津波避難はスピードが命です。
その分、家族が別々に避難することも起きます。
避難後に襲ってくるのが、
・家族は無事か
・どこにいるのか
・連絡がつかない
・この状況はいつ終わるのか
という強い不安です。
不安が強いと、眠りに入れません。
眠れないと判断が鈍り、体力が落ち、さらに不安が増えます。
ここでは「家族と離れた状態でも、睡眠とメンタルを守る」ための現実的な対策をまとめます。
■① なぜ“家族分離”が不眠につながるのか
人は不安があると、脳が警戒モードになります。
・情報がない
・結果が読めない
・自分ではどうにもできない
この3つが揃うと、脳は眠りを許可しません。
津波避難は、まさにこの条件が揃いやすい災害です。
■② 被災地で見た「情報不足が心を削る」現実
被災地派遣の現場で強く感じたのは、
不安の正体は“危険”より“情報不足”であることです。
連絡が取れないだけで、
人は最悪の想像を繰り返します。
一方、
「連絡ルールが決まっている家庭」は、落ち着きが違いました。
災害時のメンタルは、事前の仕組みで守れます。
■③ まず作るべき「家族の合流ルール」
津波は“避難が最優先”なので、
その後の合流ルールが鍵になります。
▪ ルールの基本形
・第1合流地点(近くの高台)
・第2合流地点(指定避難所)
・最終連絡手段(災害用伝言ダイヤル/171 など)
この3つだけでも、安心感が変わります。
「どこに行けば会えるか」が決まると、
脳の警戒が落ちます。
■④ 連絡がつかない夜の“やることリスト”
眠れない夜は、頭の中で同じ不安を回します。
そこで“行動に変える”ことで不安を減らします。
▪ 5分でできること
・避難所掲示板の確認
・スタッフに家族の避難先情報がないか確認
・SNSや自治体情報の確認(短時間で切る)
・伝言サービスを使う(使える範囲で)
ポイントは「短時間で区切る」です。
情報探しをやり続けると、逆に眠れなくなります。
■⑤ 不眠対策:不安を“封じる”手順
▪ 手順①:情報収集は「終了時刻」を決める
例:21:00で情報確認は終了
以降は体力回復モードに切り替える
▪ 手順②:紙に書いて頭から出す
・不安なこと
・明日やること
・今できること
書くと脳が「保管された」と判断しやすく、回転が止まりやすいです。
▪ 手順③:呼吸で警戒モードを落とす
鼻から4秒吸う→口から8秒吐く
2〜3分。
吐く時間を長くすると、副交感神経が働きます。
■⑥ “罪悪感”を捨てる(眠るのは責任)
家族と離れていると、
「自分だけ寝ていいのか」
という罪悪感が出ます。
しかし、結論は逆です。
眠れずに体調を崩すと、
翌日の行動ができなくなります。
睡眠は、家族を守るための“責任”です。
■⑦ 家族を守るための“最小準備”(平時にできる)
津波は一度起きると、準備は間に合いません。
だからこそ平時に最小セットを作ります。
・合流地点(第1・第2)
・連絡手段(171/家族用メモ)
・家族の写真(行方確認で役立つことがある)
・身分証コピー
これだけで「不安の底」が浅くなります。
■まとめ:不安で眠れない夜は「仕組みで心を守る」
1)合流ルールを決める(第1・第2)
2)情報収集は短時間で区切る
3)不安は紙に出して頭を空ける
4)呼吸で警戒モードを下げる
5)眠るのは責任(体力温存が家族を守る)
津波避難の夜は、不安で当然です。
だからこそ「心の避難」を意識し、眠りを確保しましょう。

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