大雨や台風が近づく時、
「家でできる対策は何から始めればいいのか」
「土のうや止水板は本当に効果があるのか」
「家電を上げるべきか、ブレーカーは落とすべきか」
と迷う人は少なくありません。
結論から言えば、浸水前に家でやるべき応急対策で最も大切なのは、“完璧に守ろうとすること”ではなく、“短時間で被害を減らせることを優先すること”です。
風水害では、避難の遅れが一番危険です。だから家の対策は、避難の邪魔にならない範囲で、
①水を入れにくくする、②濡れると困る物を上げる、③感電や通電リスクを減らす
の3つを優先して進める方が現実的です。
元消防職員として率直に言えば、水害前に一番危ないのは、
「もう少し片付けてから逃げよう」と家の対策を続けすぎること
です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じたのは、災害前の応急対策は被害軽減の手段であって、避難を遅らせる理由にしてはいけないということです。だから、家を守る対策は「短時間でできること」に絞る方が安全です。
■① 最初にやるべきは「避難の要否」と「使える時間」の確認
浸水前の家の対策を始める前に、まず確認したいのは
本当に家にいて作業してよい状況か
です。
河川水位、洪水キキクル、自治体の避難情報を見て、
・すでに危険が高まっていないか
・暗くなる前に避難できるか
・高齢者や子どもの避難準備が必要か
を先に見た方がいいです。
防災士として言えば、家の対策より先に
逃げる時間が残っているか
を見た方が現実的です。
元消防職員としても、浸水前の応急対策は「安全が確保できる短時間」でやるのが基本です。
■② 水の侵入を減らすなら「土のう」「止水板」を優先する
家の外まわりで短時間に効果を出しやすいのが、
土のう
や
止水板
です。
国土交通省関係の防災教材でも、風水害への安全対策として
土のう、止水板、ブルーシート
が紹介されています。
つまり、
・玄関
・勝手口
・低い掃き出し窓
・地下や半地下への入口
など、水が入りやすい場所を優先して対策するのが現実的です。
防災士として率直に言えば、土のうや止水板は
家を完全に守る道具
ではなく、
水の勢いを弱め、入り始めを遅らせる道具
です。
元消防職員としても、短時間でやるなら「全部の出入口」より「一番低い所」からやる方が効果的です。
■③ 家の中では「家電・貴重品・薬」を高い場所へ上げる
水が入る前に家の中で優先したいのは、
濡れると生活再開が大きく遅れる物
です。
たとえば、
・家電
・スマホや充電器
・通帳や保険証券
・常備薬
・写真や重要書類
を、できるだけ高い場所へ移します。
防災士として言えば、浸水前の家の中の対策で大切なのは、
重い家具を動かすこと
ではなく、
失うと後で困る物を上げること
です。
元消防職員としても、被災後に困るのは「床が濡れたこと」以上に、
薬・書類・連絡手段・家電が一気に使えなくなること
です。
■④ 冷蔵庫や洗濯機など大型家電は「無理に動かさない」方がいいこともある
ここはかなり重要です。
大型家電は重く、無理に動かすと
・腰を痛める
・転倒する
・避難開始が遅れる
といった別の危険が出ます。
だから、
・すぐ持ち上げられる小型家電は上げる
・重い家電は無理をしない
・コンセント位置や配線を確認する
という考え方の方が現実的です。
防災士として率直に言えば、浸水前の対策で危ないのは、
全部守ろうとして自分が動けなくなること
です。
元消防職員としても、応急対策は「やれる範囲」で止める判断がかなり大切です。
■⑤ ブレーカー操作は「避難前に安全な範囲で」が基本
水害前後で気になるのが、
ブレーカーを落とすべきか
という点です。
浸水すると、漏電や感電、通電に関するリスクが問題になります。経済産業省関係資料でも、水害後には漏電調査や電気設備の安全確認が重要になることが示されています。
そのため、
避難の直前に、安全な範囲で主ブレーカーを落とす
という考え方はかなり実務的です。
ただし、
・すでに床が濡れている
・分電盤まわりが危険
・無理に近づく必要がある
なら、操作を優先しない方が安全です。
防災士として率直に言えば、ブレーカーは
必ず落とすべき儀式
ではなく、
安全にできるならやる対策
です。
元消防職員としても、感電リスクがある場面で無理に操作する方が危険です。
■⑥ 屋外の飛散物・流出しやすい物も片付ける
風雨が強い時は、
家の中の浸水
だけでなく、
屋外の物が流れる・飛ぶ
ことも被害につながります。
たとえば、
・植木鉢
・ごみ箱
・物干し台まわり
・自転車
・延長コード
などを片付けるだけでも違います。
防災士として言えば、屋外対策は
家を守る
だけでなく、
近所へ迷惑をかけにくくする
意味もあります。
元消防職員としても、風水害時は「自宅から流れた物」が二次被害につながることがあります。
■⑦ できれば写真を撮っておくと後で役立つ
浸水前に余裕があれば、
部屋や家財の写真
を撮っておくと、後で役立つことがあります。
たとえば、
・家財の配置
・家電の状態
・床や壁の状況
・車の状態
を撮っておくと、被害確認や保険相談の時に整理しやすくなります。
防災士として率直に言えば、被災後は
何がどの状態だったか
を落ち着いて思い出すのが難しくなります。
元消防職員としても、写真は後の説明や整理にかなり役立ちます。
■⑧ まとめ
浸水前に家でやるべき応急対策で最も大切なのは、“完璧に守ろうとすること”ではなく、“短時間で被害を減らせることを優先すること”です。
風水害への家庭の備えとして、国土交通省関係の教材では
土のう、止水板、ブルーシート
などの活用が紹介されています。水害時の避難では荷物は必要最低限とされており、家の対策も避難を遅らせない範囲で行うことが重要です。浸水時は電気設備に関する安全確認も重要になるため、ブレーカー操作も「安全な範囲で」が基本です。
元消防職員として強く言えるのは、浸水前の家の対策で一番大切なのは
全部守ること
ではなく、
逃げる前に被害を少しでも軽くすること
だということです。
迷ったら、
・土のう、止水板で入口対策
・家電、薬、書類を高い場所へ
・安全なら避難前にブレーカー確認
この順番で進めるのが一番現実的です。

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