地震が起きた瞬間、「何かしなければ」という焦りが判断を狂わせます。
やることは3つだけ。シンプルにすることが、実際に体を動かすための最短ルートです。
■①揺れを感じた瞬間の「最初の3秒」が全てを決める
地震発生直後の3秒は、行動ではなく「止まる」ことが正解です。
慌てて動き出すと、落下してくる家具・飛んでくるガラス・倒れかける棚に当たる危険が急増します。揺れを感じた瞬間に「止まる・低くなる・頭を守る」という3動作に集中することが、負傷を防ぐ最初の行動です。
■②「止まる・低くなる・頭を守る」の具体的な動き
揺れを感じたら、次の行動を体に染み込ませておいてください。
- 止まる:動き回らない、走らない
- 低くなる:テーブルの下・壁際・柱の近くに移動し姿勢を低く
- 頭を守る:両腕・クッション・防災頭巾で頭部を保護
この3動作は「ドロップ・カバー・ホールドオン」とも呼ばれ、世界共通の地震時の基本行動です。揺れが収まるまでこの姿勢を維持してください。
■③揺れが収まったら「出口の確保」が第一
揺れが収まった直後に最初にすべきことは「逃げ道を確保すること」です。
地震で建物が歪むとドアや窓が開かなくなる場合があります。揺れが収まったらすぐにドアや窓を開けて、脱出経路を確保してください。この行動が、余震や火災が起きたときの逃げ道を守ります。「人命確認より先にドアを開ける」と覚えておいてください。
■④ガス・電気の確認は「逃げ道確保の後」
ガスの臭いがしたら窓を開けて換気し、スイッチ類を触らずに屋外へ出てください。
都市ガスのマイコンメータは震度5以上の揺れを感知すると自動停止しますが、プロパンガスや配管の損傷は別問題です。電気については、避難する前にブレーカーを落とすことが通電火災の防止に有効です。ただし、ガスの臭いがする状況ではスイッチ操作は禁物です。
■⑤沿岸部・川沿いなら「揺れが収まったら即逃げ」
沿岸部や河川沿いに住んでいる場合、揺れが収まった瞬間が「津波・洪水避難の開始」です。
津波は揺れの大きさに関係なく発生します。「揺れが小さかったから大丈夫」という判断は命取りです。警報が出る前でも、海岸・川沿いで揺れを感じたら高台への避難を即開始してください。避難しながら情報を確認するのが正しい順番です。
■⑥家族への安否確認は「171」を使う
地震直後は電話回線が混雑し、通常の通話はほとんどつながりません。
安否確認には「災害伝言ダイヤル(171)」と「携帯電話各社の災害用伝言板」を使います。電話が通じないことを前提に、事前に「家族の集合場所」「連絡方法」を決めておくことが、パニックを防ぎます。「171に録音する」「伝言板に書く」という手順を家族で共有しておいてください。
■⑦余震に備えて「靴を確保する」
揺れが収まった後の行動で、見落とされやすいのが「靴の確保」です。
地震でガラスが割れた室内を裸足で歩くと、足の裂傷から動けなくなるケースがあります。枕元・玄関・リュックの中に必ず履物を用意しておくことが、夜間地震への備えになります。「揺れが収まったら靴を履く」を反射的にできるよう習慣化してください。
■⑧「情報収集」はラジオから始める
揺れが収まり、安全を確認したら、情報収集を開始します。
スマホは通信が混雑し、SNSには不正確な情報も流れます。最も信頼性が高い情報源は電池式ラジオです。NHKラジオは災害時に継続的な地域情報を放送します。スマホの電池を温存しながら、ラジオで情報を確認する──この2本立てが最も安定した情報収集方法です。
■まとめ|地震でまずやることは「3動作だけ」
- 揺れを感じたら:止まる・低くなる・頭を守る
- 揺れが収まったら:出口の確保・靴を履く
- 安全確認後:ガス確認・ブレーカーを落とす・ラジオで情報収集
- 沿岸部なら:揺れ収まったら即高台へ
- 安否確認:171・伝言板を使う
結論:
地震でやることをシンプルに絞ることが、実際に体を動かす最短ルート。「止まる・低くなる・頭を守る」この3秒を体に刻んでおくことが、命を守る最初の一歩。
防災士として多くの方に伝えてきた中で、「何をすればいいかわからなかった」という声が一番多いです。知識が多すぎると、いざというときに動けません。3つだけ覚えてください。それだけで十分です。

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