【防災士が解説】施政方針演説原案と消費税減税議論—確定前だからこそ家計と地域の耐災害力を整える

報道によれば、首相の施政方針演説の原案では、成長戦略について来月に工程表(ロードマップ)を示す方向性が盛り込まれ、消費税減税については夏前に中間取りまとめを行い、関連法案の提出を急ぐ考えが示されています。
ただし、いずれも「原案」段階の内容であり、具体的な日程や制度設計が確定したものではありません。この“未確定”という前提を踏まえつつ、防災目線でどう行動すべきかを整理します。


■①(ニュースの位置づけ:確定情報ではないという前提)

今回報じられている内容は、施政方針演説の「原案」です。
したがって、
・具体的な減税幅
・実施時期の確定
・対象範囲
などは今後の調整や国会審議によって変わる可能性があります。

防災では「確定を待つ間に備えが止まる」ことが最大のリスクです。政策は動きますが、災害は待ってくれません。


■②(消費税減税議論と家計防災の関係)

仮に家計負担が軽減される方向に進めば、備蓄や防災投資に回せる余力が増える可能性はあります。しかし、制度設計が確定するまでは見込みで動くべきではありません。

防災の基本は、
・制度に依存しない
・今ある資源で整える
・最小行動を積み上げる
ことです。

減税を期待して備えを先延ばしにするより、今日1品の追加備蓄を優先する方が現実的です。


■③(成長戦略の工程表と地域の回復力)

工程表提示の方向性は、官民投資の見通しを示す意味を持ちます。インフラ更新や供給力強化が進めば、災害後の復旧スピードにも影響します。

ただし、これも「方向性」の段階です。
被災地支援の現場では、設備の有無よりも「運用できる体制」が初動を左右していました。LO派遣で自治体に入った際、物資よりも“判断の流れ”が整っている自治体ほど立ち上がりが速かったのを強く覚えています。


■④(家庭が今すぐできる最小行動)

政策の行方に関係なく、今日できることは明確です。

・水と主食を1日分追加
・現金を家族1日分だけ確保
・連絡方法を紙に書いて冷蔵庫へ
・モバイル電源の動作確認
・常備薬の残量チェック

大きな制度変更より、小さな積み重ねの方が確実に命を守ります。


■⑤(よくある誤解:国が動けば安全になる)

誤解されやすいのは、「国の方針が決まれば安心」という考え方です。
災害対応は、国・自治体・地域・家庭が同時に動いて初めて機能します。

被災地では「支援が来るはず」と待ってしまった家庭ほど初動で疲弊していました。
防災士として強く伝えたいのは、“待たない備え”です。


■⑥(耐災害力という考え方)

耐災害力とは、
・生活が壊れにくい
・心が折れにくい
・判断を奪われにくい
・資産が急減しにくい
総合力のことです。

消費税議論も成長戦略も、この土台をどう強くするかという視点で見ると、賛否ではなく「活かし方」に意識が向きます。


■⑦(ニュースを生活設計に翻訳する)

政治ニュースを見る際は、賛成・反対よりも次の問いを持つことが重要です。

・家計の固定費は減らせるか
・備蓄を固定費化できるか
・地域のインフラ更新は進むか
・家庭の初動体制は整っているか

ニュースを“生活設計図”に翻訳できる人ほど、災害に強いです。


■⑧(結局、今やるべきことは変わらない)

原案段階の情報は、方向性として参考にしつつも、確定情報ではありません。
しかし、防災の行動は常に同じです。

・備蓄は切らさない
・電源は確保する
・情報源は複線化する
・家族の行動ルールを共有する

政策の行方に左右されず、自分の足元を整える。それが最も安全です。


■まとめ|確定前だからこそ“待たない備え”

施政方針演説原案で示された方向性は、今後の議論で変化する可能性があります。減税の具体的内容や時期も、現段階では確定していません。

結論:
政策の確定を待たず、家庭と地域の耐災害力を今日の最小行動で高めることが最優先です。

被災地での支援活動では、制度が整う前の「最初の数日」をどう耐えたかが、その後の生活再建に大きく影響していました。防災士としては、政治の動きを注視しつつも、家族の安全は“自分の設計”で守る姿勢を強くおすすめします。

出典:読売新聞オンライン(Yahoo!ニュース配信)

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