大きな地震が発生すると、「車で避難した方が安全なのでは?」と思う人が少なくありません。
しかし、地震直後の道路は 渋滞・崩落・信号停止・火災・津波 など、多くの危険が重なります。
防災士として、車での移動が必要な場合の“命を守る判断基準”をわかりやすく解説します。
■① まず「徒歩避難」が原則。車は最終手段
地震直後の道路は混乱し、車が動けなくなるケースがほとんど。
東日本大震災では、津波からの避難が遅れた大きな要因が 車による渋滞 でした。
徒歩で避難できる距離なら、迷わず徒歩を選ぶべきです。
■② 津波の可能性がある時は絶対に車に乗らない
沿岸部・川沿い・低地に住んでいる場合は特に重要。
津波は渋滞を一瞬で飲み込みます。
車は水深50cmでも操作不能になり、1mを超えるとほぼ流されます。
津波警報・大津波警報が出たら
“高台へ徒歩避難”が唯一の正解です。
■③ 信号が止まった交差点は重大事故の危険
停電時は信号がブラックアウトし、交差点が最も危険になります。
“必ず一時停止”して、左右の安全確認を徹底。
大型車は急停止できないため、見えない位置の車に特に注意が必要です。
■④ 落石・崩落の危険が高い道路は通らない
地震直後は次の場所が危険になります。
● 山道・峠道
● がけ下の道路
● 古いブロック塀の横
● トンネル手前・出口付近
余震で突然崩落することが多いため、できる限り避けて通行してください。
■⑤ 橋・高架道路はできるだけ避ける
地震後は、橋脚の損傷や段差が発生している可能性があります。
通行中の場合は低速で走り、異変を感じたらすぐに退避すること。
可能であれば 堅固な地盤の一般道を選ぶのが安全 です。
■⑥ ガソリン不足に備え、地震後は満タンを推奨
大規模地震ではガソリンスタンドが停止することがあります。
余震が続く状況では、車は“避難場所”としても役立つため、
● できるだけ早いうちに満タン
● ハイブリッド車はバッテリー残量もチェック
を習慣化しておくと安心です。
■⑦ 車を停める場合は「広い場所」「建物から離れた場所」で
余震が続く中での駐車は、以下の危険を避ける必要があります。
● ガラス落下
● 看板・外壁の落下
● 倒木
● 電柱の転倒
広い駐車場や河川敷(津波の危険がなければ)が比較的安全です。
■⑧ どうしても車で避難する場合の“命を守る準備”
地震後に車が動かなくなるケースに備え、以下を常備してください。
● モバイルバッテリー
● ブランケット&アルミブランケット
● 水1〜2L
● 簡易トイレ
● 軍手・ライト
● 非常食(カロリー補給できるもの)
特に冬場は低体温症で命を落とすケースが多く、「寒さ対策」が最重要です。
■まとめ|車の利用は“命を守るための最終選択”
地震後の車移動は便利に見えて、実は多くの危険を伴います。
結論:
地震後は「徒歩避難が原則」。車は“本当に必要な時だけ”、リスクを理解して使うことが命を守る。
防災士としての経験でも、車にこだわったことが原因で危険に巻き込まれた例を数多く見てきました。
正しい判断があなたと大切な人の命を守ります。

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