富士山噴火が起きた場合、「EV(電気自動車)は安全に使えるのか?」という疑問を多く聞きます。被災地支援の現場では、停電・交通遮断・燃料不足が同時に起こる状況を何度も経験しました。噴火時の火山灰とEVの相性、そして“使える場面・使えない場面”を整理します。
■① 噴火時に最大の問題となるのは「火山灰」
噴火で広範囲に降る火山灰は、EVに限らずすべての車両に影響します。火山灰は硬く、細かく、電気部品や可動部に入り込みやすいのが特徴です。過去の被災地でも、粉じんが原因で車両トラブルが多発しました。
■② EVは「走行」より「電子制御」が弱点になる
EVはガソリン車より電子制御部品が多く、火山灰が侵入するとセンサー異常や制御エラーを起こす可能性があります。灰が舞っている最中の走行は、エンジン車・EVともに推奨されませんが、EVは特に影響を受けやすい構造です。
■③ 火山灰が降ると道路は“ほぼ使えない”
火山灰が数センチ積もると、路面は非常に滑りやすくなります。雨が降ると泥状になり、タイヤが空転します。能登半島地震でも「1台動けなくなるだけで道路が止まる」状況を何度も見ました。EVかどうか以前に、車移動自体が成立しなくなります。
■④ 停電時のEV充電はほぼ不可能
噴火時は停電が発生する可能性が高く、家庭用充電器や公共充電器は使用できません。発電機があってもEV充電には不十分です。被災地では「電気があれば何とかなる」という考えが通用しない場面が多くありました。
■⑤ 一方でEVが“役立つ場面”もある
噴火前後で停電が起きた場合、EVの外部給電機能は非常に有効です。照明、スマホ充電、簡易調理など、在宅避難時の電源として使えます。実際、地震被災地ではEVやPHEVが“動く蓄電池”として高く評価されました。
■⑥ 噴火時のEV活用は「動かさない前提」で考える
火山灰が降っている間は、EVは走らせず「電源として使う」という発想が現実的です。無理に移動しようとすると、車両故障や立ち往生のリスクが高まります。被災地では「動かない判断」が命を守った例が多くあります。
■⑦ EVユーザーが事前にやっておくべき備え
・常に充電残量を半分以上に保つ
・延長コードや給電アダプターを確認
・火山灰侵入を防ぐため、車内清掃・密閉を意識
・在宅避難を前提に生活動線を考える
これは地震でも噴火でも共通する備えです。
■⑧ 噴火時の基本は「EVでも在宅避難」
富士山噴火時は、倒壊や火災の危険がなければ在宅避難が原則です。EVは“逃げる道具”ではなく、“家を支える道具”として使う。被災地での経験から言えるのは、この考え方が最も現実的で安全だということです。

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