学校が避難所になる時に一番起こりやすいのは、「場所はあるのに運営が回らない」という混乱です。文部科学省の「学校の危機管理マニュアル作成の手引」では、学校が避難所となる場合、地域住民等の避難、避難所の開設、管理・運営、学校機能との同居、そして学校機能の正常化までを見通して備える必要があると示されています。内閣府も、2024年12月改定の「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」で、避難所運営は受付、情報、トイレ、食事、要配慮者対応、物資、衛生などを災害フェーズごとに整理して進めることを求めています。文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」 内閣府「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」
つまり、2026年度の学校避難所運営指針で大切なのは、「学校を避難所として開けること」ではなく、学校機能と避難所機能をどう切り分け、誰が、どこで、何を先に回すかを平時に決めておくことです。被災地派遣でも、学校避難所で差が出るのは備蓄量より、最初の数時間の整理でした。私は、学校避難所では、まず役割分担、次にゾーニング、最後に学校再開まで見た運営設計、この順で整えるのが現実的だと考えます。
■① まず結論として、学校避難所運営で最優先にすべきことは何か
結論から言うと、最優先にすべきことは、学校機能と避難所機能を最初から分けて考えることです。
文部科学省の手引では、学校が避難所になると、避難所機能の開設・管理運営と、学校機能再開の準備が並行して課題になることが示されています。つまり、体育館を開ければ終わりではなく、どこを避難者区域、どこを教職員動線、どこを教育再開準備区域にするかを先に考える必要があります。私は、学校避難所で一番危ないのは「全部を同じ場所で回そうとすること」だと感じます。文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」
■② 2026年度に最初に確認したいことは何か
最初に確認したいのは、その学校が今年も避難所として使われる前提か、そして学校側・自治体側の担当が変わっていないかです。
内閣府のチェックリストは、平時の準備段階で、誰が・いつ・どのような仕事をするかを整理するよう求めています。また、文部科学省の手引でも、学校だけでなく設置者、地域、関係機関との連携が前提です。つまり、新年度はまず、指定避難所としての位置づけ、担当部局、教職員側の窓口、防災担当課との連絡系統を確認する方が現実的です。内閣府「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」 文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」
■③ 運営指針で最初に作るべきなのは何か
最初に作るべきなのは、役割分担表です。
内閣府の避難所チェックリストは、受付、情報共有、物資、食事、トイレ、衛生、要配慮者支援などを「誰が・いつ・どうするか」で整理する構成になっています。学校避難所でも、教職員、自治体職員、自治会、自主防災組織、施設管理者の役割を分けておかないと、初動で止まりやすくなります。元消防職員としても、学校避難所で本当に困るのは「物がないこと」より「誰も判断しない時間」が生まれることです。内閣府「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」
■④ 学校避難所で最初に整えるべきゾーニングは何か
学校避難所で最初に整えたいのは、受付、居住スペース、トイレ、要配慮者スペース、学校再開に関わる立入制限区域です。
文部科学省の手引では、避難所機能と学校機能の同居が大きな課題として示されており、内閣府のガイドラインでも、要配慮者対応、トイレ、食事、生活環境の確保が重視されています。つまり、学校避難所では「空いている所へ入ってもらう」ではなく、最初から区分けした方が混乱を減らせます。被災地派遣でも、学校避難所で安定していたのは、受付と生活スペースが早く分かれた所でした。文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」 内閣府「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」
■⑤ 受付で何を外してはいけないのか
受付で外してはいけないのは、避難者数の把握と要配慮者の把握です。
内閣府のチェックリストは、受付や避難者情報の把握を運営の基本業務として扱っています。文部科学省の手引でも、避難所開設後は名簿作成、関係機関への情報伝達・収集が重要な協力内容として挙げられています。つまり、学校避難所では、名簿を作ること自体が目的ではなく、誰が来て、誰に先に配慮が必要かを把握することが大切です。私は、学校避難所の受付は「並ばせる場所」ではなく「優先順位を決める場所」だと考えます。内閣府「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」 文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」
■⑥ 学校避難所で特に重要な生活環境は何か
特に重要なのは、トイレ、休養スペース、食事、水、衛生環境です。
内閣府は2024年12月改定で、避難生活の良好な環境確保のため、トイレ、簡易ベッド、食事支援、キッチンカー活用、要配慮者対応などを強化しています。学校は避難所に使いやすい一方で、トイレ不足や導線混乱が起きやすい施設でもあります。私は、学校避難所では「寝る場所」より先に「排泄と衛生」を見た方が実際の運営は安定すると感じます。内閣府「避難所の生活環境対策」 内閣府「自治体向けの避難所に関する取組指針・ガイドラインの改定について」
■⑦ 学校再開との両立はどう考えるべきか
ここはかなり大事です。学校避難所の運営指針には、避難所運営だけでなく学校再開の出口まで入れておくべきです。
文部科学省の手引は、避難所機能の解消と学校機能の正常化までを危機管理の流れとして示しています。つまり、いつまで避難者を受け入れるか、教育再開のためにどの区域から戻すか、どの段階で自治体と協議するかを決めておかないと、避難所運営が長引いた時に学校機能が戻りにくくなります。被災地派遣でも、学校避難所で苦しかったのは「開設」より「どう閉じるか」でした。文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」
■⑧ 2026年度の運営指針で見落としやすいことは何か
見落としやすいのは、新任教職員と自治体担当者の引継ぎ不足です。
学校避難所は、マニュアルがあっても、人が替わると実質的に初期化されやすいです。文部科学省は危機管理マニュアルの作成・見直しと教職員研修の重要性を示しており、内閣府のチェックリストも平時からの準備を前提にしています。私は、新年度は「指針を作る」より「今年の担当者が読んで動けるか」を確認する時間を持つ方が現実的だと考えます。文部科学省「学校の危機管理マニュアル作成の手引」 内閣府「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」
■⑨ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「学校機能と避難所機能を分けて考えられているか」
「誰が・いつ・何をするかが見える形になっているか」
「受付、トイレ、要配慮者対応、衛生が初動で回るか」
「学校再開までの出口を指針に入れられているか」
この4つが整理できれば、学校避難所の2026年度運営指針としてはかなり現実的です。防災では、「避難所を開けること」より「学校と地域の両方が崩れにくい運営を作ること」の方が大切です。
■⑩ まとめ
学校避難所の2026年度運営指針で大切なのは、役割分担、ゾーニング、受付、トイレ、要配慮者対応、衛生、そして学校再開までを一体で考え、学校機能と避難所機能の同居を崩れにくく設計することです。文部科学省の「学校の危機管理マニュアル作成の手引」は、避難所の開設から管理・運営、学校機能の正常化まで見通した備えを求めており、内閣府の2024年12月改定の避難所ガイドラインは、受付、生活環境、トイレ、食事、要配慮者支援などを災害フェーズごとに整理して示しています。
私なら、学校避難所の運営で一番大事なのは「学校を避難所として使うこと」ではなく「学校と地域の機能を両方守りながら運営すること」だと伝えます。被災地でも、強かったのは大きい学校より、役割と区分けが早く決まった学校避難所でした。だからこそ、まずは役割分担、次にゾーニング、最後に学校再開。この順番で整えるのがおすすめです。

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