生成AIの進化により、誰でも精巧な画像や動画を作れる時代になりました。選挙でも災害でも、偽情報は拡散しやすくなっています。
一見バラバラに見える「生成AI」「選挙」「災害」ですが、実は構造は同じです。防災士としての現場経験と、近年の報道・研究の傾向を踏まえ、公共情報リテラシーの視点から整理します。
■① なぜ今、偽情報が増えているのか
背景にあるのは3つの変化です。
・生成AIで誰でも高品質な画像・動画を作れる
・SNSの拡散速度が極めて速い
・感情を刺激する情報が優先表示されやすい
技術の民主化は便利さをもたらす一方で、誤情報の大量生産も可能にしました。
■② 選挙と災害はなぜ似ているのか
選挙も災害も「判断を迫られる場面」です。
・投票するかどうか
・避難するかどうか
時間制限のある状況で、人は感情に影響されやすくなります。
だからこそ、偽情報はその瞬間を狙います。
■③ 防災士として現場で見た“情報の連鎖”
被災地派遣やLOとして現場に入った際、
誤った津波情報や避難所閉鎖のデマが、住民の不安を増幅させた事例がありました。
・「もう手遅れだ」と思い込む
・「大したことない」と油断する
どちらも命に関わります。
情報は行動を直接左右します。
■④ 研究と報道が示す傾向
近年の報道や研究では、
・自分の価値観に近い情報ほど信じやすい
・35%が偽情報を事実と誤認した事例
・生成AI動画は見抜きにくい
といった傾向が示されています。
これは個人の能力の問題ではなく、人間の認知特性の問題です。
■⑤ よくある誤解|「自分は大丈夫」
最も危険なのは過信です。
防災士から見て実際に多かった失敗は、
「自分は冷静だと思い込んでいる人が、最も強い言葉に反応する」という現象でした。
偽情報は、知識の少なさよりも“確信の強さ”を狙います。
■⑥ 今日できる最小行動
・画像はGoogleレンズで検索
・発信源を確認する
・公式発表を必ず1つ確認する
・共有前に30秒止まる
自律型避難と同じく、
「誰かが確認してくれる」ではなく「自分で確認する」。
これが情報防災です。
■⑦ 行政が言いにくい本音
行政はすべての偽情報を即時否定できるわけではありません。
確認には時間がかかり、その間に情報は拡散します。
だから制度だけでは足りません。
住民一人ひとりの確認力が不可欠です。
■⑧ 情報リテラシーは“防災力”そのもの
災害時に強い地域は、
・公式情報を確認する習慣がある
・噂に流されにくい
・冷静な共有ができる
これは偶然ではありません。
日常の情報との向き合い方が、そのまま非常時に現れます。
■まとめ|情報も備えの一部
生成AI、選挙、災害。
領域は違っても、偽情報の構造は同じです。
結論:
情報は「信じる前に確かめる」が基本。
防災士としての経験から言えば、
命を守る人は「早く動く人」ではなく「正しく確認してから動く人」です。
情報リテラシーは、備蓄や避難訓練と同じ“防災力”です。
日常から鍛えておきましょう。

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