだと考えます。

■⑦ 子どもや高齢者がいる家庭ではどう考えるべきか

子どもや高齢者がいるなら、通常よりかなり早めに行動を終える方が安全です。

避難に時間がかかる人がいる家庭では、ギリギリまで様子を見る判断がそのまま危険になります。内閣府のガイドラインでも、警戒レベル3高齢者等避難は、避難に時間を要する人が避難を開始する段階として位置づけられています。
https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf

私は、家族の中に移動に時間がかかる人がいるなら、「まだ大丈夫」はかなり危険な言葉だと感じます。台風時ほど、一段早い判断が大切です。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「その外出は本当に今必要か」
「移動経路に川、海、低地、崖、冠水しやすい道がないか」
「夜になる前に安全に戻れるか」
「警戒レベルや防災気象情報が“外出”ではなく“安全確保”の段階に入っていないか」

この4つが整理できれば、台風で外出していいかの判断としてはかなり現実的です。防災では、「今なら行ける」より「今行く必要があるか」の方が大切です。

■⑨ まとめ

台風で外出していいか迷った時に大切なのは、外出の必要性、地域の危険、移動経路、時間帯、防災情報を見て、不要不急なら出ない、必要なら早めに終える、危険が高まる前に安全確保へ切り替えることです。気象庁は、台風接近時には屋外作業や不要不急の外出を控え、海岸や増水した河川・用水路など危険な場所には絶対に近づかないよう呼びかけています。内閣府の避難情報に関するガイドラインも、警戒レベル4までに危険な場所から必ず避難することを示しています。

私なら、台風時の外出判断で一番大事なのは「今ならまだ動けるか」ではなく「今動く必要が本当にあるか」だと伝えます。被災地でも、助かったのは無理に動いた人より、早めにやめる判断ができた人たちでした。だからこそ、まずは必要性、次に地域の危険、最後に時間の猶予。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf(内閣府「避難情報に関するガイドライン」)

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