はじめに
地震や豪雨は、家にいる時だけ起きるわけではありません。
むしろ多いのは「仕事中に発生して、判断が遅れる」パターンです。
被災地の支援現場でも、帰宅困難の不安や情報不足で無理に動いてしまい、体調悪化・転倒・渋滞巻き込まれが連鎖するケースを何度も見ました。
職場での防災は、備蓄よりも「帰る/帰らないの基準」が先に必要です。
この記事では、仕事中の災害で迷わないための“職場ルール”を作ります。
■① 結論|職場災害の正解は「まず留まる」|帰宅は条件が揃ってから
結論はこれです。
- まずは職場で安全確保して留まる
- 帰宅は「安全に帰れる条件」が揃ってから
- 家族の合流は“ルール”で成立させる
- デスクには「72時間を耐える最小セット」を置く
仕事中の災害で一番危ないのは、情報が少ない状態で動き出すことです。
■② よくある失敗|「とにかく帰る」が一番危険になる
職場災害で多い失敗はこの流れです。
- 家族が心配で移動開始
- 駅が止まる/道路が渋滞
- 余震・落下物・冠水で足止め
- 立ち往生して体力を削る
被災地では「帰る途中で体調を崩した」「人混みで転倒して負傷した」も現実に起きます。
“帰宅”が目的になってしまうと、命の優先順位が逆転します。
■③ 最初の5分|職場で必ずやることは3つだけ
1) 落下物から離れる(頭・首を守る)
2) 火気・電源・危険物の安全確認(可能な範囲で)
3) 人数確認(同僚の安全確認)
ここで大事なのは「すぐ帰る」ではなく「まず安全を固める」です。
■④ 帰宅する/しない判断基準|迷わないために“条件”で決める
帰宅しない(原則)の条件
- 交通機関停止・混乱がある
- 夜間で視界が悪い
- 余震・強風・豪雨で移動が危険
- 道路冠水や土砂リスクがある
- 子どもが学校にいて、学校が保護できている
帰宅してよい条件(例)
- 徒歩で安全に帰れる(危険箇所が少ない)
- 日没前に到着できる
- 余震・風雨のピークが過ぎている
- 会社から退避・帰宅の指示が出ている
- 家族の合流ルールが成立している
ポイントは「気持ち」ではなく「条件」で決めること。
条件が揃わない限り、留まる方が安全です。
■⑤ 仕事中の不安を止める“家族連絡ルール”|短文テンプレだけ作る
職場で迷いを増やすのは、連絡不能の不安です。
長文は不要。短文テンプレで十分です。
- 「無事。職場に待機。次は〇〇時に連絡」
- 「無事。徒歩で帰宅開始。到着予定〇〇」
- 「無事。交通停止。職場で宿泊予定」
「今どこ」「次どうする」「次の連絡時刻」だけで不安が止まります。
■⑥ デスク防災の最小セット|“72時間の最低ライン”に絞る
職場の備えは、重装備より「薄くて強い」が続きます。
デスクに置く(軽量・常備)
- 水(小さめでもOK。まず1本から回す)
- 小さめ非常食(すぐ食べられる物)
- モバイルバッテリー+ケーブル
- 乾電池ライト(または小型ライト)
- マスク
- 常備薬(必要な人)
- 使い捨てトイレ1〜2回分(職場のトイレ停止対策)
- 防寒アルミシート(薄くて強い)
- 連絡先メモ(スマホが死んだ時の保険)
被災地の支援現場で強かったのは、こういう“薄い備えを普段から回している人”でした。
大きなバッグより、デスク引き出しの小さなセットの方が生存率を上げます。
■⑦ 帰宅困難になった夜|体力を削らない行動が正解
帰宅困難の夜にやりがちな失敗は、
- 情報を追い続けて眠れない
- とにかく歩き続ける
- 寒さと脱水で体調を落とす
正解は逆です。
- まず温度(冷え)を止める
- 次に水分を守る
- 体力温存の姿勢を取る
- 次の判断を“朝”に回す
「動かない避難」は、体力を守る最強の戦術です。
■⑧ やらなくていい防災|職場でやると危険な行動
- 混乱した駅に突っ込む
- 冠水し始めた道路を歩く
- 余震が続く中で無理に移動する
- 家族の連絡が取れるまで動けない状態になる
職場災害は「留まる判断」こそが安全になります。
■⑨ 今日の最小行動|職場防災を“自分セット”に仕上げる
今日やることは3つだけでOKです。
1) 帰宅する条件/しない条件を1行で決める
2) 家族連絡テンプレを3つ作って固定する
3) デスクに「水・電源・ライト」だけ置く
これで、仕事中に災害が起きても迷いが激減します。
まとめ
職場で災害が起きた時、命を守るのは「早く帰ること」ではなく「安全に留まる判断」です。
- 原則は留まる
- 帰宅は条件が揃ってから
- 連絡は短文テンプレで迷いを止める
- デスク防災は薄くて強い最小セット
- 夜は体力温存が最優先
- 今日の最小行動で“職場の自分セット”が完成する

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