災害時は、スマホがあっても電話がつながらないことがあります。そんな時に役立つのが、災害用伝言ダイヤル「171」です。ただ、171を知っているだけでは足りません。実際に録音する時に何を伝えるかが決まっていないと、短い時間の中で大事な情報を落としやすくなります。そこで覚えやすい合言葉として使われているのが「あいたいよ」です。これは、家族に必要な情報を短く整理して伝えるための覚え方です。
■①(災害用伝言ダイヤル171とは何か)
災害用伝言ダイヤル171は、災害時に声の伝言を残し、家族や知人がそれを聞ける仕組みです。電話がつながりにくい時でも、被災地の電話番号をキーにして安否情報を確認できるため、親子や家族の連絡手段として非常に重要です。災害時は一斉に電話が集中するため、通常の通話だけに頼らない備えが必要になります。
■②(「あいたいよ」は何のための合言葉か)
「あいたいよ」は、171で録音する時に、何を伝えるかを忘れにくくするための合言葉です。災害時は焦って頭が真っ白になりやすく、必要なことだけを短く伝えるのが意外と難しくなります。だからこそ、順番を覚えやすい言葉にしておくと役立ちます。防災は、知識より“混乱の中でも思い出せる形”にしておくことが大切です。
■③(「あ」=あなたの名前)
最初の「あ」は、あなたの名前です。誰が録音したのか分からないと、聞いた家族が混乱します。フルネームで名乗ることで、親子や家族がすぐに本人確認しやすくなります。特に声が聞き取りにくい時や、複数の家族が同じ電話番号を使う時は、名前を最初に入れる意味が大きいです。
■④(「い」=今いる場所)
次の「い」は、今いる場所です。どこにいるかが分からないと、家族は無駄に探し回ることになります。
・学校
・職場
・避難所
・親戚の家
・○○公民館
など、できるだけ具体的に伝える方が安心につながります。被災地対応でも、「無事です」だけより「どこで無事か」が分かる方が、家族の不安はかなり減ります。
■⑤(「た」=だれと一緒か)
「た」は、だれと一緒にいるかです。例えば、子どもが祖父母と一緒なのか、兄弟だけなのか、友達といるのかで、家族の安心感は大きく違います。親子で連絡をとる時も、「一人ではない」と分かるだけで不安が減ります。災害時は、家族が頭の中で最悪の想像をしやすいので、一緒にいる人を伝えることはとても大事です。
■⑥(「い」=痛いところはないか)
2つ目の「い」は、痛いところはないか、つまりケガや体調のことです。
・ケガはない
・少し足が痛い
・気分が悪い
・薬が必要
こうした情報があると、家族も次の行動を考えやすくなります。防災士として見ても、安否確認で大事なのは“生きているかどうか”だけでなく、“今どのくらい動ける状態か”です。
■⑦(「よ」=予定を伝える)
最後の「よ」は、予定を伝えることです。
・今日はこの避難所にいる
・次は夕方にもう一度伝言を入れる
・明日、学校に迎えを待つ
・しばらくここにいる
この「次にどうするか」があるだけで、家族の行き違いがかなり減ります。元消防職員として言うと、災害時の混乱は、連絡が取れないことより“次の行動が分からないこと”で大きくなります。
■⑧(今日できる最小行動)
今日やることを1つに絞るなら、家族で「あいたいよ」を紙に書いて、171で使う電話番号と一緒に貼ってください。
・あ=あなたの名前
・い=今いる場所
・た=だれと一緒か
・い=痛いところはないか
・よ=予定
この5つを家族で共有しておくだけでも、災害時の伝言はかなり伝わりやすくなります。防災は、道具を知ることより、使い方を決めておくことが大切です。
■まとめ|「あいたいよ」は171で家族に必要な情報を短く伝えるための合言葉
災害用伝言ダイヤル171は、災害時に親子や家族の安否確認を支える大切な仕組みです。そして合言葉「あいたいよ」は、その短い録音時間の中で、名前、場所、一緒にいる人、ケガの有無、次の予定を漏れなく伝えるための覚え方です。171を知っているだけで安心するのではなく、何を伝えるかまで家族で決めておくことが実際の防災につながります。
結論:
災害用伝言ダイヤル171で最も大切なのは、“つながるかどうか”だけでなく、“短い時間で家族に必要な情報を確実に伝えること”であり、そのための合言葉が「あいたいよ」です。
防災士として現場感覚で言うと、災害時に強い家族は、特別な機械を持っている家族ではなく、「何をどう伝えるか」が平時に決まっている家族です。171は知っているだけでは足りず、家族の約束にして初めて本当に役立ちます。
出典:NTT東日本・NTT西日本「災害用伝言ダイヤル(171)」公式案内、171パンフレット「あいたいよ」

コメント