新しく防災担当になった時、
「訓練の役割分担はどう決めればいいのか」
「避難誘導、通報、記録、備蓄確認…誰に何を任せるべきか」
「新人が一人で訓練を回せるのか不安」
と感じる人は少なくありません。
結論から言えば、新規採用の防災訓練で最も大切なのは、“役職で分けること”ではなく、“訓練中に必ず発生する行動を抜けなく並べ、その担当者と代行者を決めること”です。
内閣府の事業継続ガイドラインは、災害時の初動対応や二次災害の防止のために、各担当業務、部署や班ごとの責任者、要員配置、役割分担・責任、体制を定める必要があるとしています。
さらに、重要な役割を担う者が連絡不能や不在となる場合に備え、代行者と代行順位も定めるとしています。
また、内閣府の「企業の事業継続訓練」の考え方では、訓練開始時にチーム内でリーダー、書記、情報整理係などの役割分担を決めることが示されています。 (bousai.go.jp) (bousai.go.jp)
防災士として率直に言えば、新人が防災訓練で一番失敗しやすいのは、
役割名だけ決めて、実際に何をするかが曖昧なまま始めること
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、災害時に本当に困るのは人が足りないことより、
誰もやっていない仕事が一つ出ること
です。
だから新人の訓練設計では、立派な組織図より、まず抜けのない行動分解の方が現実的です。
■① 役割分担は「人」からではなく「行動」から決める
防災訓練の役割分担を考える時、最初に
「Aさんは総務だからこれ」
「管理職だから本部長」
と人ベースで決めることがあります。
もちろんそれも一部は必要です。
ただ、初心者が最初にやるべきなのは、
訓練で必ず発生する行動を洗い出すこと
です。
たとえば、
・通報する
・避難を呼びかける
・人数確認をする
・初期消火を行う
・本部へ報告する
・記録を取る
・けが人役を対応する
・訓練終了後に振り返る
などです。
防災士として言えば、役割分担で一番大切なのは
肩書き
より
訓練で必要な動き
です。
元消防職員としても、現場で機能するのは役職表ではなく、
誰が今その動きをするか
が見える体制です。
■② 最低限必要な役割は5つに分けると整理しやすい
新人が防災訓練の役割分担を考える時は、最初から細かく分けすぎない方がいいです。
まずは次の5つに分けると実務的です。
1. 指揮役
訓練全体を始める、止める、判断する役です。
対策本部長、責任者、リーダーに当たります。
2. 通報・連絡役
119番通報訓練、館内放送、関係者連絡などを担当します。
3. 避難誘導・安全確認役
避難経路の案内、取り残し確認、人数確認を担当します。
4. 初期対応役
初期消火、応急手当、設備確認などを担当します。
5. 記録・振り返り役
時系列記録、課題メモ、写真、改善点の整理を担当します。
内閣府の訓練資料でも、チーム内でリーダー、書記、情報整理係などの役割を最初に決めることが示されています。
つまり、最低でも
判断する人、動く人、記録する人
は分けた方がよいということです。
■③ 一番大事なのは「代行者」を決めること
ここはかなり重要です。
役割分担表を作っても、その担当者が不在なら止まります。
内閣府の事業継続ガイドラインは、重要な役割を担う者が死傷したり連絡不能になったりする場合に備え、代行者と代行順位を定める必要があるとしています。 (bousai.go.jp)
つまり、防災訓練の役割分担でも、
・本担当
・第1代行
・第2代行
まで決めておく方が強いです。
防災士として率直に言えば、訓練で本当に見たいのは
理想通りの布陣
ではなく、
一人欠けても回るか
です。
元消防職員としても、災害時は予定通りの人員がそろわない前提で考える方が現実的です。
■④ 新人が最初に外しやすいのは「記録役」
防災訓練の初心者がよく後回しにするのが、
記録役
です。
でも、訓練後に改善へつなげるには、
・何時に何が起きたか
・どこで詰まったか
・誰が迷ったか
・何が足りなかったか
を残す必要があります。
内閣府の「企業の事業継続訓練」の考え方でも、対応の記録手段や、チーム内の書記の役割が示されています。 (bousai.go.jp)
防災士として言えば、訓練は実施するだけでは半分です。
元消防職員としても、強い組織は訓練後に
何がうまくいかなかったか
を言語化しています。
だから新人の役割分担では、記録役を必ず独立させる方がいいです。
■⑤ 訓練の種類で役割分担は少し変わる
役割分担は訓練の種類によって変わります。
避難訓練中心
・避難誘導
・人数確認
・通報
・館内放送
が重要です。
BCP訓練中心
・本部判断
・情報整理
・代替業務判断
・関係先連絡
が重要です。
総合訓練
・初期消火
・応急救護
・避難誘導
・本部運営
・記録
まで広がります。
防災士として率直に言えば、新人が最初にやる訓練なら、
訓練の目的に合わせて役割を絞る
方が現実的です。
何でも盛り込むと、役割もぼやけやすいです。
■⑥ 役割表は「名前一覧」ではなく「行動一覧」で作ると強い
新人の防災訓練では、役割表を作る時に
部署名と名前だけ並べがちです。
でも実際に使いやすいのは、
役割ごとにやることを一行で書く表
です。
たとえば、
・指揮役:訓練開始判断、全体統括、終了判断
・通報役:119番通報訓練、関係先連絡
・避難誘導役:避難開始指示、残留確認
・記録役:時系列記録、課題整理
という形です。
防災士として言えば、役割分担は「人事表」ではなく、
行動の手順書
に近い方が使えます。
元消防職員としても、災害時は肩書きより、
何をやるか一目で分かる表
の方が役立ちます。
■⑦ 新人が最初の訓練で作るなら、ここまでで十分
新規採用の防災担当が最初の訓練で役割分担を作るなら、次の6点がそろえばかなり十分です。
・訓練責任者
・通報役
・避難誘導役
・安全確認役
・記録役
・各役割の代行者
さらに、
・集合場所
・報告先
・訓練開始時刻
・終了後の振り返り担当
まで書ければ実務的です。
防災士として率直に言えば、最初から完璧な組織図は不要です。
まずは
抜けなく回る最小単位
を作る方がいいです。
■⑧ まとめ
新規採用の防災訓練で最も大切なのは、“役職で分けること”ではなく、“訓練中に必ず発生する行動を抜けなく並べ、その担当者と代行者を決めること”です。
内閣府の事業継続ガイドラインは、災害時の初動対応や二次災害防止のために、担当業務ごとの責任者、要員配置、役割分担、代行者・代行順位を定める必要があるとしています。
また、内閣府の「企業の事業継続訓練」の考え方では、訓練開始時にチーム内でリーダー、書記、情報整理係などの役割分担を明確にすることが示されています。 (bousai.go.jp) (bousai.go.jp)
防災士として強く言えるのは、防災訓練の役割分担で一番大切なのは
きれいな表
ではなく、
誰もやらない仕事を作らないこと
だということです。
迷ったら、
・指揮
・通報
・避難誘導
・初期対応
・記録
この5つをまず分け、代行者まで決めるのが一番現実的です。

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