【防災士が解説】災害で全壊した住宅の再建支援の現状

自然災害で住宅が全壊した場合、政府は被災者生活再建支援法に基づき最大300万円を支給する制度があります。しかし、全壊に対する上乗せ支援を独自に設けている都道府県は少なく、再建支援の格差が課題となっています。


■①政府の住宅再建支援制度

被災住宅の損害割合に応じ、政府は以下の支援を行います:

  • 全壊(損害50%以上):最大300万円
  • 大規模半壊(40%台):最大250万円
  • 中規模半壊(30%台):最大100万円

この制度は、阪神大震災を契機に制定され、全国の被災者の住宅再建を支える基本的な枠組みとなっています。


■②独自支援制度の現状

独自の上乗せ支援制度を設けているのは新潟県(全壊で最大100万円)と京都府(全壊で最大150万円)のみです。その他の都道府県では、全壊住宅に対して数万円~60万円の見舞金を出す程度にとどまっています。


■③独自制度導入の課題

自治体が独自支援制度を設けるには財政的な負担が大きく、全国的に制度が広がっていません。再建費用が高騰する中、物価上昇分を反映した支援の必要性も指摘されています。


■④過去の災害事例

  • 東日本大震災(2011年):住宅再建の平均費用は約2,500万円
  • 新潟・福島豪雨(2004年):新潟県が独自に全壊で最大100万円を支給
  • 京都府台風災害(2014年):全壊で最大150万円支給

これらの事例は、災害ごとに地域独自の対応策が異なることを示しています。


■⑤共済制度の活用

一部の自治体では、住宅再建の上乗せ支援として共済制度を設けています。加入者は政府支援に加えて追加の支援を受けられ、再建費用の補填に役立っています。


■まとめ|住宅再建支援の現実

住宅再建支援は全国的に不均衡であり、被災者自身の生活再建計画と自治体制度の理解が不可欠です。
防災士としての現場経験からも、災害後の住宅再建には予想以上の時間と費用がかかるため、制度内容を把握し、必要に応じて共済加入や自治体独自支援を活用することが重要です。

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