「停電が長引いたら発電機があれば安心」
そう思って買ったのに、いざという時に使えない人が少なくありません。
発電機は便利ですが、選び方と使い方を間違えると
一酸化炭素中毒や火災につながる危険もあります。
この記事では、防災士の視点で
家庭用発電機の選び方と、安全に使うためのポイントをまとめます。
■① 結論|家庭用は「インバーター式+小型」が現実解
家庭防災で扱いやすいのは、
インバーター式の小型発電機です。
理由は3つあります。
・スマホやPCなど精密機器に使いやすい(電気が安定)
・燃費が比較的よい
・騒音が抑えられ、避難生活でもトラブルになりにくい
「大型で全部動かす」より、
必要なものだけを確実に動かす発想が安全です。
■② 発電機の種類|インバーター式と非インバーター式の違い
発電機は大きく2種類です。
・インバーター式:電気が安定。スマホ・PC・冷蔵庫向き
・非インバーター式:比較的安いが電気が荒く、精密機器には不向きな場合がある
家庭防災で「買って後悔しない」のはインバーター式です。
■③ 出力の目安|何を動かしたいかで決まる
選ぶ前に「動かす機器」を決めます。
目安例:
・スマホ充電+LED+ラジオ:300〜700Wクラスで十分
・小型冷蔵庫を動かしたい:1000Wクラスが安心
・電子レンジやIHを使いたい:かなり大きくなり、燃料消費も増える
家庭の現実解は、
700W〜1600W程度の範囲で“必要最小限”を回すことです。
■④ 燃料は何がいい?|ガソリン・カセットボンベ・ポータブル電源併用
燃料ごとの特徴は次の通りです。
・ガソリン式:出力が強いが保管管理が必要(劣化・火災リスク)
・カセットボンベ式:扱いやすいが連続運転時間が短め
・ハイブリッド運用:日常はポータブル電源、長期停電に発電機
家庭防災では
ポータブル電源+発電機(予備)の二段構えが強いです。
■⑤ 最重要|一酸化炭素中毒を防ぐ「置き場所ルール」
発電機事故で多いのが一酸化炭素中毒です。
被災地でも、屋内使用・換気不足で救急搬送されるケースがありました。
絶対ルール:
・室内、玄関、ガレージ、ベランダ囲い込みはNG
・建物の開口部(窓・換気口)から離す
・風下に排気が流れない位置に置く
・可能なら一酸化炭素警報器を併用
「寒いから中で回す」は命取りです。
■⑥ 騒音と近隣トラブル|避難生活では“配慮”が安全につながる
発電機は音が出ます。
災害時は精神的に余裕がなく、音がトラブルになりやすいです。
・夜間は使用を控える
・充電タイムを決めて短時間で運用
・防音カバーの利用は“排気を妨げない範囲”で
電気の確保は大切ですが、
周囲との関係が崩れると生活が一気に苦しくなります。
■⑦ 使える状態にする|月1回の“始動チェック”が命を守る
発電機は「持ってる」だけではダメです。
・燃料は劣化する
・エンジンがかからない
・オイル不足
・プラグ不調
こうした理由で、非常時に動かないことがあります。
月1回やること:
・5分だけ始動
・延長コードの確認
・保管場所の再確認
■⑧ 今日できる最小行動|発電機を買う前にやるべきこと
・停電時に“絶対守りたい家電”を3つ決める
・その消費電力(W)をメモする
・置き場所(屋外)を家族と共有する
・延長コードと防雨対策をセットで準備する
■まとめ|発電機は「選び方」より「安全運用」で差が出る
発電機は強力な味方ですが、危険もある道具です。
家庭防災では「全部動かす」より
必要なものを安全に回す設計が現実的です。
結論:
家庭用はインバーター式小型を基本に、屋外運用と定期点検で“使える備え”にすることが最重要です。
元消防職員として現場を見てきた実感として、
発電機は便利な反面、事故が起きた時のダメージが大きい道具です。
だからこそ「置き場所と運用ルール」を家族で決めておくことが、命を守る防災になります。

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