【防災士が解説】寝袋とマットで「テント泊でも眠れる体」を作る快眠の基本

キャンプの夜に眠れない原因は、だいたい「地面」と「冷え」です。寝袋だけ用意しても、床の硬さや底冷えで目が覚めやすくなります。これはアウトドアだけでなく、災害時のテント避難・車中泊・体育館避難でも同じです。寝袋とマットを“セット”で考えるだけで、睡眠の質は一気に上がります。


■① まず結論|快眠は「上=寝袋」「下=マット」で決まる

テント泊の寝具は、上半身を温める「寝袋」と、体を支えて冷えを切る「マット」でワンセットです。
寝袋がどれだけ高性能でも、下が薄いと体温は地面側に奪われます。逆に、マットがしっかりしていると、寝袋は“適温”で選びやすくなり、失敗が減ります。


■② 初心者が躓くポイント|寝袋だけで何とかしようとする

初めてのテント泊で多いのが、「床に何か敷いてあるから大丈夫」と思って寝袋だけで寝るパターンです。
実際には、テントマットやすのこがあっても、床のゴツゴツ・硬さは想像以上で、ほとんど眠れないことがあります。
快眠の最短ルートは「厚みのあるマットを1枚入れる」こと。これだけで別世界になります。


■③ マットの役割|痛み対策と底冷え対策を同時にする

マットは「寝心地を柔らかくする道具」と思われがちですが、本質はもう一つあります。
それが“断熱”です。夜は地面が冷えるため、体温は下から奪われます。マットが薄いと、寒さで何度も目が覚めます。
厚みのあるエアーマットは、凹凸を吸収しつつ、冷えも和らげやすいのが強みです。空気を抜けばコンパクトになり、持ち運びもしやすい点も初心者向きです。


■④ 目安の考え方|「厚み」と「体重分散」で選ぶ

選び方は難しく考えなくて大丈夫です。まずは次の順で判断すると失敗しにくいです。

・体の痛みが気になる人 → 厚みがあるタイプを優先
・寒い時期に行く人 → 断熱性を重視(下から冷える前提で)
・荷物を減らしたい人 → 空気を抜いて小さくなるタイプが扱いやすい

私は災害対応の現場でも、床の硬さと冷えで眠れず体調を落とす人を何度も見ました。眠れないと判断力が落ち、翌日の行動が雑になります。まずは「痛くない・冷えない」を作るのが最優先です。


■⑤ 寝袋のタイプ|封筒型・マミー型・エッグ型の違い

寝袋は形で特徴が変わります。

・封筒型(レクタングラー型)
 ゆったりして寝返りしやすい反面、熱が逃げやすく寒い時期は不利になりやすいです。

・マミー型(人形型)
 体に沿う形で密着性が高く、保温性が高いのが特徴です。寒い時期は特に有利です。

・エッグ型(卵型)
 中間的な位置づけですが、製品としては選択肢が少ない場合もあります。

寒い季節の「寝袋が寒い」は、寝袋の問題だけでなく、下の断熱不足が原因のことも多いです。寝袋を買い替える前に、まずマットを疑うと改善しやすいです。


■⑥ 寝袋を快適にするコツ|“中で着込む”より“環境を整える”

眠るために一番大事なのは、寝袋の中で無理に着込むことより、寝る環境を整えることです。

・首元・足元が冷えるなら、マミー型+首元の隙間を減らす
・地面が冷えるなら、マットを厚くする(ここが最短で効く)
・蒸れて寝苦しいなら、ジッパーで温度調整して汗冷えを避ける

汗をかくほど着込むと、夜中に汗冷えして逆に寒くなることがあります。温度は「調整できる状態」を作るのがコツです。


■⑦ 災害時にも同じ|睡眠は“贅沢”ではなく“耐災害力”の一部

災害時の避難生活では、睡眠不足が続くとメンタルが削れ、判断が鈍ります。これは防災の現場で本当に多い失敗です。
「眠れないから我慢する」ではなく、「眠れる仕組みを作る」が長期避難の基本です。

・体育館や避難所 → 床の硬さと冷えが最大の敵
・車中泊 → 体がこわばって睡眠の質が落ちやすい
・テント避難 → 地面の凹凸と底冷えが直撃する

寝袋とマットは、キャンプ道具であると同時に、避難生活の“体力温存装備”でもあります。


■⑧ 現場で見た落とし穴|「寝られない」は体調悪化の入口

能登半島地震の対応で、避難環境の調整や情報共有(LOとしての支援を含む)に関わった際も、睡眠が取れないことで体調を崩し、結果的に動けなくなるケースは少なくありませんでした。
特に多いのが、床の冷えと硬さを軽く見てしまうことです。寝具が整うだけで、翌日の意思決定や家族への対応が変わります。
「寝袋+マット」を最初に整えるのは、安心の土台を作る行動です。


■まとめ|キャンプの快眠は、そのまま防災の快眠になる

キャンプで快眠できる人は、災害時にも“眠れる仕組み”を持っています。ポイントはシンプルで、寝袋とマットをセットで考えることです。

結論:
快眠の最短ルートは「厚みのあるマットで体を守り、寝袋は季節に合わせて選ぶ」こと。
私は元消防職員として災害現場を見てきましたが、眠れない状態が続くと、体調も判断も一気に崩れます。まずは一晩しっかり眠れる状態を作る。これが、家族を守る備えの第一歩です。

出典:ソトラバ「初めてのキャンプで初心者が躓きがち……! 寝袋&マットを使用したテント泊で快眠する方法とは」(2026年2月18日) https://www.sotolover.com/2026/02/194646/ oai_citation:0‡ソトラバ

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