【防災士が解説】福岡県の節水要請|渇水対策本部設置後に“家庭と職場”でやるべきこと

「節水してください」と言われても、何をどこまでやればいいのか分からない。
結論から言うと、渇水期の節水は、気合いではなく“仕組み化”が最も効きます。
家庭なら「浴槽の水・トイレ・洗濯」、職場なら「掲示・声かけ・運用ルール」の3点を整えるだけで、水の使用量は確実に落ちます。

本県では、令和8年2月10日に福岡県渇水対策本部が設置され、県内の節水の取組をさらに推進することとなりました。
いま必要なのは、県の呼びかけを“自分の生活に落とす”ことです。


■① なぜ今、節水が必要なのか(渇水は静かに生活を壊す)

渇水は地震のように一瞬で壊れる災害ではありません。
少しずつ、水圧が落ちたり、給水が不安定になったり、制限が広がったりして、生活がじわじわ不便になります。

  • トイレが流れにくい(衛生とストレスが直撃)
  • 手洗い回数が減る(感染症リスクが上がる)
  • 洗濯・清掃が回らない(生活の質が落ちる)

だからこそ、早めの節水協力が“未来の自分”を助けます。


■② 節水の優先順位は「命と衛生が落ちない順」

節水は、やみくもに我慢すると失敗します。
優先順位はこれです。

  1. 飲み水は確保(節水より“備蓄”)
  2. トイレ・手洗いは守る(衛生を守る)
  3. 風呂・洗濯・掃除は「回し方」を工夫する(量を減らす)
  4. 無駄な流しっぱなしを止める(ここが最大の伸びしろ)

被災地派遣(LO)で現場を見てきて痛感したのは、
水が足りないと一番壊れるのは“生活の衛生”だということです。
衛生が落ちると、体調→メンタル→家庭内不和の順で崩れやすくなります。節水は我慢ではなく、生活を守る技術です。


■③ 家庭で効く「節水の型」:まずは浴槽・トイレ・洗濯

家庭の節水は、ここを押さえると一気に効きます。

1)浴槽の水を“生活用水”として確保

  • 飲用ではなく、トイレ・清掃用に使う
  • 満水が無理なら半分でも十分役立つ
  • ためる日を決める(週1回、節水要請が出た日など)

2)トイレは「小の回数調整」より“流し方の工夫”

  • まとめ流しは衛生悪化のリスクがあるため、無理にやらない
  • 節水型の流し方(大・小の使い分け)を徹底
  • 浴槽水のバケツ流しを想定(やり方を家族で共有)

3)洗濯は「回数を減らす」より“水量とモード”

  • まとめ洗い+節水モード
  • すすぎ回数の見直し(可能な範囲で)
  • 汚れの強い物は予洗いを工夫して全体の水量を落とす

■④ 台所・洗面で“今日から確実に減る”小技

ここは努力ではなく、癖を変えるだけで減ります。

  • 歯みがき:コップを使う(流しっぱなしを止める)
  • 食器:ため洗い+最後にまとめすすぎ
  • 野菜洗い:ボウル使用
  • 洗顔:シャワー洗顔をやめる

「小さすぎる節水」に見えますが、毎日積み上がるのはここです。


■⑤ 職場・施設で効くのは「掲示・放送・役割分担」

今回の依頼のポイントは、家庭だけではなく、職場・施設側の協力も重要ということです。

  • ポスター掲出(入口・洗面・トイレ・給湯室)
  • チラシ配付(来庁者・利用者に届く動線で)
  • 館内放送(時間帯を決めて繰り返す)
  • 担当を決める(掲示物の維持・更新が止まらない)

渇水対応は、誰かの善意だけに頼ると続きません。
“運用”に落とすと、効果が継続します。


■⑥ 「やってはいけない節水」:衛生を落とす節水は逆効果

節水でも、これは避けた方がいいです。

  • 手洗いを減らす(感染症リスクが上がる)
  • トイレを我慢して体調を崩す
  • 風呂を極端に我慢して皮膚トラブルや不眠になる
  • 施設の清掃頻度を落としすぎる(クレーム・体調不良の原因)

節水は、生活を守るためにやる。ここがブレると失敗します。


■⑦ 県の情報は「受け取り方」を決めると迷わない

渇水は、情報を追いかけるより「受け取る仕組み」を作る方が強いです。

  • 公式ページを定期確認
  • 知事メッセージ動画
  • 水資源対策課の公式X

家族や職場で「誰が確認して共有するか」を決めるだけで、判断が軽くなります。


■⑧ 今日できる最小行動:これだけで十分

今日やるなら、これだけでOKです。

  • 浴槽に水を半分ためる日を決める
  • 洗面・台所の“流しっぱなしゼロ”を家族で合言葉にする
  • 職場なら、ポスター掲出場所を1か所決めて貼る

節水は、完璧より継続が勝ちます。


まとめ

結論:渇水期の節水は「我慢」ではなく「仕組み化」。家庭は浴槽・トイレ・洗濯の3点、職場は掲示・放送・役割分担の3点を整えると、衛生を落とさずに確実に使用量を下げられる。県の情報は“受け取り方”を決め、迷いを減らすことが一番強い。


出典

福岡県「節水のお願い」
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/sessui.html

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