避難所の夜、子どもの泣き声が続くと眠れません。
そして多くの場合、親はこう思います。
「迷惑をかけて申し訳ない」
「静かにさせなきゃ」
「周りの目がつらい」
でも結論から言うと、
子どもが泣くのは異常ではなく正常です。
災害時は、大人でも不安で眠れません。
子どもなら、なおさらです。
ここでは「子どもの泣き声で眠れない状況」を、親側・周囲側の両方の視点で、現実的に改善する方法をまとめます。
■① なぜ避難所で子どもは泣くのか
泣き声は、子どもが“安全確認”をしているサインです。
・環境が急に変わった
・暗い/うるさい
・知らない人だらけ
・親の緊張が伝わる
・眠いのに眠れない
避難所では、刺激が多く、安心が少ない。
泣くのは自然な反応です。
■② 被災地で見た「泣き声=責められる空気」の危険
被災地派遣で感じたのは、
泣き声そのものより“周囲の空気”が親子を追い詰めることです。
・親が萎縮する
・子どもが不安定になる
・家族が眠れない
・周囲も眠れずイライラが増える
この悪循環を断つには、
「泣き声をゼロにする」発想を捨てる必要があります。
目的は、ゼロではなく“減らす・早く戻す”です。
■③ まず効くのは「夜の配置」と「境界線」
避難所では、場所で難易度が変わります。
▪ 親子に向きやすい場所(可能なら)
・壁際/端
・出口や通路から少し離れた場所
・トイレから遠すぎない場所(夜泣き後に移動しやすい)
可能ならスタッフに短く伝えます。
「子どもが夜泣きしやすく、周囲の迷惑も気になります。端の場所に移れますか」
これだけで状況が改善することがあります。
▪ 境界線を作る
・荷物を外周に置く
・タオルや上着で目隠し
・パーティションがあれば優先して使う
“見られている感”が減ると、親が落ち着き、子どもも落ち着きやすいです。
■④ 子どもが落ち着く「寝る前の儀式」
避難所でも、短い儀式は作れます。
子どもは“同じ流れ”で安心します。
例)3分でOK
1)水を一口
2)手を握る
3)ゆっくり呼吸(親が4秒吸って8秒吐く)
4)同じ言葉を繰り返す
「大丈夫、ここは安全。起きたら一緒にごはん食べよう」
重要なのは、内容より“繰り返し”です。
■⑤ 泣き出したときの「最短で戻す手順」
泣き声を止めようとして焦るほど、長引きます。
手順を固定します。
▪ 手順①:まず親がゆっくり吐く
親の呼吸が落ち着くと、子どもは落ち着きやすい。
▪ 手順②:体を包む
・上着
・タオル
・毛布
包まれる感覚は、安心につながります。
▪ 手順③:場所を少し変える
可能なら、数歩だけでも移動。
“景色が変わる”と切り替わる子がいます。
■⑥ 周囲側の人ができる「眠りを守る対策」
子どもは悪くありません。
だから周囲側も、自分を守る工夫を持つのが現実的です。
・耳栓(なければティッシュ)
・アイマスク
・フードやタオルで耳周りを覆う
・眠れなくても体力温存(横になる)
避難所は共同生活です。
「お互いに工夫する」が一番揉めません。
■⑦ 親が一番やってはいけないこと
それは「自分を責めること」です。
罪悪感は、親の表情・声・動きに出ます。
子どもは敏感に感じ取り、さらに不安定になります。
子どもが泣くのは、親のせいではなく環境のせいです。
■まとめ:泣き声をゼロにしない。減らして回復の循環を作る
1)親子向けの場所へ(壁際・端・動線回避)
2)境界を作って安心感を上げる
3)寝る前の短い儀式を固定する
4)泣いたら“親の呼吸→包む→少し移動”
5)周囲も耳と目を守って体力温存
避難所の夜は、みんな余裕がありません。
だからこそ、親も周囲も守れる“整え方”で乗り切りましょう。

コメント