災害ボランティアのあと、帰宅してから「思ったより疲れが抜けない」「何となく落ち着かない」「活動中の場面が頭に残る」と感じることがあります。こういう時に役立ちやすいのが、活動仲間と短い時間でも「振り返りの会」を持つことです。日本赤十字社の災害ボランティア向け冊子では、仲間とよく話し合い、一人で抱えこまないことが大切とされています。
https://www.jrc.or.jp/volunteer-and-youth/volunteer/pdf/20221114-1696e14484023a1dabbe760d96763b37245f95ac.pdf
また、日本赤十字社は、災害支援に入る人も大きなストレスを受けることがあり、支援者のこころのケアが重要だと示しています。つまり、振り返りの会は「反省会」ではなく、支援者自身が抱えた緊張や感情を少し外に出し、孤立を防ぐための時間として考える方が現実的です。
https://www.jrc.or.jp/about/publication/pdf/sekijujishinbun_931.pdf
つまり、災害ボランティア後の振り返りの会で大切なのは、「完璧に整理された感想を話すこと」ではなく、仲間同士で今の状態を確認し合い、一人で抱えこまない形を作ることです。この記事では、その判断基準を現実的に整理して解説します。
■① まず結論として、振り返りの会で最優先にすべきことは何か
結論から言うと、最優先にすべきことは、評価より先に共有を優先することです。
災害ボランティアのあとに集まると、「何が悪かったか」「もっとできたのではないか」と反省に寄りやすいです。ですが、活動直後は、体も心もまだ緊張の中にあります。だから、最初から結論を出そうとするより、今どう感じているかを安全に言える場にした方が、結果としてストレスを軽減しやすくなります。
元消防職員として感じるのは、被災地支援のあとに崩れやすい人は「弱い人」ではなく、「気持ちを整理する前に一人で抱え込む人」だという点です。私なら、振り返りの会では
まず今の状態を共有する
次に困ったことを出す
最後に次回へ活かせることを一つだけ拾う
この順で考えます。
■② なぜ活動仲間との振り返りがストレス軽減につながるのか
理由は、同じ現場を見た人同士だと、説明しすぎなくても通じる部分があるからです。
家族や友人に話すことも大切ですが、活動仲間には「現場の空気」「迷った場面」「無力感」「やり切れなさ」が伝わりやすいことがあります。日本赤十字社の冊子でも、仲間と話し合い、一人で抱えこまないことが勧められています。つまり、振り返りの会は「答えを出す場」より、「支援者同士が孤立しない場」としてかなり意味があります。
https://www.jrc.or.jp/volunteer-and-youth/volunteer/pdf/20221114-1696e14484023a1dabbe760d96763b37245f95ac.pdf
被災地経験でも、活動後に「自分だけがつらいのではなかった」と分かるだけで、かなり気持ちが軽くなることがありました。だから、振り返りは技術のためだけでなく、心の回復のためにも現実的です。
■③ どんな形の振り返りの会が現実的なのか
一番現実的なのは、短時間で、話しやすく、評価色が強すぎない形です。
たとえば、30分から1時間程度で、
今日しんどかったこと
印象に残ったこと
今の体調や気分
を順番に出すだけでも十分意味があります。
ここで大事なのは、「立派な会」にしないことです。議事録を完璧に作る、全員に深い発言を求める、結論をまとめる、といったことをやりすぎると、かえって負担になります。私なら、“会議”ではなく“確認の時間”くらいにします。
■④ 何を話せばいいのか分からない時はどうすればいいか
その時は、次の3つだけで十分です。
しんどかったこと
よかったこと
今の自分の状態
これだけでもかなり整理になります。言葉が出にくい人は、「疲れた」「少し落ちている」「思ったより平気じゃない」くらいでも十分です。大切なのは、上手に話すことではなく、少しでも外に出すことです。
私なら、最初から「学び」や「反省」を求めません。まずは感情と体調の確認を優先します。その方が本音が出やすいです。
■⑤ 振り返りの会で気をつけたいことは何か
気をつけたいのは、反省会にしすぎないことです。
活動後は、どうしても
もっとできたのではないか
あの時ああすればよかった
に意識が寄りやすいです。ですが、そればかりになると、自責感が強くなり、次回の活動への不安にもつながります。
元消防職員としても、現場後の共有は「改善点を出すこと」も大切ですが、それ以上に「今の心身を傷つけないこと」が大事だと感じます。私なら、改善点は最後に一つ二つで止めます。
■⑥ どんな時は振り返りの会をやった方がいいのか
特にやった方がいいのは、
初めての災害ボランティアだった時
印象の強い場面があった時
無力感や罪悪感が残っている時
仲間の様子が少し気になる時
です。
日本赤十字社は、支援者も大きなストレスを受けることがあり、こころのケアが必要だと示しています。だから、「大きな問題が起きた時だけ」ではなく、少しでも気持ちが残っているなら、短い共有時間を作る価値があります。
https://www.jrc.or.jp/about/publication/pdf/sekijujishinbun_931.pdf
■⑦ 振り返りの会をした方がいいのに、やらない方がいい場面はあるか
あります。まだ全員が疲れ切っていて、話すより先に休むべき時です。
活動直後でへとへとなら、その日に無理に集まる必要はありません。まずは帰宅して、水分を取り、入浴し、寝ることの方が大事な時もあります。振り返りの会は、休養の代わりにはなりません。
私なら、
その日に10分だけ無事確認
翌日か数日後に短く振り返る
くらいでも十分だと考えます。回復を邪魔しない方が大切です。
■⑧ こんな時は“振り返りの会”だけで終わらせない方がいい
次のような状態があるなら、仲間内の共有だけで抱え込まず、別の支援も考えた方が安全です。
眠れない状態が続く
強い罪悪感や無力感が抜けない
涙が止まらない
日常生活へ戻れない
人と話すのもつらい
振り返りの会は大切ですが、万能ではありません。私なら、「仲間と話したから大丈夫」と決めつけず、長引くなら早めに専門相談も視野に入れます。
■⑨ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「今は一人で抱え込みすぎていないか」
「反省より共有を優先できているか」
「短時間でも安全に話せる形になっているか」
「共有してもつらさが強いなら別の支援先を考えられているか」
この4つが整理できれば、災害ボランティア後に活動仲間と振り返りの会を開く形としてはかなり現実的です。防災では、「正しく総括すること」より「一人で抱え込まないこと」の方が大切です。
■⑩ まとめ
災害ボランティア後に活動仲間と「振り返りの会」を開くことでストレスを軽減するには、反省会にしすぎず、今の状態や感じたことを短時間でも共有して、一人で抱えこまない形を作ることが大切です。日本赤十字社の災害ボランティア向け冊子では、仲間とよく話し合い、一人で抱えこまないことが勧められており、日赤の資料でも支援者は大きなストレスを受けることがあると示されています。
私なら、災害ボランティア後に一番大事なのは「完璧な振り返りをすること」ではなく「仲間と少しでも共有して、一人で抱え込まないこと」だと伝えます。被災地でも、助かったのは強く整理できた人より、つながりを切らさなかった人でした。だからこそ、まずは共有、次に確認、最後に必要なら次へ活かす。この順番で整えるのがおすすめです。

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