災害は、
「昼か夜か」
「自宅か外出先か」
「平日か休日か」
を選んで起きてくれるわけではありません。
防災の現場で何度も感じたのは、
想定していなかった状況ほど、人は動けなくなるという現実です。
だからこそ、防災は「希望的観測」ではなく、「最悪想定」から考える必要があります。
■① 災害は“都合のいいタイミング”では起きない
多くの人は無意識に、
・昼間
・自宅
・家族がそろっている
という条件を想定しがちです。
しかし実際は、
・深夜
・厳冬期
・豪雨の最中
・通勤・通学中
こうした最も不利な条件で起きることの方が多いのが現実です。
■② 「いつか備える」は、備えていないのと同じ
防災でよく聞く言葉が、
「そのうちやろう」
「落ち着いたら考える」
しかし災害は、
こちらの準備完了を待ってくれません。
防災は完璧を目指すものではなく、
今できる最低限を積み重ねるものです。
■③ 最悪を想定する=ネガティブではない
「最悪を想定する」と聞くと、
不安をあおる、ネガティブという印象を持たれがちです。
しかし防災における最悪想定は、
・判断を早くする
・迷いを減らす
・命を守る行動を選べる
という、前向きな準備行動です。
■④ 防災士から見た“実際に多かった失敗”
現場で多かったのは、
「想定外でした」という言葉です。
・こんな寒いとは思わなかった
・こんなに長引くとは思わなかった
・家に戻れないとは思わなかった
最悪を想定していなかっただけで、
状況は想定内だったケースがほとんどでした。
■⑤ 行政が言いにくい本音
行政としては、
すべての状況をカバーする備えを住民に提供することは現実的に困難です。
だからこそ、
「自助」が前提になります。
これは責任放棄ではなく、
住民一人ひとりの判断が命を左右するという事実です。
■⑥ 自律型避難は“最悪想定”から始まる
自律型避難とは、
「指示を待たずに、自分で判断できる状態」をつくることです。
その土台になるのが、
・最悪の時間帯
・最悪の天候
・最悪の体調
を想定した備えです。
■⑦ 最悪を想定すると、備えはシンプルになる
不思議なことに、
最悪を想定すると、防災は複雑になりません。
・本当に必要なものが見える
・不要な備えが削れる
・行動が明確になる
防災は足し算ではなく、
引き算のあとに掛け算です。
■⑧ 今日からできる最小の備え
今日すべきことは、
大きな準備ではありません。
・「夜だったら?」
・「冬だったら?」
・「家にいなかったら?」
この3つを一度考えてみるだけで、
備えの質は一段階上がります。
■まとめ|備えている人ほど、落ち着いて行動できる
災害は、
時も場所も選びません。
結論:
常に備え、最悪を想定している人ほど、いざという時に冷静でいられる
防災士としての現場経験から断言できるのは、
「考えていた人」は助かりやすく、
「考えていなかった人」は迷いやすいという事実です。
完璧な備えは不要です。
最悪を一度想定し、
今日できる一歩を踏み出すこと。
それが、命を守る本当の防災です。

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