【防災士が解説】悪天候で競技打ち切り――その瞬間の判断から学ぶ「迷わない防災」

防災

男子スーパー団体で、悪天候のため3回目途中で競技が打ち切られ、2回目までの成績で順位が確定しました。統括責任者は「テレビ中継時間の限界もあった。あの瞬間に決めなければならなかった」と説明しています。

このニュースはスポーツの話に見えて、実は防災にとても重要な示唆があります。
それは――状況が悪い中で、限られた時間で決断しなければならない現実です。


■① 何が起きていたのか

報道によると、現場は激しい降雪。

・ヘルメットに雪が積もるほどの降雪
・助走路に雪が溜まり速度が出にくい
・飛距離が極端に落ちる選手が出る
・スタート位置の判断も困難

その中で、3回目途中で打ち切り。
結果的に天候は回復しましたが、各国から抗議はなかったとされています。

ここで重要なのは「後から見れば回復した」という点です。
防災もまさに同じ構造です。


■② 防災に置き換えるとどうなるか

災害時、私たちはこう考えがちです。

・もう少し様子を見よう
・すぐには悪くならないだろう
・結果的に大丈夫なら動かなくていい

しかし、現場での判断は「今の状況」でしかできません。

地震、豪雨、土砂災害、火災――
後から「避難しなくてもよかった」と言われることはあります。
ですが、その瞬間は最悪を想定して決断するしかないのです。


■③ 「あの瞬間に決めなければならない」現実

統括責任者の言葉で印象的なのは、

「あの瞬間に決めなければならなかった」

これは防災そのものです。

・川の水位が急上昇
・煙が廊下に充満
・余震が続く

その時に「待つ」か「動く」か。
時間は止まってくれません。

判断が遅れる最大の理由は、
“まだ大丈夫かもしれない”という希望的観測です。


■④ 【被災地経験】現場で本当に怖いのは“判断の遅れ”

私は【元消防職員・防災士】として勤務し、被災地派遣やLO(連絡調整)業務にも従事してきました。

現場で何度も感じたのは、

「あと10分早ければ」
「もう少し早く避難していれば」

という現実です。

特に豪雨災害では、
水位が上がりきってからでは移動できません。

判断が難しいのは、
“悪い状況が確定していない”からです。

今回の競技も、
天候が回復する可能性はありました。
それでも、あの瞬間のリスクで決断した。

これが防災で最も重要な視点です。


■⑤ 防災で迷わないための「1つの基準」

迷わないためには、判断基準を事前に決めておくことです。

例えば:

・警戒レベル3で高齢者は避難
・警戒レベル4で全員避難
・火災報知器が鳴ったら即屋外へ
・震度5強以上で家具固定再確認

基準を決めておけば、
その瞬間に迷いません。

“状況を見てから考える”は、
実は最も危険です。


■⑥ テレビ中継時間という制約から学べること

今回の判断には「テレビ中継時間」という制約もありました。

災害時にも制約があります。

・停電で情報が途切れる
・通信障害で連絡が取れない
・夜間で視界が悪い
・体力が限界

完璧な環境で判断できることは、ほぼありません。

だからこそ、

完璧を待たない判断力

が命を守ります。


■⑦ 今日できる最小行動

防災は難しいことをする必要はありません。

今日できることはこれだけです。

1.避難基準を家族で1つ決める
2.緊急速報が鳴る設定か確認する
3.「迷ったら動く」と決めておく

たったこれだけで、
判断のスピードが変わります。


■まとめ

悪天候の中での競技打ち切りは、
後から見れば「続行できたかもしれない」と思える出来事でした。

しかし、
その瞬間の安全性を最優先した判断でした。

防災も同じです。

「結果的に何もなかった」は成功です。
「結果が出てから動く」は危険です。

判断は“今”しかできません。

迷わないために、
基準を先に決めておきましょう。


出典

共同通信「打ち切り、テレビ中継時間も影響 五輪ジャンプ責任者が説明」

コメント

タイトルとURLをコピーしました