地震のたびに、テレビや自治体が「日頃からの備えを」「落ち着いて行動を」と呼びかけます。
でも正直、「それって結局なにをすればいいの?」と感じる人は多いです。
結論から言うと、地震時の呼びかけは“精神論”ではなく、行動を3つに絞って実行できる人を増やすための合図です。
そして備えは、完璧を目指すより「今日できる最小行動」を積む方が、現実的で続きます。
私は防災士として日常の備えを伝える立場であり、被災地派遣(LO)では「備えが曖昧なまま被災し、判断が重くなって動けなくなる」状況を何度も見ました。逆に、備えが小さくても“型”がある人は、余震や停電でも落ち着いて動けます。この記事では、あなたが感じた疑問をそのまま入口にして、具体行動に落とし込みます。
- ■① 「日頃からの備え」が何を指すのか分からない:備えは“生活の壊れ方”を想定すること
- ■② 具体的に何をすればよいか分からない:やることは“3つだけ”でいい
- ■③ 本当に普段通りの生活で良いのか不安:不安の正体は「判断がない」こと
- ■④ 「大したことにはならないだろう」と思った:その感覚は自然、だから“最小行動”が効く
- ■⑤ 防災意識向上のきっかけになれば:きっかけは「家族会議」より「1分の確認」で十分
- ■⑥ 「呼びかけされても自分の責任で行動すれば問題ない」:正しいけど落とし穴がある
- ■⑦ メディアがもっと分かりやすく解説してほしい:分かりやすさの鍵は「行動の型」
- ■⑧ 今日できる最小行動:迷う人ほど「1セットだけ」作る
- まとめ
- 出典
■① 「日頃からの備え」が何を指すのか分からない:備えは“生活の壊れ方”を想定すること
「備え」と言われると、防災グッズを買う話に聞こえがちです。
でも本質は、地震で生活がどう壊れるか(停電・断水・ガス停止・通信混雑・余震・避難)を想定して、最低限の穴を埋めることです。
備えは大きく3種類です。
- 命を守る備え(落下・転倒・火災・避難)
- 生活を守る備え(停電・断水・トイレ・食)
- 情報と連絡を守る備え(スマホ・家族連絡・避難情報)
この3つに分けると、「何をすればいいか」が急に見えます。
■② 具体的に何をすればよいか分からない:やることは“3つだけ”でいい
迷う人ほど、やることを増やしすぎています。
まずは“3つだけ”に絞るのが現実的です。
- 家の中の危険を1つ減らす(家具転倒・落下物)
- 水とトイレを最低限確保する(断水・衛生)
- 家族の連絡手段を決める(集合場所・連絡方法)
被災地派遣(LO)で感じたのは、備えの差は“量”より“迷いの少なさ”でした。
決めている家庭は、余震のたびに判断が軽いです。
■③ 本当に普段通りの生活で良いのか不安:不安の正体は「判断がない」こと
「普段通りでいい」と言われても不安になるのは、正常です。
不安の正体は、情報不足ではなく“判断の基準が手元にない”ことです。
普段通りでいいか迷ったら、基準はこれです。
- 余震が続く:倒れる物・割れる物を先に片付ける
- 停電の可能性:スマホを節電、充電を整える
- 家族が別行動:連絡方法と集合場所を確認する
普段通り=何もしない、ではありません。
普段の生活を続けるために、先に危険だけ減らすという意味です。
■④ 「大したことにはならないだろう」と思った:その感覚は自然、だから“最小行動”が効く
「今回は大丈夫そう」という感覚は、誰にでもあります。
問題は、その感覚があるときほど備えが先延ばしになることです。
だからおすすめは、気持ちが動かないときでもできる最小行動です。
- 玄関に靴を1足置く
- 寝室の頭上の物を1つ減らす
- 水を2Lだけ追加で買う
大げさにしない。小さく積む。
これが防災意識を“生活習慣”に変えるコツです。
■⑤ 防災意識向上のきっかけになれば:きっかけは「家族会議」より「1分の確認」で十分
意識は、熱量より継続で上がります。
おすすめは、会議ではなく“1分確認”です。
- 今夜、家族の集合場所だけ決める
- 明日、水とトイレの在庫だけ数える
- 週末、家具の固定を1箇所だけやる
被災地派遣(LO)でも、準備が続いている家庭は「一気にやらない」家庭でした。
■⑥ 「呼びかけされても自分の責任で行動すれば問題ない」:正しいけど落とし穴がある
自己責任で行動するのは当然です。
ただし地震は、あなた一人の判断だけで完結しません。
- 家族の安全
- 近隣の避難行動
- マンションや地域のインフラ
- 避難所の混雑
だから、自己責任を“孤立”にしないことが大事です。
最低限、これだけ決めておくと安全です。
- 家族の連絡ルール
- 逃げる基準(自分のハザード)
- 近所の要支援者がいるか(無理のない範囲で把握)
■⑦ メディアがもっと分かりやすく解説してほしい:分かりやすさの鍵は「行動の型」
情報は増えています。
それでも分かりにくいのは、行動に変換されていないからです。
覚えるのは、これだけで十分です。
- 揺れたら:身を守る(頭を守る・火を止める・出口確保)
- 揺れがおさまったら:危険を消す(落下・ガラス・火災)
- その後:生活を回す(トイレ・水・情報・連絡)
この“型”があると、ニュースを見ても行動に落とせます。
■⑧ 今日できる最小行動:迷う人ほど「1セットだけ」作る
最後に、今日やる行動を1つだけ提示します。
迷う人ほど、これが一番効きます。
- 防災の1セットを作る:水2L×2本+簡易トイレ数回分+モバイルバッテリー(満充電)
これだけで、地震後の「最初の不安」がかなり減ります。
不安が減ると、次の備えが進みます。
まとめ
結論:地震時の「呼びかけ」は精神論ではなく、行動を迷わせないための合図。日頃の備えは「命・生活・情報」の3つに分けると分かりやすい。やることは“家の危険を1つ減らす/水とトイレを確保/家族の連絡を決める”の3つだけで十分。普段通りでいいか不安なら、危険だけ先に減らす。大丈夫と思うときほど最小行動を積む。メディアが分かりにくいと感じたら、自分の中に“行動の型”を作る。
備えは完璧じゃなくていい。迷いを減らすほど、あなたの耐災害力は上がります。
出典
内閣府 防災情報「地震への備え(家庭でできる対策)」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keihatsu/earthquake/

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