2024年元日の能登半島地震では、被害の大きさだけでなく「情報の届き方」が被災者の行動や不安に大きな影響を与えました。
この教訓を踏まえ、石川県は災害時の情報発信に特化したガイドブック
「災害広報で迷わないための15のヒント」 を作成しました。
これは、災害時に広報担当者が“判断に迷わない”ための、実践的な行動指針です。
■① 災害時の情報発信は「命に直結する業務」
災害広報は単なるお知らせではありません。
・避難の判断
・支援制度の利用
・デマによる混乱防止
すべてが、情報発信の質と速さに左右されます。
能登地震では、正確な情報を出し続けること自体が支援となりました。
■② 初動で最重要なのは「体制を即つくること」
ガイドで最も強調されているのが、
情報発信体制の迅速な構築です。
・誰が発信責任者か
・どの媒体を使うか
・更新頻度はどうするか
これを災害直後に決められるかどうかで、その後の混乱は大きく変わります。
■③ 取材対応ルールが“二次被害”を防ぐ
災害時は報道機関の取材が一気に集中します。
ガイドでは、
・取材可能エリアの明確化
・窓口の一本化
・対応時間の整理
など、取材ルールをあらかじめ決めることが、
現場の混乱と職員の疲弊を防ぐとしています。
■④ 情報は「デジタルだけ」に頼らない
石川県は、SNSやホームページだけでなく、
紙のチラシによる情報提供も重視しました。
・高齢者
・スマートフォンを使えない人
・通信環境が不安定な地域
災害時ほど、情報弱者が生まれやすくなります。
多様な手段を組み合わせることが、防災広報の基本です。
■⑤ デマは「放置しない」が鉄則
能登地震では、
仮設住宅の抽選に関するデマがSNS上で拡散しました。
石川県はこれに対し、
・正しい情報を
・こまめに
・公式発信で
繰り返し伝えることで、混乱の沈静化を図りました。
デマへの最善策は、沈黙ではなく継続発信です。
■⑥ 災害広報は「信頼の積み重ね」
一度でも誤情報を出すと、
「次の情報」が信じてもらえなくなります。
・分からないことは分からないと伝える
・更新予定を示す
・同じ内容でも繰り返し出す
これらが、被災者との信頼関係を保つポイントです。
■⑦ 行政が言いにくいが重要な視点
現場ではよく、
「まだ確定していないから出せない」
という判断がされがちです。
しかし災害時は、
確定情報が出るまで待つこと自体がリスクになります。
「現時点では〇〇の見込み」
といった段階情報でも、発信する価値があります。
■⑧ まとめ|情報発信も「備え」の一部
このガイドは、
災害時の自治体広報担当者にとっての
行動マニュアルです。
・情報発信体制の事前整理
・多様な伝達手段
・デマへの即応
・取材対応ルール
これらはすべて、災害が起きる前から備えることができます。
防災とは、
物資を備えることだけではありません。
情報を、正しく・確実に届ける準備
これもまた、命を守る防災です。

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