【防災士が解説】子どもとキャンピングカーで避難する防災準備|泣く・飽きる・眠れないを先に潰す

キャンピングカー避難は、子どもがいる家庭にとって「雨風をしのげる」「荷物を積める」という強みがあります。一方で、子どもは環境変化に弱く、避難が長引くほど「泣く・飽きる・眠れない」で家庭全体が消耗しやすいのも事実です。
被災地支援の現場でも、家族の疲労が限界に近づくと、判断が雑になり、体調不良やトラブルが増えました。ここでは“子ども連れ”に絞って、準備の順番を整理します。

目次

  • ■① 子ども連れ避難で最初に崩れる3つ(睡眠・衛生・退屈)
  • ■② まず固定する「家族ルール」(迷いを減らす)
  • ■③ 車内レイアウトの基本(転倒・挟み込み・熱中症を防ぐ)
  • ■④ 子ども用の“必要最小限”セット(年齢別)
  • ■⑤ 眠れる環境づくり(夜の不安と騒音対策)
  • ■⑥ 食事と水分の回し方(ご機嫌は血糖で決まる)
  • ■⑦ 体調不良・ケガ・迷子の備え(親が倒れない)
  • ■⑧ 今日の最小行動(15分で完成)

■① 子ども連れ避難で最初に崩れる3つ(睡眠・衛生・退屈)

子ども連れで避難が難しくなる原因は、だいたいこの3つに集約されます。

  • 睡眠:眠れない→泣く→親が眠れない→家庭が崩れる
  • 衛生:手洗いできない→不快→機嫌悪化→感染リスク上昇
  • 退屈:飽きる→騒ぐ→親が叱る→ストレス連鎖

避難所でも車中でも、子どもの“当たり前の生活”が崩れた瞬間にトラブルが増えます。だから準備は「防災グッズ」より「生活の型」を先に作るのが勝ちです。


■② まず固定する「家族ルール」(迷いを減らす)

災害時は親も不安で視野が狭くなります。迷いを減らすために、家族ルールを先に決めておきます。

  • 連絡:集合場所/連絡手段(スマホが死ぬ前提も)
  • 移動:夜は無理に動かない/危険が近い時は例外
  • 子ども:親の視界から外さない(トイレもセットで)
  • 休憩:子どもが荒れたら“水分→糖分→休憩”の順

被災地の現場では、「親が不安で動きすぎる」ほど子どもは荒れます。子どもは空気を読みます。ルールがある家は落ち着きが戻りやすいです。


■③ 車内レイアウトの基本(転倒・挟み込み・熱中症を防ぐ)

キャンピングカーでも“走る家”なので、物が飛ぶ・転ぶが起きます。

  • 通路は空ける:夜間トイレの転倒を最優先で潰す
  • 床に置く:重い荷物は低い位置(上棚に置かない)
  • 角を減らす:子どもの頭の高さに固い角が来ないように
  • 日射対策:夏は窓際が地獄。遮熱と換気の導線を作る
  • 低温対策:冬は床が冷える。足元の断熱を最優先に

「子どもが動く前提」でレイアウトすると、事故が激減します。


■④ 子ども用の“必要最小限”セット(年齢別)

全部持つより「詰むポイント」を潰します。

共通(全員)

  • 水分(飲み物)+一口で食べられる補食(飴・ゼリー等)
  • 着替え1セット+防寒(薄手でも可)
  • ウェットティッシュ+ゴミ袋(汚れたら即処理)
  • 子ども用ライト(自分で持てると安心が増える)
  • 名前・連絡先カード(服の内側や財布に)

幼児

  • おむつ/おしりふき/ビニール袋(匂い対策含む)
  • いつもの小さなおもちゃ(新しいより“慣れ”が効く)
  • 寝るためのアイテム(タオル・小毛布など)

小学生

  • 自分の役割を1つ(ライト係など)
  • 暇つぶし(カードゲーム・本・簡単なワーク)
  • イヤーマフ or 耳栓(音で荒れる子に強い)

■⑤ 眠れる環境づくり(夜の不安と騒音対策)

避難生活は「夜を制した家が勝つ」です。

  • いつもに近い寝具(毛布より寝袋+マットが効く)
  • 明かりは弱めに固定(暗闇恐怖を防ぐ)
  • 音を減らす:窓の隙間風・揺れ・外音を少しでも抑える
  • 寝る前の儀式:歯みがき→トイレ→水→一言で安心

子どもは“安心のルーティン”があると眠れます。親が頑張って説得するより、型を作った方が早いです。


■⑥ 食事と水分の回し方(ご機嫌は血糖で決まる)

子どもは空腹で一気に崩れます。

  • こまめに少量:一回で満腹より、間隔を空けない
  • 冷たい・温かい:温かい飲み物は精神安定に効く
  • “食べ慣れ”優先:非常食の味で拒否が起きやすい

現場でも、子どもが落ち着いた家庭は「水分」と「小さな補食」の回し方が上手いことが多かったです。


■⑦ 体調不良・ケガ・迷子の備え(親が倒れない)

子ども連れの避難は、親の体力が最重要です。

  • 子ども用の常備薬(持病・アレルギー)
  • 体温計/絆創膏/消毒(最小セットでOK)
  • 発熱時の対応ルール(移動しない/保温/水分)
  • 迷子対策(写真を撮る・服装を記録する)

親が一度倒れると、家庭は一気に詰みます。最優先は「親の睡眠」と「水分」です。


■⑧ 今日の最小行動(15分で完成)

  • 子どもセットを1袋にまとめる(着替え+補食+ウェット+名前カード)
  • 車内の通路を空ける(夜間トイレ導線)
  • 子ども用ライトを“定位置”に置く
  • 寝る前のルーティンを1つ決める(歯みがき→水→一言)

この4つで、子ども連れ避難の失敗は大きく減ります。


■結語

キャンピングカー避難は「生活を保てる」強みがある一方で、子どもの睡眠・衛生・退屈が崩れると家庭全体が消耗します。
準備の本質は、物を増やすことではなく「生活の型」を先に作ること。夜を守れば、判断も守れます。

出典:内閣府(防災情報)「家庭での備え(非常持出品・備蓄等)」https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keishoubousai/sonae/

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