【防災士が解説】罹災証明書 申請は片付けると詰む|写真・保険・支援につなぐ判断基準

地震後の生活再建で一番危ないのは、先に片付けてしまうことです。
結論から言うと、罹災証明書は写真を撮らずに片付けると詰みやすいです。
なぜなら、罹災証明書は市町村の調査で住家の被害を証明し、行政支援や各種手続の土台になるからです。
さらに、被害写真は保険会社への請求でもかなり重要です。

だから判断基準はシンプルです。
片付ける前に撮る。 撮ってから申請する。 申請したら保険と支援を同時に進める。

■① 一番危ないのは「先に直す・捨てる」こと

内閣府は、片付けや修理の前に、家の被害状況を写真に撮って保存するよう案内しています。
これは、市町村から罹災証明書を取得して支援を受ける時や、保険会社へ請求する時に役立つと明記されています。 (bousai.go.jp)

元消防職員としても、被災後に苦しくなるのは家が壊れたことだけではなく、
証拠を消してしまって手続が弱くなることです。
だから最初の正解は、掃除ではなく記録です。

■② 基本の結論|写真は「外4方向」と「中の全景+寄り」で撮る

内閣府の写真撮影の留意事項では、撮り方の基本は次の通りです。

家の外
・スマホやカメラでなるべく4方向から撮る
・浸水があれば深さが分かるように撮る
・メジャーなどを当てて「引き」と「寄り」を撮ると分かりやすい

家の中
被災した部屋ごとの全景
壊れた箇所の寄りの写真

これが基本です。
私なら、追加で
日付が分かる形、部屋名が分かる順番、壊れた家財も別に撮る
を入れます。

■③ 罹災証明書は「市町村へ申請」が基本

内閣府は、罹災証明書を市町村が住家被害を調査して交付する証明書として位置づけています。
つまり、申請先は原則として住んでいる市町村です。 (bousai.go.jp)

流れをシンプルにするとこうです。

① 写真を撮る ② 市町村に申請する ③ 現地調査・判定を受ける ④ 罹災証明書の交付を受ける ⑤ 行政支援や各種申請につなぐ

ここで詰みやすいのは、
申請前に直す
申請が遅れる
どこの窓口か分からず止まる
この3つです。

■④ 写真の撮り方で差が出るのは「全体→詳細」の順

写真は、とにかくたくさん撮ればいいわけではありません。
大事なのは、全体が分かる写真と、細部が分かる写真をセットで残すことです。

私なら次の順で撮ります。

・家の外観4方向
・傾き、基礎、外壁、屋根
・部屋ごとの全景
・壊れた窓、壁、床、天井
・水回り、出入口、サッシ
・壊れた家財

この順なら、あとで見返した時にかなり整理しやすいです。

■⑤ 保険は「罹災証明書待ち」で止まらない方がいい

ここもかなり大事です。
罹災証明書は行政支援に重要ですが、保険は保険で早めに連絡した方がいいです。
内閣府の手引きでも、損害保険や共済は独自に損害査定をするため、罹災証明書の添付を求めないことが一般的とされています。 (bousai.go.jp)

つまり判断基準はこうです。

罹災証明書は市町村へ。 保険は保険会社へ。 待たずに並行して動く。

これが一番外しにくいです。

■⑥ 行政支援につなぐなら「証明書を取って終わり」にしない

罹災証明書はゴールではありません。
内閣府の手引きでは、被災者生活再建支援法以外にも、都道府県や市町村独自のものを含め、さまざまな支援策の申請時に罹災証明書の添付が求められると示されています。 (bousai.go.jp)

つまり、証明書を取ったら次に見るべきは、

・生活再建支援金
・応急修理
・自治体独自支援
・税や保険料の減免
・住宅関連支援

です。
私は、取ることよりつなげることの方が大事だと見ます。

■⑦ 結論|罹災証明書は「片付ける前に撮る」で切る

罹災証明書の取り方を一言でまとめるなら、これです。

片付ける前に撮る。 撮ってから市町村へ申請。 保険と支援は待たずに並行。

この基準なら、大きく外しにくいです。
被災後は感情で動くと詰みやすいです。
だから、記録→申請→接続の順が強いです。

■まとめ

罹災証明書の取得で一番危ないのは、被害写真を残さずに片付けや修理を始めることです。
内閣府は、片付け前に家の外と中の被害状況を写真で記録するよう案内しており、これは罹災証明書の取得や保険請求に役立つとしています。
罹災証明書は市町村に申請し、住家被害の調査を受けて交付されるもので、行政支援の基礎になります。
一方、保険は罹災証明書を待たずに保険会社へ連絡して並行して進める方が安全です。
大切なのは、片付けより先に記録し、証明書を取ったあとに支援や保険へきちんとつなぐことです。

私なら、罹災証明書は“申請する書類”ではなく“生活再建の入口”として見ます。現場では、壊れた家より、証拠を消して動きが止まる方が後で苦しくなります。だから被災後は、まず写真、次に申請、その後に保険と支援へつなぐ。この順が一番強いです。

出典:内閣府「住家の被害認定調査における写真撮影に係る留意事項について」

参考:内閣府「災害に係る住家の被害認定」

コメント

タイトルとURLをコピーしました