私たちが暮らす東京は、高層ビルと道路が広がる巨大都市です。しかし実は、東京の多くのエリアは、はるか昔「水の中」や「湿地帯」でした。この事実は、防災を考えるうえで極めて重要なヒントを与えてくれます。過去の地形を知ることは、未来の災害リスクを知ることでもあるのです。
■① 東京低地はかつて海や湿地だった
現在の江東区、墨田区、江戸川区、中央区の一部などは、縄文時代には海や干潟でした。縄文海進と呼ばれる時代、海面は今より高く、東京湾は現在より内陸まで入り込んでいました。つまり、今の都心部は「埋め立てられてできた土地」が多いのです。
■② 川とともに形作られた江戸・東京
東京は利根川、荒川、隅田川、多摩川など、多くの河川によって形成されました。江戸時代には洪水対策として川の流れを変える大規模な治水工事が行われています。これは裏を返せば、もともと洪水が頻発する土地だったという証拠でもあります。
■③ 埋立地・低地が抱える水害リスク
水の中だった土地は、標高が低く、地盤が弱い傾向があります。そのため、大雨や台風の際には内水氾濫や高潮のリスクが高くなります。実際、東京東部の多くの地域では「海抜ゼロメートル地帯」が今も存在しています。
■④ 地震と液状化の関係
埋立地や湿地だった場所は、地震時に液状化が起こりやすい特徴があります。過去の地形を調べると、液状化被害が集中するエリアと、かつて水辺だった場所が重なるケースが多く見られます。これは偶然ではありません。
■⑤ ハザードマップは「過去の地形」を写している
洪水・高潮・液状化のハザードマップは、現在の地形だけでなく、過去の地形や土地利用の歴史をもとに作られています。「昔ここは何だったのか」を知ることは、ハザードマップを正しく理解する近道です。
■⑥ 東京に住む人が知っておくべき備え
東京は安全な都市に見えても、水害リスクは決して低くありません。避難場所の確認、垂直避難の想定、非常用持ち出し袋の準備など、水害を前提とした備えが不可欠です。特に低地に住む場合は、早めの避難判断が命を守ります。
■⑦ 「昔の地形」を知る簡単な方法
国土地理院の地形図や、自治体が公開している「土地条件図」「治水地形分類図」を見ることで、過去の地形を簡単に確認できます。自宅や職場の場所を一度チェックしてみるだけでも、防災意識は大きく変わります。
■⑧ 歴史を知ることは最大の防災対策
災害は突然起こるように見えて、実は土地の歴史に強く影響されています。東京がかつて水の中にあったという事実は、これから起こりうる災害を予測するための重要な手がかりです。過去を知ることは、未来を守ることにつながります。
■まとめ|東京の歴史を知ることが命を守る
東京は、自然と人間の知恵によって形作られてきた都市です。しかし、その土台には「水とともにあった歴史」があります。自分の住む場所の成り立ちを知り、正しく恐れ、正しく備えること。それこそが、都市防災の第一歩です。

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