4月から始まると話題の「独身税」。
「子持ちは月500円ほど、独身は700円以上」と聞くと、独身のほうが不利な制度のように感じるかもしれません。
しかし、制度の正式名称は「子ども・子育て支援金制度」です。
本当に“独身だから高い”のでしょうか。
防災の世界でも、制度や支援の誤解が不安を生みます。
今回は感情ではなく「制度の構造」から整理します。
■① “独身税”の正体とは何か
正式名称は「子ども・子育て支援金制度」。
これは新しい税金ではなく、医療保険料とあわせて拠出する仕組みです。
対象となるのは
・被用者保険(会社員など)
・国民健康保険
・後期高齢者医療制度
令和8年4月分から開始され、会社員は5月給与から天引き予定とされています。
つまり、「独身かどうか」で決まる制度ではありません。
■② なぜ“独身のほうが高い”と感じるのか
支援金の平均月額試算は以下の通りです。
・被用者保険:1人あたり約550円
・国民健康保険:1世帯あたり約300円
・後期高齢者医療制度:1人あたり約200円
ここで重要なのは「算定単位」です。
被用者保険は“1人あたり”。
国民健康保険は“1世帯あたり”。
単身世帯の会社員と、世帯単位で算定される国保加入世帯では、見え方が違います。
数字のマジックで不公平に感じやすい構造です。
■③ 月500円と700円の差の正体
被用者保険では「標準報酬総額」に連動します。
年収別試算では
・年収600万円 → 月約575円
・年収800万円 → 月約767円
つまり差を生んでいるのは
「独身かどうか」ではなく
「年収水準」です。
制度上、家族構成は直接の算定要素ではありません。
■④ 防災と同じ“制度の誤解”というリスク
災害現場でもよくあります。
「補助金は被災者全員がもらえる」
「住宅支援は全壊だけ」
「申請すれば自動的に支給される」
実際は細かな要件があります。
東日本大震災や熊本地震の派遣現場で、制度の誤解から強い不安や怒りが生まれる場面を何度も見てきました。
制度そのものよりも、「正しく知らないこと」が混乱を拡大させます。
今回も同じ構図です。
■⑤ 感情より構造を見る
「独身税」という言葉は刺激的です。
しかし制度の設計を見ると、
・独身だから高い
・子持ちだから安い
という単純構造ではありません。
負担額は
①加入している医療保険制度
②年収水準
によって決まります。
防災でも家計でも、まずは構造を知ることが“冷静さ”につながります。
■まとめ
・正式名称は「子ども・子育て支援金制度」
・新税ではなく医療保険料とあわせて拠出
・独身かどうかではなく「保険制度」と「年収」で決まる
・月500円と700円の差は年収差の可能性が高い
不安は、情報の空白から生まれます。
制度を正しく理解することは、災害時の情報リテラシーと同じ“生活防災力”の一部です。
冷静に、数字と構造で判断していきましょう。
■出典
こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

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