夏に地震が起きて避難所生活になると、水は「多ければ安心」では足りません。実際には、飲む水、食事に使う水、手や体を拭く水、トイレに関わる水など、用途を分けて考えないと、あっという間に足りなくなりやすいからです。首相官邸は、家庭の備蓄として飲料水は1人1日3リットルが目安で、3日分、できれば1週間分が望ましいと案内しており、飲料水とは別に生活用水も必要だと示しています。
だからこそ大切なのは、「水をためておくこと」だけではなく、どの水を何に使うかを最初に分けることです。この記事では、夏の地震で避難所にいる時の非常用水確保を、家庭で判断しやすい形で整理して解説します。
■① 最初に考えるべきことは「量」より「用途を分けること」
結論から言うと、最初に考えるべきことは、水が何リットルあるかだけではなく、その水を何に使うかです。
首相官邸は、飲料水は1人1日3リットルを目安としつつ、トイレを流すなどの生活用水も別に必要だと案内しています。
元消防職員として感じるのは、被災地で水が苦しくなるのは「絶対量が少ない」時だけではなく、「飲み水を生活用水に回してしまう」時です。だから、非常用水確保では、最初に
飲料水
調理用
生活用水
を分けて考える方が現実的です。
■② 最低限、どのくらいの飲み水を見ておくべきか
基本は、1人1日3リットルです。
これは飲むための水に加えて、最低限の調理も含めた目安として広く使われています。首相官邸もこの数字を示しており、大規模災害では1週間分の備蓄が望ましいとしています。
また、内閣官房の災害時地下水利用ガイドラインでは、熊本市地域防災計画の例として、発災から3日間の給水目安を3リットル/人・日(飲料水・生命維持)と整理しています。
私なら、夏は汗で失う分も考えて、最低ラインとして3リットルを意識しつつ、実際には少し余裕を持たせます。暑い時期は水の不足が体調悪化に直結しやすいからです。
■③ 飲み水と生活用水はどう分けるべきか
かなりはっきり分けた方が安全です。
飲み水は、飲用、薬を飲む、最低限の調理に使います。
生活用水は、手洗い、体拭き、トイレまわり、掃除などです。
首相官邸も、飲料水とは別に生活用水が必要であり、日頃からポリタンクに水道水を入れておく、お風呂の水を張っておくなどの備えを挙げています。
つまり、「とりあえず全部同じ水で何とかする」と考えると、飲み水が先に減りやすいです。私なら、非常用水確保では飲む水は触らないくらいの感覚で分けます。
■④ 夏に非常用水確保の優先度が上がるのはなぜか
夏は、汗・熱中症・衛生の3つで水の必要量が上がりやすいからです。
内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」でも、災害時はのどが渇いていなくても、こまめな水分・塩分補給が大切だと示されています。
さらに夏は、汗を拭く、体を冷やす、手洗いしたい、トイレ後を清潔にしたい、といった生活用水の必要も増えます。だから、夏の非常用水確保は「飲み水さえあればいい」ではなく、少量の生活用水をどう確保するかまで含めて考える方が現実的です。
■⑤ 生活用水は何から確保するのが現実的か
現実的なのは、水道水のくみ置き、ポリタンク、風呂の残り湯です。
首相官邸も、生活用水の備えとして、ポリタンクに水道水を入れておくことや、お風呂の水をいつも張っておくことを挙げています。
私なら、生活用水は「大量にためる」より、「今ある物で分散して持つ」方をすすめます。風呂、ポリタンク、空き容器など、複数に分けておくと、使い分けしやすく、全部を一度に汚しにくいです。
■⑥ 避難所では支援の水だけを待てばいいのか
それだけに頼りきらない方が安全です。
内閣官房の災害時地下水利用ガイドラインでは、応急給水の目安として発災〜3日間は3リットル/人・日、その後10日目までは20リットル/人・日(飲料水+炊事等の最低生活維持)という整理が紹介されています。
つまり、支援の水は重要ですが、発災直後から十分に行き渡るとは限りません。元消防職員としても、「配られるまでの時間」をどうつなぐかがかなり大切だと感じます。だから、非常用水確保は最初の数日を自力で持たせる発想が現実的です。
■⑦ 子どもや高齢者がいる家庭では何を変えるべきか
子どもや高齢者がいる家庭では、飲みやすい形と、こまめに使える量を意識した方がよいです。
大きな容器だけだと扱いにくく、こぼしやすくなります。だから、2Lペットボトルだけでなく、小さめのボトルやコップに移しやすい形もあると現実的です。高齢者はのどの渇きに気づきにくいことがあり、子どもは一度に多く飲めないこともあります。
私なら、家族構成別準備として、非常用水確保でも「一気に運べる水」だけでなく「すぐ飲める水」を分けて置きます。その方が実際の避難生活に合います。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「飲み水と生活用水を分けられているか」
「飲み水は最低3日分、できれば1週間分見られているか」
「生活用水を少しでも確保できているか」
「家族の中で飲み方に配慮が必要な人へ回しやすいか」
この4つがそろっていれば、夏の避難所での非常用水確保としてはかなり現実的です。防災では、量だけを見るより「分けて使えること」の方が大切です。
■まとめ
夏の地震で避難所にいる時の非常用水確保で大切なのは、「たくさんためること」だけではなく、「飲み水と生活用水を分けて考えること」です。首相官邸は、飲料水は1人1日3リットルが目安で、3日分、できれば1週間分が望ましいと案内しており、生活用水も別に必要だと示しています。内閣官房の資料でも、発災から3日間は3リットル/人・日、10日目までは20リットル/人・日という目安が紹介されています。
私なら、夏の避難所の非常用水確保で一番大事なのは「何リットルあるか」より「その水をどう分けて使うか」だと伝えます。被災地でも、水があっても使い方を誤ると苦しくなりました。だからこそ、まずは飲み水、次に生活用水、その次に家族ごとの使いやすさ。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html(首相官邸「災害が起きる前にできること」)

コメント