【防災士が解説】気候変動で災害は“激しく・長く”なる|地球温暖化時代の家族防災を作り直す

はじめに

ここ数年、「想定外」の言葉が増えました。
豪雨、猛暑、台風、竜巻、山火事。どれも“単発”ではなく、同時多発と長期化が目立ちます。

現場で感じるのは、災害対応が「一晩しのぐ」から「数日〜数週間に耐える」へ変わっていることです。
支援現場でも、暑さ・寒さ・停電・衛生・睡眠の問題が、じわじわ住民の体力と心を削っていきます。

この記事では、気候変動(地球温暖化)で災害の性質が変わる前提で、家族防災を作り直します。


■① 結論|気候変動で増えるのは「極端さ」|備えは“1回分”から“繰り返し”へ

結論はこれです。

  • 災害は「短期の一発」より“極端な出来事の連続”になりやすい
  • だから備えは「特別な道具」より“日常を回す仕組み”が強い
  • 家族防災は「避難」だけでなく「在宅避難・停電・猛暑」を軸に組み直す

気候変動時代の防災は、“買い足す”より“回す”が勝ちます。


■② 何が変わる?|災害の「質」が変わる3つの方向性

1) 雨が極端になる(短時間に一気)

ゲリラ豪雨や線状降水帯のように、短時間で一気に危険水位に近づきます。

2) 暑さが長くなる(体力を削る)

停電や避難所での暑さは、熱中症・睡眠不足・持病悪化につながります。

3) 災害が重なる(同時多発)

豪雨+停電、台風+土砂、猛暑+避難所。
単独対策だけだと穴ができます。


■③ 気候変動で一番怖いのは「避難のタイミングが短くなる」こと

豪雨や洪水は、判断が1〜2時間遅れただけで動けなくなります。
現場では「避難指示を待っていた」「夜だから朝にした」が致命傷になる例が多いです。

気候変動時代は、家庭のルールをこう変えます。

  • “発表待ち”ではなく“条件で動く”
  • 夜をまたぐ前に決める
  • 迷ったら上へ(垂直避難)を準備しておく

■④ 家族防災の再設計①|暑さ(熱中症)を最優先に入れる

避難所に空調がない、在宅停電で冷房が止まる。
この状況が続くと、命を削るのは「暑さ」です。

家族の現実解はこれです。

  • 水分は“飲む”だけでなく“冷やす”にも使う前提で多めに
  • 首・脇・鼠径部を冷やす物(冷却タオル等)を常備
  • 風を作る(扇風機・携帯扇風機・うちわ)
  • 遮熱(カーテン・日よけ・窓の遮熱)
  • 夜の睡眠を守る(暑さは睡眠を壊す)

支援現場でも、暑さ対策がある家庭ほど回復が早い傾向があります。


■⑤ 家族防災の再設計②|停電を“セット災害”として扱う

気候変動時代は、停電が災害に付いてきます。
備える順番はこれです。

1) 照明(暗闇の不安を止める)
2) 充電(情報と連絡を守る)
3) 冷却/保温(暑さ寒さで体力を削らない)
4) 食(温め不要の食を確保)
5) トイレ(衛生と尊厳を守る)

停電は「不便」ではなく「健康被害の起点」です。


■⑥ 家族防災の再設計③|備蓄は“1回分”ではなく「循環型」にする

極端な災害が繰り返される前提では、備蓄はローリングストックが最強です。

  • いつも食べる物を少し多めに
  • 使ったら戻す(買い足す)
  • “賞味期限切れ”をなくす

現場でも、ローリングストックができている家庭は、生活再建が早いです。


■⑦ 家族防災の再設計④|避難所だけに頼らない(在宅避難の条件を決める)

避難所は満員になることがあります。
また、暑さ・騒音・プライバシーで疲弊することもあります。

だから、家族で「在宅避難できる条件」を決めます。

  • 建物が安全(耐震性・浸水しない)
  • 水・食・トイレが一定期間回る
  • 情報が取れる(ラジオやスマホ)
  • 熱中症リスクを下げられる

条件が揃うなら「自宅で体力温存」が正解になる場面もあります。


■⑧ やらなくていい防災|気候変動時代に弱い行動パターン

  • 災害を単発として考える(次も来る前提にしない)
  • 発表だけ待って動く(間に合わないことがある)
  • 暑さを甘く見る(睡眠と持病が壊れる)
  • 備蓄を買い切りで終える(期限切れで詰む)

気候変動は「備えの継続力」を試してきます。


■⑨ 今日の最小行動|家族防災を“気候変動仕様”にアップデートする

今日やることは3つだけでOKです。

1) 家の災害リスク(浸水・土砂)をハザードマップで確認
2) 停電対策を「照明・充電」から整える
3) 暑さ対策を1つ足す(冷却タオル or 日よけ)

この3つで、家族防災の強度が一段上がります。


まとめ

気候変動(地球温暖化)で増えるのは、災害の“極端さ”と“長期化”です。
だから家族防災は、避難だけでなく「暑さ・停電・在宅避難」を軸に作り直す必要があります。

  • 災害は激しく、長く、重なりやすい
  • 避難のタイミングが短くなる
  • 暑さ対策が命を守る
  • 停電をセット災害として備える
  • 備蓄は循環(ローリングストック)が強い

– 在宅避難の条件を家族で決める

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