春は暖かくなり、子どもも大人も川に近づきやすい季節です。一方で、被災地や事故対応の現場では「春の川は一番読めない」と繰り返し感じてきました。雪解け水や水温差が重なるこの時期の水難事故防止ポイントを整理します。
■① 春の川は「見た目」と「実際」が違う
春の河川は、水面が穏やかに見えても流速が速いことがあります。現場では「浅そうだった」「静かだった」という判断が、そのまま事故につながったケースを多く見ました。雪解け水は透明度が高く、危険が見えにくいのが特徴です。
■② 水温が低いことを甘く見ない
春の川は気温が高くても水温が非常に低いままです。被災地での水難救助では、数十秒で体が動かなくなった事例もありました。足を取られた瞬間に筋肉が硬直し、立て直せなくなります。
■③ 「足だけ入る」が最も事故につながる
実際の事故で多いのは、水遊びではなく「足を浸しただけ」のケースです。石が滑りやすく、バランスを崩して転倒し、そのまま流される流れが典型です。春の河原は苔がつき始め、特に危険です。
■④ 子どもの行動は大人の想定を超える
現場経験から言えるのは、子どもは「急に走る・急に入る」ということです。浅瀬から深みへ一歩で変わる場所も多く、必ず大人が手の届く距離で見守る必要があります。
■⑤ ライフジャケットは「本気の備え」
被災地では、ライフジャケット着用の有無が生死を分けた例を何度も見ました。春の川遊びでは「泳がないから不要」ではなく、「足を滑らせた時の保険」として着用が有効です。
■⑥ 危険サインを知っておく
・水の色が急に変わる
・流木や泡が増える
・上流で雨や気温上昇が続いている
これらは増水や流速変化のサインです。実際の事故現場でも、直前にこうした兆候がありました。
■⑦ 川に近づく前の家庭ルール作り
被災地で生き残った家庭ほど、事前にルールを決めていました。
・大人の許可なしに川へ行かない
・一人では近づかない
・遊ぶ場所を決める
シンプルですが、命を守るルールです。
■⑧ 春の川は「遊び場」ではなく「危険区域」
春の河川は、夏と同じ感覚で入る場所ではありません。被災地経験から言えるのは、「今日は大丈夫」が通用しないのが春の川だということ。距離を保ち、無理をしない判断が最大の事故防止策になります。

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