【防災士が解説】災害に強い携帯キャリアの選び方|「1社で完璧」は無理。家庭は“通信の二重化”で守る

災害時にスマホがつながらないと、不安が一気に跳ね上がります。
でも大丈夫。まずは今日5分でできる「通信の守り方」から始めましょう。


■① 結論|“最強キャリア”探しより「二重化」が最強

災害時に強いのは、特定の会社というより「つながらなくても代替できる家庭」です。

地震・豪雨・台風・山火事などでは、基地局の停電や断線、回線混雑が同時に起きます。
これはドコモ/au/ソフトバンク、どこでも起こり得ます。

だから最優先はこれです。

  • ① 1社依存をやめる(家族で分散・予備回線を用意)
  • ② Wi-FiやSMSなど“別ルート”を確保する
  • ③ 連絡手段を「通話」だけにしない

■② つながらない理由|災害時の通信は“基地局より混雑”で詰まる

「基地局が壊れたから」だけが原因ではありません。
実際は、同じエリアの人が一斉にスマホを触ることで回線が詰まるケースが多いです。

よくある状況はこの3つです。

  • 停電で基地局の電源が落ちる(または非常電源に切り替わり能力が落ちる)
  • 光回線などのバックホールが断線し、基地局は生きていても“出口”が詰まる
  • 人が同時に通信して混雑し、通話もデータも通りにくくなる

「アンテナは立ってるのに送れない」は、災害時あるあるです。


■③ キャリア選びの基準|比較表より「家庭の使い方」に合うか

キャリア比較はネットに山ほどありますが、家庭防災では“基準”が違います。
見るべきはこの5点です。

  • ① 自宅・職場・学校周辺で普段から電波が安定しているか(平時の弱さは災害で増幅)
  • ② 家族で同じ会社に寄せすぎていないか(同時不通リスクが上がる)
  • ③ 端末がデュアルSIM(eSIM)に対応しているか(予備回線の入れやすさ)
  • ④ 災害時の情報取得ルートを複数持てるか(ラジオ・Wi-Fi・SMS)
  • ⑤ 「連絡の型」を家族で決めているか(集合場所/安否確認の方法)

通信は“スペック勝負”ではなく、“家庭の設計”で強くなります。


■④ 家庭でできる最強対策①|回線の分散(家族で別キャリア・予備SIM)

最も現実的で効きます。

  • 夫婦でキャリアを分ける(例:片方がA社、片方がB社)
  • 子どもは見守り端末やキッズ携帯でもOK(連絡が取れるルートを増やす)
  • デュアルSIM対応スマホなら「予備のeSIM」を入れておく(普段は使わず保険にする)

災害時は「1人でもつながる」が家族を救います。
全員が同じ会社だと、同時に沈黙するリスクが上がります。


■⑤ 家庭でできる最強対策②|“通話以外”の連絡を決める(SMS・メモ・一言ルール)

回線が混むと、通話が一番つながりにくくなります。
だから「通話できない前提」で決めておくのが現実的です。

おすすめはこのセットです。

  • 連絡は原則「短文」(SMSやメッセージ)
  • 内容は型で固定:「今どこ/ケガなし/次に向かう場所」
  • 送れないときは同じ文面をコピペで再送(長文を作らない)
  • 集合場所は2段階(第一・第二)で決める

身近な例で言うと、

  • 第一集合:自宅前の公園
  • 第二集合:小学校の正門前
    みたいに「地図を開かなくても分かる場所」にするのがコツです。

■⑥ 家庭でできる最強対策③|停電でも情報を取る(Wi-Fi・ラジオ・省電力)

災害時に本当に困るのは「正しい情報が取れない不安」です。
だから通信と同時に“電源と情報”をセットで守ります。

今日からできる優先順位はこれです。

  • スマホは常に充電60%以上を目標(満タンより“切らさない運用”)
  • モバイルバッテリーは小型でもOK(まず1つ)
  • 画面の明るさを落とし、省電力モードを即ON
  • 位置情報・動画視聴は控える(災害時はバッテリーが命)
  • Wi-Fiが生きているなら、無料開放のSSIDに接続して連絡ルートを増やす

「通信が弱い地域ほど、電源が尽きた瞬間に詰みます」。
だから、電源の確保=家庭防災の土台です。


■⑦ 現場でよくある失敗|“つながる前提”で家族がバラバラになる

これは被災地で本当に多いです。
「連絡が取れるはず」で動いてしまい、結果として合流が遅れます。

私も災害対応の現場では、安否確認が遅れて家族が不安で動けなくなるケースを何度も見ました。
特に多かったのは、

  • 迎えに行く・探しに行く(=二次災害のリスクを上げる)
  • 電話が通じないことに焦って、同じ場所を行ったり来たりする
  • “どこに行くか”が決まっていない

行政としても本音を言うと、「通信は止まる前提で動いてほしい」。
だからこそ、自律型避難として

  • 「どこに逃げるか」
  • 「連絡が取れない時の集合」
    を家庭で先に決めておくことが、命を守る行動になります。

■⑧ 今日5分でできるチェック|家族の“通信防災”を完成させる

チェックはこれだけでOKです。

  • 家族で第一集合場所・第二集合場所を決めた
  • 連絡文の型(短文)を決めた
  • 夫婦でキャリアを分散できている(または予備SIMを検討)
  • モバイルバッテリーを1つ確保した
  • 災害時に使えるWi-Fiの存在を家族が知っている

全部いきなり完璧にしなくて大丈夫です。


■まとめ|キャリア選びより“通信の逃げ道”が家族を守る

災害時に強い家庭は、「1社で勝つ」のではなく「止まっても回る」設計ができています。

結論:
最強キャリア探しではなく、回線分散+短文ルール+電源確保の3点で、通信不安は大きく減らせます。
被災地の現場でも、これができている家族ほど落ち着いて動けていました。

まずは「とりあえず1つからでOK」です。

  • 今日は家族で集合場所を1つ決める
  • 次に短文ルールを決める
  • 余裕が出たら回線の分散を考える

出典:一般社団法人 無線LANビジネス推進連絡会「00000JAPAN ガイドライン」https://www.wlan-business.org/customer/introduction/feature/00000japan_v41

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