【防災士が解説】子どもがいる家庭の防災対策|今夜できる備えチェックリスト

子どもがいる家庭の防災対策は、大人だけの備えと同じでは足りません。大人なら我慢できることでも、子どもは暑さ、空腹、不安、眠れなさ、トイレの変化にかなり影響を受けやすいからです。特に夜間や停電時、避難所生活では、小さな不快感がそのまま泣き、混乱、体調不良につながることがあります。内閣府の「あかちゃんとママを守る防災ノート」でも、乳幼児がいる家庭では、避難バッグの見直し、必要な備えの確認、健康管理のチェックが重要とされており、平時から「我が家の備え」を具体的に考えておくことが勧められています。
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou4.pdf

つまり、子どもがいる家庭の防災対策で大切なのは、「物をたくさん買うこと」ではなく、今夜の時点で、子どもが困る場面を先に減らしておくことです。この記事では、その判断基準を現実的に整理して解説します。

■① まず結論として、子どもがいる家庭で最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、子どもの生活リズムを災害時にも少しでも保てるようにすることです。

大人は「とりあえず避難すればいい」と考えがちですが、子どもは
飲めない
食べられない
眠れない
怖くて動けない
が重なると、一気に崩れやすくなります。だから、防災対策は「避難できるか」だけでなく、「避難した後に子どもが持つか」で考えた方が現実的です。

元消防職員として感じるのは、被災地で家族避難が苦しくなるのは「大きな物が足りない時」より、「子どもの普段の流れが全部崩れた時」の方が多いという点です。私なら、子どもがいる家庭では
まず飲食
次に睡眠
最後に安心できる物
この順で整えます。

■② なぜ子ども向けの防災対策は大人と違うのか

理由は、子どもは不安や不快感を言葉で整理しにくいからです。

暑い、お腹がすいた、眠い、怖い、トイレがいつもと違う。こうしたことを、大人のように順序立てて伝えられないことがあります。その結果、泣く、怒る、黙る、動かなくなる、といった形で出やすいです。

被災地派遣の現場でも、子どもは「大丈夫」とは言わず、表情や行動で崩れ始めることがありました。だから、子どもの防災対策は「本人に任せる」より「大人が先回りする」方が現実的です。

■③ 今夜すぐ確認したい備え① 飲み物と食べ物

まず確認したいのは、子どもが普段から口にしやすい飲み物と食べ物があるかです。

大人用の備蓄があっても、子どもが食べ慣れていない物しかないと、実際には食べられないことがあります。だから、栄養の完璧さより、まずは「食べられるか」「飲めるか」の方が大切です。

私なら、今夜の時点で
水やお茶だけでなく、子どもが飲みやすい物があるか
お菓子でもゼリーでも、少しでも口に入る物があるか
を確認します。その方が現実的です。

■④ 今夜すぐ確認したい備え② 着替えと体温調整

次に確認したいのは、着替えと体温調整のしやすさです。

子どもは汗をかきやすく、濡れた服のままだと不快感が強くなりやすいです。さらに、避難所や停電時は暑さ寒さの調整が難しくなるため、着替えがあるかどうかでかなり違います。

私なら、子どもの備えでは「特別な防災服」より、
着慣れたTシャツ
下着
薄手の羽織り
タオル
を優先します。その方が実際に使いやすいからです。

■⑤ 今夜すぐ確認したい備え③ 寝るための準備

見落としやすいのが、寝るための準備です。

子どもは眠れないと、それだけで翌日の機嫌や体調が崩れやすくなります。だから、防災対策では「夜を越せるか」がかなり大事です。いつものタオル、毛布、ぬいぐるみ、小さな明かりなど、“少し落ち着ける物”があるだけで違います。

被災地でも、子どもは物資より先に「いつもの感じ」が少し戻る方が落ち着きやすいと感じました。私なら、今夜できる備えとして「安心して横になれる物があるか」を見ます。

■⑥ 今夜すぐ確認したい備え④ トイレと衛生用品

子どもがいる家庭では、トイレと衛生用品はかなり重要です。

停電や断水になると、いつものトイレが使えないことがあります。子どもは大人のように我慢しにくく、失敗がそのまま不安につながることもあります。おむつ、携帯トイレ、おしりふき、ビニール袋、着替えはかなり役立ちます。

私なら、「非常食はあるけどトイレ用品は後回し」にしません。子どもでは、トイレの不安はかなり大きいからです。

■⑦ 今夜すぐ確認したい備え⑤ 連絡先と避難先

物だけでなく、どこへ行くか、誰と連絡を取るかも今夜決めておく方が安全です。

たとえば、
近くの避難所はどこか
親族に頼れる先はあるか
はぐれた時の連絡方法はどうするか
を決めておくと、災害時の混乱がかなり減ります。

元消防職員としても、家族避難で危なかったのは「物が足りないこと」より、「判断がぶれること」でした。私なら、今夜の時点で紙にも書いておきます。

■⑧ 子ども向け防災対策でやってはいけないことは何か

一番避けたいのは、大人基準で考えることです。

「大人が食べられるから大丈夫」
「大人が我慢できるから大丈夫」
「その場で何とかなるだろう」
この考え方は、子どもには合わないことがあります。

私なら、子どもの防災対策では「役に立ちそうな物を増やす」より、「この子が本当に使える物か」で絞ります。その方が現実的です。

■⑨ 今夜できる備えチェックリスト

今夜のうちに、次の4つを見てください。

「子どもが飲める物・食べられる物があるか」
「着替え、タオル、体温調整できる物があるか」
「寝る時に安心できる物があるか」
「トイレ用品と避難先・連絡先が確認できているか」

この4つがそろえば、子どもがいる家庭の防災対策としてはかなり現実的です。防災では、「完璧に備えること」より「今夜困ることを減らすこと」の方が大切です。

■⑩ まとめ

子どもがいる家庭の防災対策で大切なのは、飲食・着替え・睡眠・トイレ・安心できる物・避難先を、子ども基準で見直しておくことです。内閣府の「あかちゃんとママを守る防災ノート」でも、避難バッグの見直し、必要な備えの確認、健康管理チェックなどを通じて、「我が家の備え」を具体的に考えることが勧められています。

私なら、子どもがいる家庭で一番大事なのは「大人用の備えを少し増やすこと」ではなく「子どもが今夜困ることを先に減らしておくこと」だと伝えます。被災地でも、助かったのは物が多い家庭より、子どもの普段を少しでも残せた家庭でした。だからこそ、まずは飲食、次に着替えと睡眠、最後にトイレと安心。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hinanzyokakuho/wg_situ/pdf/dai3kaisankou4.pdf(内閣府「あかちゃんとママを守る防災ノート」)

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